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映画賞レース「あつい胸さわぎ」が見つかってない [映画評]

そろそろ年末。
映画賞レースが幕を開けている。

11月7日に発表された日刊スポーツ映画大賞では、作品賞として、
「月」
「THE FIRST SLAM DUNK」
「怪物」
「愛にイナズマ」
「福田村事件」
の5作品がノミネートされた。

翌11月8日には報知映画賞のノミネート作品が発表された。
同賞は、ファン投票を基に選ばれることもあり、多くの作品がノミネートされる。
今年は以下の作品。
「ラーゲリより愛を込めて」
「ケイコ 目を澄ませて」
「仕掛人・藤枝梅安1、2」
「茶飲友達」
「エゴイスト」
「わたしの幸せな結婚」
「ロストケア」
「ヴィレッジ」
「劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~」
「銀河鉄道の父」
「怪物」
「春に散る」
「こんにちは、母さん」
「福田村事件」
「BAD LANDS バッド・ランズ」
「月」
「ゴジラ-1.0」

各映画賞は、対象とする作品の規定が違ったり、評価のポイントが異なっていたりするので、
選考結果には個性が出る。
日刊と報知ともに「月」「福田村事件」という重いテーマの作品が入っているのが目を引く。

去年は、劇場公開時に期待ほどヒットしなかったが大好きになった映画「ハケンアニメ」が、
賞レースで高く評価されて嬉しかった記憶がある。
今年は、「あつい胸さわぎ」という映画にそのパターンを期待しているのだが、
ちょっと難しいのだろうか。
「茶飲友達」といった渋い作品がノミネートされている報知映画賞でも姿を見ないとすると、
他の映画賞ではもっと厳しいかもしれない。

見つけてもらえないのだろうか。
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ロシア経済が意外に強いことは知っておくべき [ヨモヤ]

ロシア統計局の発表によれば、
7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、前年同期比5.5%増だったという。
かなり大きなプラスだが、これは前年同期においてウクライナ侵略に対するアメリカやヨーロッパからの経済制裁で大きく落ち込んだことの反動による。
それにしてもプラスはプラスである。

報道規制が言われているなか、ロシアの統計を信じていいのかどうか訝る向きもあるだろうが、
IMFもロシア経済の回復を認めている。
大規模な財政支出、堅調な投資、消費の持ち直しが経済成長に反映している、とのことである。
また、ロシア産原油輸出に対する西側諸国の制裁については、あまり効果がないようだ。
ただし、2023年の実質成長率が2.2%と見込まれているのに対し、
2024年は1.1%と減速することを見込んでいる。
それでもプラス成長を維持することになる。

こうした状況を受け、ロシア政府の経済担当閣僚は
「ロシア経済は、制裁からの回復段階を過ぎ、成長段階に移行した」
と強気の見通しを説明しているという。
ロシア経済は、意外にといっては何だが、腰が強い。

日本にいると、海外の多くの情報はアメリカ経由だったり、アメリカのバイアスがかかっていたりする。
そうした情報からだけだと、
どうしてロシアの人たちがプーチン政権を支持し続けているのかさっぱりわからないが、
ロシア経済の強さもその理由のひとつなのだろう。

西側各国は、ロシアとの全面的な軍事対立となることはまったく望んでいない。
それでいて、経済制裁も効き目がないとしたら、打つ手が見当たらない。
ウクライナ戦争の早期終結は世界中の願いだと思うが、
どうにも目途が立たない。
ロシアが内部崩壊する可能性もそう高くはなさそうだ。

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地域手当の弊害がここにも ~ 大都市に保育士が流出 ~ [ヨモヤ]

11月14日のNHKニュースに
「大都市に保育士流出” 4県の知事ら処遇改善を国に要望」
という記事が掲載された。
埼玉県、千葉県、奈良県、和歌山県の知事や副知事が、
保育士の給与に影響する基準の見直しなど処遇改善について、こども家庭庁に要望書を提出したというものである。

保育人材の確保は全国的な課題だが、
なかでも大都市近県においては深刻。
原因は複合的にあるとは思うが、大きな理由のひとつは大都市との待遇の違いである。

保育士の給与は、国が定める「公定価格」に準拠して決められる。
この公定価格が大都市では高く、近隣県では低くなっているため保育士の給与に差が生じ、
そのことが保育人材獲得の大きな障害となっているのである。
埼玉県の副知事の
「埼玉県では東京23区と比べて公定価格の差が大きく人材を確保できない危機感がある。
同じ課題に直面する奈良県や和歌山県などとも連携していきたい」
とのコメントが紹介されていた。

