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エスカレーターを歩かない走らないを広めたい [ヨモヤ]

埼玉県議会の総務県民生活委員会が、
自民党県議団提出の「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例案」を可決した。
本会議での採決はもう少し先だが、成立する見通しとのことである。

条例は、立ち止まった状態でエスカレーターを利用することなどを定めるものである。
つまり、片側を空けることを戒めている。
管理者は利用者に対して安全利用を周知し、
県には安全利用に関する施策を実施することなどを求めている。
罰則規定はないようだ。

エスカレーターを駆け上がるのは危険だということは多くの人が了解しているだろう。
ただ、なにも条例化しなくても、と感じる方も少なくないと思う。
「モラルの話ではないか」
「走らなければいいだけで、片側を歩いてそんなに悪いか」
「急いでいる人はどうしたらいいのか」
など、条例化には賛成しかねるという意見も少なくないだろう。
しかし、エスカレーターの片側を空け、そちらを通行することに問題は多いのである。

まずは、危険である。
なんでも、2018年1月~19年12月に把握したエスカレーター事故の件数は1,550件で、
うち963件(62.1%)が転倒によるものなのだそうだ。
歩いたり走ったりしている本人だけではなく、周りの方にも被害を与えている。

また、片側を空けることが習慣化してしまっていることによる不都合も多々ある。
例えば、小さい子を連れている場合、隣に並ばせたいところだが、
そうしていると空いている方を通って来た人から迷惑がられる。
悪いことをしているわけでもないのに。

また、関東では左側に寄ることになっているが、怪我をしていたり、障害があったりで、
左側に寄れない人もいる。
関西では右側に寄ることになっているが、同様に右側に寄れない人もいる。
そうした方が肩身の狭い思いをするのはやはりおかしい。

片側を空けるがために、行列が長くなってしまっている点もデメリットである。

もちろん、たとえどんなにデメリットが多くても、条例化には違和感があるという気持ちもわかる。
ただ、なにもしなければ、きっと習慣は変わらない、というのも事実だろう。

条例が可決されても、おそらくしばらくの間は何も変わらないだろう。
しかし、エスカレーターを駆け上がる人は、
右側にいる人に舌打ちをする人は、
是非、少し考えていただきたい。
片側を空けるデメリットを。
この習慣で困っている人がいることを。

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