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2023年の日本映画を振り返る その2 困った映画 [映画評]

2023年も「困った日本映画」が多かった。
困った、とは、
面白くない、つまらない、時間がもったいない、お金がもったいない、
といったような意味である。

しかし誰もが認めるような突き抜けた困った作品はなかったような気がする。
つまらない映画が粒ぞろい、というのも全く喜ばしくはないが。

なかでもタイトルが示すとおりトホホな思いになったのは
「そして僕は途方に暮れる」という映画。
観てしまった私は本当に途方に暮れた。
名は体を表す、とでも言うのだろうか。

ドラマの映画化作品がつまらないのは例年どおり。
「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」
を筆頭に、
「ミステリと言う勿れ」
「イチケイのカラス」
「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」
とほぼ百発百中のすべり具合。

最初の作品が好きだった「東リベ」だが、その続編が2部作扱いになってガッカリ。
「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-」
は予告編のような作りであるうえ、内容もさっぱり。
1作目の頑張りは完全に帳消し。

「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」
「法廷遊戯」
「アナログ」
「アイスクリームフィーバー」
といった作品は、それぞれタイプは違えど、つまらない、という点は共通している。
それなりの役者さんを使いながら、もったいないことである。
ただ、ここに挙げた作品と同じくらいに困った作品は、まだまだ山ほどあった。

自分の信じた道を行き、
振り切った作品を撮ったものの、
うまく行かなかった、
というのなら、作り手にも後悔はないだろう。
しかし、ほとんどの作品が、
単につまらない。
細かく当てに行って、
つまらない。
せっかく映画を撮れる機会を得ているのに、
もったいないことである。

2023年は、ため息をつきながら劇場を後にする率がやたらと高かった。
特に年の後半。
作り手の皆さん、魂が叫んでいるような映画をお願いします。
妥協なき作品をお願いします。

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