公定価格は、国家公務員及び地方公務員の地域手当の支給割合に係る地域区分に準拠して決められる。
そのため、埼玉で働くと東京で働くよりもらえる給与が低くなってしまう。
埼玉では、川越や所沢といった中核都市でさえ地域手当は6%。
0%、つまり地域手当が支給されていないところも少なくない。
23区は20%だから、年間で数十万円から年収によっては百万円を超える額の差が出ることになる。
40年間働くとすれば、その差は数千万円にもなる。
数千万円・・・。

大都市近県の同じ家に暮らしている双子がいて、
一人が地元で、一人が都内で働いたとして、
同じところに住む同じ保育士であるのに生涯年収に数千万円の違いが生じるという理不尽。
いつまで放置されるのだろう。

※地域手当については、先日「公平性も合理性も疑問符の地域手当」というタイトルでも書いた。
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2023-11-02-1

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映画評 「法廷遊戯」 ~ 「これでいい」と思える作り手の感覚がすごい。もちろん悪い意味で。 ~ [映画評]

弁護士でもある作家・五十嵐律人さんによる法廷ミステリー小説の映画化。
本格的な法律ミステリーを観られるかと思いきや・・・。

よく映画で、「突っ込みどころ」という言葉を使うが、
本作の場合、ちゃんとしたところを探す方に骨が折れる。

登場人物たちが学生の頃に「無辜ゲーム」という法律ゲームをやっており、
それがタイトルにもつながってくるのだが、
そのゲームの内容がしょぼすぎていきなりトホホとなる。
ここが序盤の山場であり、山場でトホホなのは、なんと言っていいのか。

その後も、回収されない意味不明なシーンが次々と挟まれる。
え、嘘でしょ、
なんだ、これ。
という感じ。

エンドロールが流れた時、
「いや、これで終わりのはずがない」
と確信していた。
だって、終われていないから。
そのまま映画が終了して、場内が明るくなり、呆然。
この映画の最大の衝撃はここ。
監督さんとかスタッフの皆さんとか、映画会社の皆さんとか、
「これでいい」
と思ったんだ。
すごい肝の太さ。
もちろん、悪い意味で。

設定もストーリーも滅茶苦茶。
落ち着いて考えれば考えるほど、しみじみなってない。

主演は永瀬廉さん、杉咲花さん、北村匠海さんの三人。
杉咲さんが熱演、怪演されておられるが、この脚本・演出では・・・。

関係者試写とかないのだろうか。
あっても誰も何も言わないのだろうか。
どうして誰も止めないのだろうか。
どうしてこのまま世に出そうと思うのだろうか。

「何かの間違い」という言葉がある。
「何かの間違い」には出くわそうと思って出くわせられるものではない。
もし「何かの間違い」に会いたければ(んな人はいないか)、この映画を観に行けばいい。
ほんと、「何かの間違い」のような作品だから。
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ライザップのあしたはどうなる [ヨモヤ]

ここ1年ほどで、そこらじゅうの駅前に
「chocoZAP」ができた。
雨後の筍、という表現があるが、まさにそんな具合。
どんどん作り、それに沿って会員数も増加。
早くも100万人を突破したのだという。

しかし、だからといって経営が順風満帆かと言えば、そうでもない。
RIZAPグループが発表した2023年4〜9月期連結決算は、
最終損益が75億円の赤字であった。
chocoZAPをバンバン作っているので、そのための投資が重荷となっている。
会員数が増えているものの、広告宣伝費もかさんでいるようだ。

もちろん、初期投資で赤字が膨らむのはある程度織り込み済みだろう。
目一杯店舗を広げ、
潤沢な会員を抱え、固定的な収入が継続して入ってくるようになれば、
安定的な経営につながるとの目算があることと思う。
ただ、それも思惑通りに行けばの話である。

近年、RIZAPグループは赤字決算が相次いでいる。
赤字が資本を食いつぶし、
9月末の自己資本比率は7.7%となっている。
自己資本比率は高ければ高いほどいいというものでもないと思うが、
それにしても一桁というのは赤信号に近い。

chocoZAPという新たな業態は起死回生になり得るが、
結果にコミットしてきたこれまでのやり方の真逆でもあり、
トータルとしてどうなのか、予断を許さない。

首都圏では、
駅という駅にchocoZAPができている。
これだけ出店できるということは景気がいいのだろうと考えるのが一般的だが、
必ずしもそうではない。
むしろ背水の陣にも見える。
吉と出るか凶と出るか、
結果が出るのはもう少し先のことになる。

