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日経平均 値幅の大きさに惑わされないように [経済を眺める楽しみ]

このところ、株価が乱高下している。
主な原因はアメリカの長期金利が上昇傾向にあることとされているが、
実際にはそれ以外にも複合的な要因があるのだろう。
上げ下げの理由や今後の展望はいろいろな見解があるとして、
値幅の大きさに惑わされないように気を付けたい。

2月26日の日経平均は1,200円ほど下げたが、この下げ幅は歴代10位に当たるものだった。
長い歴史があり、毎日取引している中での10位となると、かなりのインパクトだが、
過去の下げとはかなり異質である気がする。

ちなみに、下げ幅ベスト10は以下のとおりである。
  年月日   下げ幅
1 1987.10.20 -3836.48
2 1990.04.02 -1978.38
3 1990.02.26 -1569.10
4 1990.08.23 -1473.28
5 2000.04.17 -1426.04
6 1991.08.19 -1357.61
7 1990.03.19 -1353.20
8 2016.06.24 -1286.33
9 1987.10.23 -1203.23
10 2021.02.26 -1202.26

このうち、1位はアメリカのブラックマンデーの翌日であり、9位もその余波と考えられる。
2位、3位、4位、6位、7位は、1989年をピークとしたバブル崩壊の流れ、
5位はITバブル崩壊時。
そして8位はイギリスのEU離脱ショック。
こうしてみると、10位にランク入りした直近の下落はちょっと違和感がある。
特別大きな理由がないからである。

単純な話、日経の値が大きくなればなるほど、下落幅も大きくなる。
同じ3%の下落でも、
日経が10,000円なら300円だが、
30,000円なら900円の下落幅になる。
当たり前のことなのだが。
ただ、ニュースで伝えられるときは下落額が中心に伝えられるから、
その大きさに狼狽することがある。

株価が高い水準になると、上がる時も下がる時も値幅が大きくなる。
値幅だけに気を取られると、
やたらと損した気になることもあるだろう。
しかし、
日経平均だけでは株式市場の全体的な方向性はわからないし、
値幅だけでは本当のトレンドはつかめない。
大きく動いているときこそ冷静に眺めたい。

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