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映画評 「北極百貨店のコンシェルジュさん」 [映画評]

文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞された西村ツチカさんの同名コミックのアニメ映画化。
北極百貨店は、従業員は人間だが客はすべて動物という不思議な世界。
もちろん動物たちは言葉をしゃべれる。
なぜ「北極百貨店」というのかはこの映画では説明されなかった。

主人公は新人コンシェルジュ。
試用期間ということで、フロアマネージャーや先輩コンシェルジュに見守られているが、
正式作用とすべきか厳しく査定している人もいる。
こうした作品の常として、
主人公はおちょこちょいであわてんぼう。
しかし何かにつけて一所懸命なので、まわりが支えてくれる。
そしてその懸命さがまわりにもいい影響を与えていく。
定番と言えばまさに定番。

いろいろな客が来て、小さなドラマが積み重ねられていく。
デパートを舞台にしたドラマにありそうな展開。
そこに動物の個性が乗っかる。
お仕事映画、というくくりになるのだろうか。
ほんわりした話の連続なので、ゆったり観ていられる。

上映時間は70分と短め。
だからといって、物足りない感はない。
物語はちゃんと語り尽くされていた。

なのだが、大満足かというと、そこまでは。
設定はぶっ飛んでいるのに、
展開はよくあるもの。
もうひと押し何かほしかった。
映画なのだから。
楽しく観ることはできたが、そこを超えるものが欲しかった。
映画なのだから。

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書評 「怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ」 [読書記録]

井上尚弥が、日本ボクシング界が生んだ史上最高のボクサーであることは、おそらく異論がないだろう。
ここまで25戦全勝、22KO勝ち。
現WBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者。
元世界バンタム級4団体統一王者。
WBSSバンタム級王者。
元WBC世界ライトフライ級王者。
元WBO世界スーパーフライ級王者。
世界4階級制覇王者。
さらに、日本人初のパウンド・フォー・パウンド・ランキング第1位獲得者でもある。

しかし、井上の強さはそうした記録だけで語れるものではない。
本作「怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ」を書いた森合正範さんは、
どうしたら井上の強さをあますところなく伝えられるかと悩み、
一つの方法として、闘った相手に語ってもらうことを思いついた。
DSC_0491[1190].JPG

登場するのは、
はじめての日本人対決となった佐野友樹さんをはじめ、
フルラウンド闘い、その後世界王者になった田口良一さん、
初の世界タイトル獲得時の相手であったアドリアン・エルナンデスさん、
世界に衝撃を与えた一戦となったオマール・ナルバエスさん、
見ていて少し切なくなった新旧世界王者対決の河野公平さん、
そして、ノニト・ドネアさん、
といった面々である。

井上と闘う理由は、それぞれの選手で違う。
井上が強過ぎるがゆえに対戦を避ける選手が続出するなか、
決死の覚悟で受けて立つ者もいれば、
世界的にはそれほど知られていなかった時点では軽い気持ちで受けた者もいる。
ただ、井上と闘ったことを誇りに感じていることは、みな共通していた。

井上の強さは、
そのパワーやパンチ力に焦点が当たりがちだと思う。
ガードの上から吹っ飛ばしてみたり、
かすっただけで倒してみたり、
といったシーンが目に焼き付いているので、そうした印象になる。
しかし闘った選手たちは、パワーやパンチ力を井上の強さの中心とはとらえていないようだ。
拳を交えた者だけがわかるのだろう、
試合に臨むまでの練習量、
瞬間的な調整力、
闘いにおいてもクレバーさ、
などが井上の強さを支えているようだ。
パンチが強いから強い、
のではなく、
総合的に強いのが井上とのとらえ方である。

井上に向き合ったボクサーたちから、
相手が強いからこそ闘いたい、
という声が出ていた。
負けるかも、とか、
無事にリングを下りれないかも、
といった気持ちもないではないだろう。
しかし、それ以上に、強い相手と闘うことに喜びを感じている選手がいる。
そうした勇敢な選手と向き合うことで、井上の強さも磨かれていく。