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為替の方向性を「円安」と決めつけるのは危険 [資産運用]

為替が単純に「国力」を示すものだとしたら、
「円」の将来は明るくない。
日本経済の先行きが真っ暗とは思わないが、
人口減少はすでに起きた未来であり、
国際的な地位の相対的な低下は免れようがないだろうから、
「国力」が下がっていくのは避けられないと思うからである。

しかし、為替相場はそう単純なものではない。
これからずっと円安方向に進むと考えるのは、ちと早計だと思う。

「ヌビーン」というアメリカの資産運用会社がある。
創業125周年という長い歴史を持ち、
運用資産残高が1.1兆ドル(約160兆円)に上るという世界有数のアクティブ運用会社である。
この会社の最高投資責任者で、
ウォール街でも注目を集めているという女性投資家サイラ・マリクさんが、
テレ東系、朝の情報番組「モーニングサテライト」に出演されていた。
彼女は、
今後日本株へ積極的に投資すること、
これからは円高方向への為替市場の変化を見通していること、
そこで円高のメリットを享受する企業を探していること、
などを話されていた。
円安ではなく円高。

為替相場を読み切るのは難しく、今後どうなるかはわからない。
しかし、世界最大級の資産運用会社のトップが円高に振れることを予想していることは覚えておいた方がいいと思う。
我が国における多くのマスコミ報道は、日本経済について弱気一辺倒であり、
円についても下がる見込みしか伝えていないように見える。
だが、投資に真剣に向き合っているプロの目からすれば、
ズルズルと円が安くなり続けるとは思えないようだ。

為替に限らず、
マスコミが解説している「わかりやすい結論」には気を付けるべきだと思う。
自分の頭でじっくり考えよう。

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映画評 「さよなら ほやマン」 [映画評]

タイトルや紹介画像を見るといかにもB級コメディっぽいが、
実際はちゃんとした映画。
シリアスとまでは言わないが、
軽妙なストーリーに、過疎、障害、震災などを織り込み、
本作が長編デビューという庄司輝秋監督の思いが詰まった映画となっている。
ロケ地の宮城県石巻市は監督の故郷であるというから、気合の入り方もひとしおであろう。
映画の成功失敗はやってみなければわからないところがあるが、
熱い思いを胸に作られた作品を観るのは楽しみ。

ネットで公開されているストーリーはこんな感じ。

豊かな海に囲まれた美しい島で一人前の漁師を目指すアキラと、生まれつき障がいを抱える弟のシゲル。両親は行方不明で莫大な借金を抱えているが、どうにか暮らしている。そんな彼らの前に、都会からやって来た訳ありの女性漫画家・美晴が現れる。美晴は兄弟に彼らの家を売ってほしいと言い出し、3人はなぜか一緒に暮らすことになるが……。

主人公を演じるのは、2人組バンド「MOROHA」のMCアフロさん、その弟役に黒崎煌代さん。
女性漫画家役に呉城久美さん。
失礼ながら三人とも知らなかったが、気持ちのこもった演技をされている。
スタッフ・キャストともに、期するところがあったのだと思う。
映画制作、そう来なくっちゃ。
津田寛治さん、松金よね子さんが脇を固める。

終盤、女性漫画家と島で暮らし続けている役の松金さんの絡みがある。
受け身で暮らしているように見えた島育ちの女性の強さが垣間見えるシーンで、
セリフも冴えている。
ここが最大の見せ場。

しかし、作品全体として観ると、なんとも。
漫画家の行動が突飛すぎるし、
兄弟の行動も今ひとつ説得力がない。
島の人たちとのつながりももう少し描いてくれないと。

この映画は成功しているのか、失敗だったのか。
正直、なんとも言えない。
ただ、熱は伝わってきた。
何にも感じさせてくれない日本映画が多いなか、
熱い映画が届けられたことは、それだけで嬉しかった。

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映画評 「ゴジラ−1.0」 その2 [映画評]

毎週毎週日本映画を観に行く。
日本映画が好き、というより、
応援の気持ち、新しい才能に出会いたい気持ち、日本人の今を見つめたい気持ち、
で足を運ぶ。
しかし、残念ながらほとんどの作品はつまらない。
なんでこうなっちゃうの、
という作品ばかりで、悲しくなることもしばしばである。

