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映画評 「女優は泣かない」 ~ 楽しい熊本ご当地映画 蓮佛さんを堪能できる ~ [映画評]

本作の舞台は熊本県荒尾市。
監督・脚本を手掛けた有働佳史さんの故郷だそうだ。
それだけに郷里愛のある思い入れの強い作品になっている。

ストーリーは、
スキャンダルで仕事を失った女優が密着ドキュメンタリー撮影のため10年ぶりに故郷に帰ってきたが、
それを撮るのは駆け出しの若手女性AD一人だけ。
しかも、そのADもいろいろ抱えていて・・・
というストーリー。
基本はコメディ。
終盤ちょっとしんみりもするけれど。

2010年に公開された「君に届け」という映画で見て以来、
蓮佛美沙子さんを応援している。
本作は蓮佛さんのよさがしっかり出ていて、その意味でこの映画は成功。
タイトルが活きているし、
ラストシーンも決まっている。

AD役に伊藤万里華さん。
「サマーフィルムにのって」ではぴったりはまっていた伊藤さんだったが本作ではどうだったか。
別のキャスティングがあってもよかったと思う。
熊本の映画らしく宮崎美子さんが出演。

故郷にいい思い出がない女優。
しかし、いろいろな人に久しぶりに触れていくうちに、なにかが溶けてくる。
それでも、女優は女優しかできないとわかっていて、
東京にいるしかないとわかっている。
そんな女優を、女優・蓮佛さんが楽しく熱演。

最期、予定調和的に和解してしまうのが少し残念。
もうひとひねりできなかったか。

「女優は泣かない」は、作り手の思いが伝わる小品。
こういう映画もあり。

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