井上はどこまで行くのか。
私たちが見ているのは、まだ途中経過に過ぎないのかもしれない。

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岸田総理のリーダーシップ [ヨモヤ]

岸田内閣の支持率が低迷している。
各種世論調査で「発足以来最低」の数字となり、
30%を割るものも出ている。

支持率が伸びない原因にはいろいろ挙げられているが、
リーダーシップが足りないという声も少なくない。
このことについては身内からも心配されている状況で、
自民党の世耕参議院幹事長も国会の代表質問において、
「支持率が向上しない最大の原因は、国民が期待するリーダーとしての姿が示せていないということに尽きるのではないでしょうか。」
と述べられた。

さらに世耕議員は、
「私が現段階で考えているリーダー像は、『決断し、その内容をわかりやすい言葉で伝えて、人を動かし、そしてその結果について責任を取る』という姿です。
しかし残念ながら、現状において、岸田総理の『決断』と『言葉』については、いくばくかの弱さを感じざるを得ません。」
と続けられた。

マスコミに引っ張りだこの経済学者である成田悠輔さんは、
「(岸田総理は)元々は“リーダーシップを見せないリーダーシップ”というスタイルを意識的にとっていたと思う。
熱い言葉を発しない、感情をあらわにしない、どんなに嫌味を言われても批判を言われても棒読みスタイルを崩さない。
これは凄いことで、普通の人にはできない」
「ただそのスタイルがおそらく賞味期限切れになりつつあるのかなという気がする」
と語られている。

長期政権を築いた安倍元総理は、「安倍一強」という状況を生み出し、
「忖度」という言葉が広まるなど強い影響力を誇られた。
継いだ菅元総理は、延期となった東京五輪・パラリンピックを開催するなど、懸案となっていた事項を実行に移し、
剛腕というイメージがあった。

岸田総理は、安倍元総理、菅元総理のアンチテーゼとなろうとされた面もあっただろうし、
それを期待された向きもあったと思う。
「聞く力」を前面に出されたのも、そのためだろう。
しかし現状の支持率や、身内からの反応を見ると、
そのリーダーシップの手法が功を奏しているとは言えそうもない。

人にはそれぞれ個性があり、
らしくないことをやっても続かないし、多くの場合は見透かされる。
岸田総理もよくおっしゃることだが、支持率に一喜一憂してスタイルを変える必要はないのだと思う。
かといって、今のままでは国民が一丸となれそうな感じはしない。

言うまでもなく、総理大臣は国のリーダーである。
今は厳しい状況だが、いずれ国民をまとめてくださるのだと信じたい。
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健闘称えつつあえて中島監督の采配に一言、二言 ~ オリックスの日本シリーズ敗退に思う ~ [経済を眺める楽しみ]

59年ぶりの“関西対決”となった今年の日本シリーズ。
阪神が激戦を勝ち抜き、38年ぶり2度目の日本一となった。

私はパ・リーグファンとしてオリックスを応援し、
また予想でもオリックス有利とした。
勝ち負け以上に、熱戦になることを願っていたので、7戦までもつれたことはよかった。
両軍の健闘を称えたい。

オリックスにとっては、万全の戦力とは言い難い状況でのシリーズとなったのがきつかった。
打の主力である頓宮と杉本が故障を抱え、
投げる方でも、シリーズ中に山崎颯一郎に不安が発生した。
なにより、防御率1.61の超新星・山下舜平大が離脱したのは残念だった。
その状況で見事に戦った。

勝負は時の運。
負けることもある。
敗因となったプレーをした選手を責めることは避けたい。
しかし、あのときの采配がどうだったかを語るのも野球を観る楽しみの一つでもある。
繰り言のようになってしまうが、振り返ってみたい。

7戦まで戦った今年のシリーズだが、終盤まで競った展開になったのは甲子園での3試合のみ。
その他の試合は、少なくともスコア的には差がついてしまった。
その3試合中、オリックスが負けた2試合については、勝機も十分にあった。

