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発足前から前途多難なデジタル庁 [ヨモヤ]

役所にとって、議案を出すことは一大事である。
間違いがないように、慎重のうえにも慎重を期す。
特に、注目度の高い新しい法案を提出する際には、
関連部署と念入りに調整し、
繰り返し読み合わせを行い、
間違いがないように細心の注意を払うものだと思う。

しかし、今国会において提出された、
デジタル庁創設などを目指した「デジタル改革関連法案」の関係資料に、
大量の間違いがあったことが発覚してしまった。
その数は45カ所にものぼるといい、政府が陳謝する騒ぎとなった。
これを受けて加藤官房長官は、
「今後は緊張感を持って対応していく」
と述べられた。

これだけでも相当に恥ずかしい話だが、そのわずか2日後、
誤記を修正するための正誤表にもミスが発生してしまった。
そのため、「正誤表の正誤表」を提出する事態となった。
加藤官房長官は
「誤りが二度と生じない体制を作っていきたい」
とおっしゃったそうだが、ひどくばつが悪い思いをされたことだろう。

人間だから、どうしてもミスは生まれてしまう。
二重三重のチェック体制を取られていることと思うが、それでもそれをくぐりぬけて間違ったまま成果物となってしまうことはある。
あってはならないことだが、まれにあってしまう。
ただ、これだけ注目される案件で、「正誤表の正誤表」にまでなってしまうと、さすがに信頼感が損なわれるとの批判が出るのもやむを得ない。

今時、法案のチェックも、かなりの部分をソフトがやってくれているはずである。
それが間違っているとなると、今回の法案もさることながら、組織のデジタルリテラシーがちょっと心配になる。
デジタル庁を作るのだから、法案を作られた方々は日本一のデジタル集団であってもおかしくないのだが。

菅政権の看板政策の一つであるデジタル庁の創設が、いきなり躓いた格好である。
しかし、だからといって発足するデジタル庁がうまくいかないと決まったわけではない。
振り返って、このことが笑い話になるような立派な組織になっていくことを祈りたい。
最初はいろいろあったけど、今や世界一のデジタル先進国になった、
と数年後に振り返れたら素敵である。

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