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映画評 「首」 ~ 格が違う ~ [映画評]

このところ、たけしさんを否定的にとらえるネット記事が増えている気がする。
嫁の影響なのか金にうるさくなったとか、
映画のプロモーションも全然やらないとかなんとか。
しかし、たけしさんくらいの存在になれば、今さら細かいことはどうでもいい。
作品がよければ。
心配なのは、76歳という年齢になられ、映画作りの力が衰えていないかということ。

予告編もちょっと心配だったのだが、
観てみたら、うん大丈夫。
ちゃんと面白い。
最後まで楽しく観ることができるし、画面の緊張感も持続する。
さすがに世界の北野である。
その辺の監督さんとは、まさに格が違う。

「本能寺の変」の新解釈、という感じのストーリーだが、
筋がどうのというより、個々のキャラクターで引っ張る。

「首」の製作費は15億円だという。
日本映画としては珍しい大作と言えるだろう。
その予算を活かして、
スケール感のある戦闘シーンや
細部にこだわったセットが映される。
邦画のスカスカな絵を見慣れている身からすると、なんだか圧倒されてしまう。
しかし、お金をかければいい作品になることが約束されているわけではなく、
こうして良作に仕上げるのはやはり作り手の力。

出演は、羽柴秀吉役にビートたけしさん、明智光秀役に西島秀俊さん、織田信長役に加瀬亮さん、
黒田官兵衛役に浅野忠信さん、羽柴秀長役に大森南朋さん。
秀吉に憧れる農民・難波茂助役の中村獅童さん、曽呂利新左衛門役の木村祐一さんが重要な役回り。
そのほか、小林薫さん、岸部一徳さん、遠藤憲一さん、劇団ひとりさんなど多士済々。
もったいないほどのキャストだが、
この映画なら出演者も納得だろう。

「首」は、たけしさん健在を知らしめる作品。
格が違う。
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