「ゴジラ−1.0」も、期待半分不安半分という感じだった。
日本を代表するビッグネームであるゴジラが、大コケにならないように願った。

だが、不安はいい方に裏切られた。
面白い。
しっかり作られている。
「なんだ、日本映画、ゴジラになればちゃんとできるんじゃん」
という感じである。

山崎貴さん、さすがであった。
特撮の凄さにグイグイ引き付けられる。
話の面白さに引き込まれる。

特攻隊上がりの主人公を神木隆之介さんが演じる。
彼がゴジラに向き合わなければならない理由がちゃんと描かれている。
だから感情移入しながら観ることができる。
ヒロイン役の浜辺美波さんとの絡みはなんだか漫画チックだが、まあよしとしよう。
オチも見え見えだがそれもまあよしとしよう。

名もなき人たちがゴジラに立ち向かう。
これもありがちな展開だが、グッとくるものがある。
わかりやすさが悪い方に作用していない。

突っ込みどころも少なくない。
なんだそれ、と言いたくなるところもある。
しかし本作は、そうした欠点を埋め合わせるに余りある魅力がある。

本作の北米プレミアが11月10日に開催され、
主演の神木隆之介さん、監督の山崎貴さんが現地入りしたらしい。
12月1日に北米公開となり、邦画では異例1500スクリーン以上での上映が決定しているという。
日本映画らしい湿っぽい展開もあるが、
それをひっくるめて楽しんでもらえるのではないかと思う。

もうやり尽くされたかと思われたゴジラ。
全くそんなことはなかった。
まだまだ可能性は広がっているようだ。
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忘年会 無理にやるものでもなし [ヨモヤ]

東京商工リサーチによる「忘・新年会に関するアンケート」の調査結果がネットに掲載されていた。
忘・新年会開催予定の企業は54.4%と昨年の38.6%からは大幅に上昇したが、
それでも約半数は予定なしという結果であった。
都道府県別では、
最高は沖縄県の78.7%、
最低は埼玉県の41.1%だったそうで、
随分と差があることに驚く。

「コロナ禍前は実施したが、今回は実施しない」との回答がかなりの割合を占めており、
コロナ禍を経て、「忘・新年会離れ」が進んでいることが明らかになった。
このあたりは実感どおり。

忘・新年会を開催する目的として最も多かったのは
「従業員の親睦を図るため」で、次いで多かったのは
「従業員の士気向上のため」。
反対に開催しない理由としては、
「開催ニーズが高くないため」
「参加に抵抗感を示す従業員が増えたため」
が多数だったという。

飲み会によって親睦が図られる面はあるのだろう。
職場ではできない話ができたり、
知らなかった一面がうかがえたりする可能性はある。
しかし、気が乗らないながら参加している人間も少なくないと考えられる。
それでもコロナ禍までは
「お仕事、お仕事」という割り切りで気持ちを殺していたのだろうが、
今となっては我慢してまで参加する意味が薄れているのが本当のところだろう。

コミュニケーションを図り、チームの士気を高めるため、
よかれと思って開催する忘・新年会が、
社員の負担になっていては本末転倒である。

飲み会が減ったことを寂しく感じる人も少なくないだろう。
気持ちはわからなくもないが、
世の中は変わったのであり、これはもう仕方がない。
飲みたい人が飲みたい人と飲む。
それでいいのだと思う。
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映画評 「こいびとのみつけかた」 [映画評]

「まともじゃないのは君も一緒」の監督・前田弘二さんと脚本・高田亮さんが再びタッグ。
「まとも~」は楽しく観させていただいたし、
「#ハンド全力」「ソワレ」「ひらいて」などで好演相次ぐ芋生悠さんが出られるとあって、
楽しみにしていた。
しかしまあ、期待なんてものは、所詮。

倉悠貴さん演じる主人公は植木屋の見習いのような存在。
彼がコンビニで働いている芋生さんを見初め、淡い恋愛が始まっていく。

序盤は、「んな奴はいないよ」ながら、ファンタジーとしてほんわり見られるのだが、
少しシリアスな要素が絡み始める中盤から後半は、
物語が崩壊。
主人公の二人は「イタイ」レベルをはるかに超え、
とても共感できない存在に。
二人ともそうなのだから、感情の移入先がない。
「なんじゃ、これ」
と思いながら観続けなければならない苦しさよ。

芋生さんは、ある秘密を抱え、廃工場で妙な彫刻を作っている。
その彫刻が何であるか、回収されることはない。
二人が歌を歌うシーンがあるのだが、
メロディも歌詞も歌唱も、
全く響かず。

成田凌さんが珍しくというべきか、まともな人の役で出演。
それがそこはかとなく可笑しかったのが、この映画の数少ない美点か。

まともじゃないから映画になるのはわかるが、
こんだけ意味不明な世界観を見せられては、
映画の終了を今や遅しと待つばかりになってしまった。

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