まず、阪神がサヨナラ勝ちした第4戦。
これは中島監督がもっと点差がついてもおかしくなかった、
と振り返るくらいオリックスが防戦に追われた試合だった。
しかし、であれば逆に思い切った采配を振るうこともできたのではないか。
同点で迎えた8回。
ワンアウト1、3塁の場面。
代打で出たT-岡田の代打安達に打たせて凡退したシーンがあったが、
スクイズの手はなかったか。

最終回、抑えの平野を温存したこと、
制球に苦しんでいるワゲスパックに満塁策を指示したことも疑問だった。

第5戦の采配ミスは誰もが指摘するところだろう。
2-0で勝っている8回、そこまで無失点ピッチングを続けていた田嶋を交代させた。
それ自体は別に悪くないと思う。
継投で勝ってきたチームだし、そういうスタイルでやって来たのだから。
しかし、不安が発生したとされる山崎颯一郎を使ったのはどうしたか。
宇田川は連投で投げられないのかと思いきや、ピンチが拡大してからスイッチ。
投げられるのなら、イニングの頭から行かせるべきだった。

シーズンを3連覇した中島監督の手腕は素晴らしい。
一方、3年連続の日本シリーズで1度しか日本一になれていないのも事実である。
そして、その負けの中には、「あれ?」という采配も少なくなかった。
力負けではないだけに残念。
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映画評 「愛にイナズマ」 [映画評]

「舟を編む」「茜色に焼かれる」「夜空はいつでも最高密度の青色だ」の石井裕也監督作品に、
松岡茉優さんと窪田正孝さんが主演で出演され、
池松壮亮さん、若葉竜也さんが脇を固められる。
大御所の佐藤浩市さんも参加。
そして映画オリジナル脚本。
え、面白くなる予感しかないんですけど。

というわけで、この秋最大級の期待を持って映画館へ。

前半は、松岡さん演じる若手映画監督が理不尽に虐げられる光景が描かれる。
悪役を演じるMEGUMIさんと三浦貴大さんが、しっかり憎たらしい。
松岡さんと窪田さんの奇妙な出会いが愉快。

後半は、復讐を誓った松岡さんとその家族を描く。
都会では殊勝に過ごしていた松岡さんが家族の前では暴君に急変するのがおかしい。

最後は、よく知らなかった家族の秘密が明かされて・・・
という流れ。

ふむ。

面白くなくはない。
松岡さん、窪田さん、池松さん、若葉さん、佐藤さんがワーワー絡まれるところは、
実に愉快である。
しかし、家族の秘密があまりにも取ってつけたようなものだし、
和解に至る道筋もなんとも予定調和。
イナズマというほどでもない。

また、映画的には意地悪した連中を見返すような場面もあってよかったか。
それこそありきたりだが、コメディなんだし。
もう一声、二声、なにか欲しかった。

ちょっと期待し過ぎただろうか。

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映画評 「まなみ100%」 [映画評]

本作の主演の青木柚くんは不思議な俳優さん。
失礼ながら、それほどルックスがいいわけではないのだが、
表情やら動きやらで、なにやら惹きつけられる。
夏に観た「神回」という作品でも、青木くんが映画を引っ張っていたが、
本作も彼に頼るところ大。
情けなく、だらしなく、しかし憎めない。

映画は、青木くん演じるボクと高校1年生のときに知り合ったまなみちゃんの10年間を描く。
まなみ100%というくらいだからまなみちゃん一筋かというと、
全然そんなことはない。
むしろまなみちゃんとはつき合いもしないで、
いろいろな女とふらふらしている。

そのグダグダ感はわかるし、
描きたいこともわかる。
青木くんも好演している。
しかし、何というか、
「こんなん見せられても」
感はぬぐえない。
監督のやりたいことは伝わるし、やりたいようにやれているとも思うけれど、
それが心の芯に届くかというと、そうでもない。

