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映画評 「ほかげ」 [映画評]

塚本晋也監督による、終戦直後の闇市を舞台にした作品。
体を売ることで生計を立てている女と、
家族を失った子供、
戦場のトラウマに悩む復員兵が、
狭く暗い家で共同生活を始める。

こういう映画があってもいいとは思うけれど、
正直なところ、まだここなのか、とも感じた。
昔の映画として観るのならいいのだが、
2023年の映画としてはどうなのだろう。

本作は、毎日映画コンクールにおいて、
『怪物』『ゴジラ-1.0』『せかいのおきく』『福田村事件』
と並んで日本映画大賞候補作にノミネートされた。
2023年に公開された数々の邦画の中で、本作が上位の5本に選ばれたのだと思うと、
なんとも複雑な気持ちになる。
たまたまだとは思うが、ゴジラもおきくも福田村も昔のお話(3作とも好きだが)。
日本映画、大丈夫ですか。

そういう演出なのだろうが、
声や音がやかましい。
主演の趣里さんも声を張る張る。
静かな方が胸に響いたのではないかと思う。

戦場での上官の振る舞いに恨みを持つ男、
銃声に怯える元兵隊など、
どれもよくある設定。
新しいものは提示されなかった。

悪い映画とは思わないけれど・・・

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