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映画評 「隣人X 疑惑の彼女」 [映画評]

主演の上野樹里さんと言えば、なんといっても「スウィングガールズ」での新鮮な姿が思い出される。
それから約10年後の「陽だまりの彼女」も素敵だった。
本作はそれからまた10年経った。
共演の林遣都さんは、デビュー作の「バッテリー」が懐かしい。

宇宙人が難民となって地球人に紛れて暮らしているという設定。
その宇宙人を「X」と呼んでいる。
上野樹里さんはXではないかと疑われる立場、
林遣都さんはXを追いかける週刊誌の記者。

誰もが予想するとおり、二人は恋仲になる。
しかし、二人の立場は追うものと追われるもの。
まあ、よくある設定と言えば言える。

林さん演じる記者が、執念深くXを追い続ける動機が今一つ弱い。
金銭的な理由も描かれるのだが弱い。
好きな人にあんなひどいことをするほどの動機だろうか。
ここが弱いので、映画に入り込めない。

編集部の光景も弱い。
誰でも一発目に思いつくようなステレオタイプの雑誌編集部。
編集長役の嶋田久作さんもなんだか普通。
癖のある役が多い川瀬陽太さんも、ここではなんだか普通。
バカリズムさんさえ普通。
出演者では、髪のある酒向芳が印象的だった。

誰が本当にXなのか、二転三転する展開があるのだが、
そこに興味がつながっていないので、別に誰がXでもなんとも思えない。

設定が面白いだけに、もうちょっとなんとかならなかったのかしら。
微妙に教訓じみているところもどうにも苦手。
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