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「〇〇しかない」と自分は言わないようにしよう [ヨモヤ]

ネットや新聞を読んでいると、
「〇〇しかない」という表現によく出くわす。
一番多く見かけるのは、
「感謝しかない」
というものだが、それ以外にも、
「自信しかない」
「絶望しかない」
などいろいろある。

あきれるほど悲惨な状況になったときに、
「もう笑うしかない」
と言ったりするが、そうした慣用的な表現とは少し違う用法のようだ。
強調しているのだろうか。

クライマックスシリーズでの敗退により、その試合が阪神の矢野監督による最後の指揮となった。
感想を求められて、
「いや、もう感謝しかないよね。
最後ああやって声援してもらえるのもあれやし、この選手たちとやれたこともそうやし、
感謝しかないね」
とおっしゃったそうだ。

阪神という人気球団で監督をすることには、大きなプレッシャーがあるだろう。
勝てば称賛されるし、
負けたらけちょんけちょんに叩かれる。
しかし、そうしたあれやこれやを置いて、
感謝の気持ちが強いということだろう。

お気持ちはわかる。
ちまたにあふれる、安易な「〇〇しかない」より伝わるものがある。
それでも、なにか残念な気もする。

感謝しか、ないのかしら。
勇気をもらったとか、励まされたとか、
ときには悲しい気持ちになったとか、
ときには怒りの感情にさいなまれたとか、
あるのではないだろうか。
感謝しかないってこと、あるのかしら。

もちろん、言葉のあやみたいなものなので、神経質に詰める話でもない。
それはそうなのだが、大事なところでの大事な発言で、
「〇〇しかない」
は残念である。
自分は言わないようにしようと思う。

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