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2023年の日本映画を振り返る その1 概観 [映画評]

コロナ明けとなった2023年。
映画の制作体制もなんとか元どおりに戻ったことと思う。
興収総額も2022年を超え、それなりにヒット作も生まれた。
なお、2023年日本映画興収ベスト10は以下のとおりである。

1位 THE FIRST SLAM DUNK
2位 名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)
3位 君たちはどう生きるか
4位 キングダム 運命の炎
5位 ミステリと言う勿れ
6位 ゴジラ-1.0
7位 劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~
8位 映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)
9位 ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ
10位 劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD

10位中6作品を占めるアニメが強いのはいつものことだが、
他の4作品もシリーズものとテレビドラマの映画化。
今に始まったことではないが、日本映画の企画が貧困なのは嘆かわしい。
手堅くヒットを狙いたい気持ちはわかるが、
そればかりではつまらないし、育たない。

ゴジラを除くと、秋以降に目立った作品がなかったのも特徴だろうか。
佳作・良作も年の前半に公開されていて、
後半は「なんだこれ?」的作品の連発であった。

予想を超えるヒットとなったのは、
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
「わたしの幸せな結婚」
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」
といったところ。
口コミで評判が広がった結果なのだと思うが、
だからといって良作とは限らないところがなんとも。

「君たちはどう生きるか」
「ゴジラ-1.0」
の2作がアメリカで大きなヒットとなったのが一つのトピックス。
ハリウッドのストの影響もあるだろうが、
日本語作品がアメリカでも受け入れられるとなると、ぐっとマーケットが広がる。

2023年を振り返って、
いい映画が少なかったなあ、
としみじみ思う。
1月、2月といった年の前半にはなかなかの作品を続けて観ることができ、
やっぱりコロナの制約が取れるといい作品ができるのだなあ、
などと思ったのだが、たまたまだった。
年の後半は、コロナ禍の期間より不作だった感がある。
新しい才能との出会いも、残念ながら少なかった。

2024年は、たくさんのいい日本映画に出会える年になりますように。
叶えられないかもしれないけれど、そう祈る。

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