まなみちゃんの描き方は、あんな感じでいいのだろうか。
「ボク」がまなみちゃんを好きになった理由がわからない。
もちろん好きになるのに理由なんかいらないが、
理由なんかいらないような衝撃、
ルックスだったり、言動だったり、があるわけでもない。
所詮本当に好きだったわけではない、という説明がしっくり来るし、
文学的にはそれでいいが、映画的にはどうだろう。

女優さんの描き方も含め、
ガツンと来るものも、シンと来るものもなく。
タイトルは好きだけど。
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映画評 「ゴジラ−1.0」 その1 ~ またもや誕生 いいゴジラ映画 ~ [映画評]

11月3日は「ゴジラの日」らしい。
1954年のこの日に怪獣映画「ゴジラ」の第1作が封切られたことによる。
1954年と言えば、戦争が終わってからまだ10年経っていない。
当時の映画人のたくましさを感じる。

今やゴジラは、世界的なビッグネーム。
ハリウッド版ゴジラも定期的に作られるようになっている。
しかし、本家としては負けたくないところである。

2016年に庵野秀明さんの脚本、樋口真嗣さんの脚本で撮られた「シン・ゴジラ」が大ヒットし、
かつ作品としての評価も高かった。
それに続く作品を撮るのにはかなりのプレッシャーもあったと思う。
2023年11月3日のゴジラの日に公開された「ゴジラ−1.0」の脚本・監督を務められた山崎貴さんは、見事にそれを跳ね返された。

ゴジラらしい強さ、怖さ、
それに立ち向かう人間の勇気、知恵、
庶民のたくましさ。
それらを兼ね備えた、ゴジラ映画らしいゴジラ映画が誕生した。

映画館から出て来る人たちを見ていたら、
子どもたちは「怖かった~」と興奮気味で、
大人たちはそれまでのゴジラ映画を重ね合わせて感慨深げだった。
映画を観た喜びが伝わってきた。

突っ込みどころも少なくない。
予定調和が過ぎるところもある。
しかし、本作に関しては欠点をあげつらうより、
いいゴジラ映画が生まれたこと、
日本映画の底力が見えたことを喜びたい。

いいゴジラだった。

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公平性も合理性も疑問符の地域手当 [公会計]

11月2日付の日本経済新聞首都圏経済面の「地域の風」のコーナーに、
地域手当制度が2024年に抜本的に見直されるという記事が掲載された。
市町村単位ではなく、都道府県単位など大くくりな調整方法に見直すとのことである。
東京都東久留米市や大阪府四条畷市といった「不遇」が際立っていた自治体の訴えが功を奏したと伝えている。
単位が変わることは一歩前進と言えば言えるが、それだけでいいのだろうか。

地域手当は都市部に厚い。
最大20%。
2%ではない。
手当のレベルだろうか。
地域手当が0%というところが数多くあるから、20%の地域と比べると、
年収700万円の場合、単純計算で140万円も違うということになる。

給料の決まり方は、同一労働同一賃金が原則のはずである。
同じ地方公務員として働きながら、年間100万円以上、生涯年収では数千万円もの差が生まれる。
公平であるとはとても思えない。

都市部は生活費が高いから地域手当には意味があるのではないか、という意見もあるかもしれない。
しかし現実の区分を見ると、
例えば東久留米市は地域手当6%、お隣の清瀬市は16%。
はてさて。

しかも、地域手当は住んでいる場所に応じて払われるわけではなく、務めている場所に応じて払われる。
そのため、
東久留米市に住んで区役所に務めたら地域手当20%、
23区に住んで東久留米市役所に務めたら地域手当6%、
となる。
合理性がうかがえない。

地域手当については、地域のくくりを見直す、といった弥縫策ではなく、
廃止を前提に臨むべきではないか。
公平性も合理性も疑問符なのだから。

タグ:地域手当
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ここのところで読んだ30冊 [読書記録]

