SSブログ

震災後10年 東京電力の当事者意識 [ヨモヤ]

東日本大震災から10年が経過した。
大きな揺れ、
津波、
原発事故、
と三重苦に見舞われ、未曽有の被害が生じた。
そして震災後、それぞれに対策が進められた。
揺れに対しては耐震化の徹底、
津波に対しては防潮堤の建設、
そして原発に対しては、新たな規制基準のもと、徹底した審査が実施されることとなった。

震災の際に起きたことについては、反省すべき点が多々あるのは確かだが、
事前には想定しにくい面があったもの確かだろう。
だから、しっかり対処して、教訓を活かすことができれば、あの大災害も無駄ではなかったということになる。
しかし、活かせていないとなると、大きな失望を生むことは避けられない。

震災への対応では、東京電力が強い批判を浴びた。
取り返しがつかないような過ちも数々あったようだが、せめてそれを教訓として活かしていれば、次につながる。
そして、あれだけの批判を受けたのだから、活かされているはずだと信じたい。
だが、そうした期待と信頼を裏切るような調査結果が発表された。

柏崎刈羽原発で、侵入者を検知するセキュリティ施設の故障が複数個所で放置されていたことが見つかったのである。
これだけでも重大な過失だが、
東京電力は故障を認知しながら有効な措置を講じていなかったのだという。
調査委員会は、核セキュリティ上、最も「深刻」との評価で一致したというが、それも当然だろう。

昨年の9月には、東電職員が他人のIDカードを不正使用し中央制御室に入域した事案が発覚したばかりだが、こうも立て続けに不祥事が発覚すると、こうした事例も氷山の一角に過ぎないのではないかと心配になる。
安全対策は、まったく機能していないのではないか、
そもそも、そこに最大限の力を注がなければならないという思いさえ共有されていないのではないか、
そんな風にさえ思えてしまう。

大震災から10年経ち、環境問題がクローズアップされるなかで、
原子力発電を見直すべきとの声も上がっている。
しかし、東京電力の状況を見ると、首を傾げざるを得ない。
しっかり管理できるような気がしないからである。
当事者意識があるのかということさえ、疑わしくなってしまう。
猛省をうながしたいところだが、あの大災害をさえ教訓にできないのだとすれば、
反省を求めることなど、到底無理なことなのかと思えてしまう。
本当に悲しいことだが。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事