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映画評 「アイ・アム まきもと」 [映画評]

主人公は阿部サダヲさん演じる、
人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」として働く市役所職員。
この人が空気を読めない行動を繰り返す、という設定なのだが、
どうしてそうなのか、
この行動の意味はなんなのか、
といったあたりが描かれない。
彼は最後にとんでもなく陰湿な仕返しをするのだが、
それまでの設定とまったく噛み合わない。
全体として「いい話系」なのだが、もやもやしたまま映画は進み、もやもやのピークで映画は終わる。
もちろん、なんでもかんでも描き込まなくてもある程度以上はこちらで理解するけれど、
それも程度問題。

故人を知る人を訪ね歩いていくうちに故人の人物像が浮かび上がってくる、
という展開なのだが、
残念ながらそこにも説得力はなし。
よくある話でもあるし。
ただし、出演されるのが、
宮沢りえさん、満島ひかりさん、國村隼さんといった手練れの面々なので、
それなりに感情移入はできる。

メガホンは、「舞妓Haaaan!!!」「謝罪の王様」「あやしい彼女」などの水田伸生監督。
本作はコメディ色薄め。
といってシリアスでもなくどっちつかず。

阿部サダヲさんはさすがの存在感だが、
本作では今一つはまっていないように思えた。

「アイ・アム まきもと」は、笑えず泣けず。
狙ったところはあったのだろが、的からは外れてしまった感じである。

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