ここのところで読んだ本はこんな感じ。

「わたしの台所」 沢村 貞子
「やさしいライオン」 やなせ たかし
「時間術大全」 ナップ&ゼラツキー
「ファンが増えるインスタの教科書」 金山 拓夢
「輝く季節への旅 プリンスエドワードアイランド」 吉村 和敏
「どまんなか!」 須藤 靖貴
「地域発!つながる・集める施設のデザイン」
「52ヘルツのクジラたち」 町田 そのこ
「メンタリングの奇跡」 マーゴ・マリー
「政治はケンカだ!」 泉 房穂
「80分でマスター!ガチ速決算書入門」 金川 顕教
「新聞記者、本屋になる」 落合 博
「散り花」 中上 竜志
「セカンド・ショット」 川島 誠
「道化師の蝶」 円城 塔
「知られざる医者の世界」
「オールドレンズの神のもとで」堀江 敏幸
「天龍院亜希子の日記」 安壇 美緒
「誰かが足りない」 宮下 奈都
「白球アフロ」 朝倉 宏景
「地域を変える、日本の未来をつくる!」 小林 清彦
「いま、映画をつくるということ」
「俳句は入門できる」 長嶋 有
「会社四季報 プロ500」
「セックスボランティア」 河合 香織
「流れ星が消えないうちに」 橋本 紡
「ルポ 税金地獄」 朝日新聞経済部
「投資で利益を出してる人たちが大事にしている45の教え」
「逃亡医」 仙川 環
「ライフピボット」 黒田 悠介
「スタートアップ・ニッポン」 杉江 陸

「地域発!つながる・集める施設のデザイン」は、各地に誕生している人が集まる公共的な施設を豊富な写真で紹介する本。図書館、道の駅、ホテルなど、素敵な建物は観ているだけで楽しい。

中上竜志さんの「散り花」は、プロレス小説。リアリティには欠けるが、胸熱くなる。

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都市が競うべきは人口よりも [ヨモヤ]

神戸市の人口が150万人を割ったことが話題になっている。
150万人を割るのは2001年5月以来22年ぶりのことらしい。

通常の自治体の人口はどこかでピークを打ち、そこから下がり続けるパターンだが、
震災のあった神戸はちょっと違う。

戦後、他の主要都市と同様に人口増加を続け、
150万人に達したのが1992年12月。
その後1995年に阪神・淡路大震災が起き、同年10月に142万人まで減少。
そこから盛り返し2001年6月に150万人を回復、
といった具合である。
その後のピークは2011年の154万人だったそうだ。

神戸市を含む政令市は現在20都市。
日本を代表する大都市ということになるが、
こうしたところも半数以上が人口減少となっている。
ざっくり言うと、東京圏は増加傾向、それ以外は減少傾向となる。

政令市のなかで気を吐いているのは福岡市。
経済の活況が伝えられているなか、政令市で最も人口を増やしている。

さて、今回の「150万人割れ」の事態を受け、神戸市の久元喜造市長は以下のように語られたという。
「女性が働きながら出産もできる社会環境の整備を進め、
人口減少時代にふさわしい『量より質』の取り組みを追求しなければならない」

日本全体の人口減少が続く中では、
どこかの都市の人口が増えてもどこかは減る。
強引な政策で一時的に人を引き付けることができたとしても、
それが本当に意味のあることなのかどうかは冷静に考える必要がある。
久元市長がおっしゃるとおり、
「人口減少時代にふさわしい『量より質』の取り組み」
を進めるべきなのだろう。

各自治体が、それぞれの置かれた環境に合わせた施策を展開し、
個性的で独自の進化を遂げる形で行きたいものである。
安易なバラマキ型のサービス合戦になってしまっては、
財政力があるところとないところの自治体間格差が無意味に広がってしまうばかりである。

「量より質」。
その自治体のサービスにおける「質」とは何なのか。
それを見極められるしたたかさが市民にも求められるのかもしれない。

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