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映画評 「二重のまち/交代地のうたを編む」 [映画評]

日本経済新聞の金曜夕刊に映画評が掲載される。
かなり渋い映画も紹介されるので、知らなかったいい映画に巡り会うこともある。
今回観た「二重のまち/交代地のうたを編む」も、この欄で知った。
★5つが満点のところ、★★★★★。
これは観に行かねばと思った。

本作は、ドキュメンタリー映画。
陸前高田市を舞台に、
震災を知らない4人の若者が、土地の人たちの話を聞き、対話を重ね、
2031年の陸前高田に暮らす人々を描いた物語「二重のまち」を朗読する姿を映す。

「二重のまち」とは、もとのまちとかさ上げされたまちのことを言う。
もとのまちのうえにあるから二重。
震災前と震災後の二重性、
知るものと知らないものの重なりと離別。
いろいろなニュアンスがありそうだ。

真面目な映画であり、語り継ぐという意義もあると思う。
しかし、私が本作を楽しめたかというと、残念ながらそうではなかった。
展開や驚きを求める筋合いの作品ではないと重々承知してはいたものの、
あまりにも真面目であり、しんどかった。

若者たちが話を引き出す力も、ううむ、
聞き出した話も、ううむ、
映像も、ううむ。

映画が始まって直後、
「ずっとこのままだったらキツイな、でもまさかそんなことはないよな」
と悪い予感が走ったのだが、そのまさかがズバコン的中してしまった。
私にとっての救いは、上映時間が80分足らずと短かったこと。
この点は、本当にありがたかった。

商業映画であれば、悪かったところをいろいろ指摘するところだが、
本作はそういう作品ではない。
私は観に行くべき人間ではなかったのだろう。
そう思うことにする。

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