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2023年の日本映画を振り返る その4 「2023年私の選ぶ日本映画ベスト10 その2」 [映画評]

2023年の日本映画を振り返るシリーズの4回目。
今回は私が2023年に観た日本映画から心に残った10本を選んでみたい。

前回示したこれは外せない、とパッと浮かんだ4本は、
「あつい胸さわぎ」
「福田村事件」
「せかいのおきく」
「ゴジラ−1.0」

残り6作品を選ぶためのノミネートは以下の13作品。
ここから絞り込む。
「リバー、流れないでよ」
「波紋」
「BLUE GIANT」
「月」
「茶飲友達」
「遠いところ」
「BAD LANDS バッド・ランズ」
「怪物」
「マリッジカウンセラー」
「金の国 水の国」
「Winny」
「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」
「神回」

「怪物」は、是枝裕和監督作品にしては粗が目立った気がする。
他のほとんどの日本映画と比べると完成度などにおいて群を抜いているが、
今回はご遠慮いただこう。

「BAD LANDS バッド・ランズ」は、疾走感のある作品だったが、
近年の原田眞人監督作品では2022年の「ヘルドッグス」の方に軍配を上げたい。

石井裕也監督の「月」は、難しいテーマに挑戦した意欲作だが、
もうひと押し深掘ってほしかった。

「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」は楽しめたが、やはり1作目の方がよかった。

「マリッジカウンセラー」は、最後まで面白い佳作。
文句のつけどころもあまりないのだが、年間の10本とするには少し足りないか。

「Winny」も、とても面白かった。
こちらも十分楽しめたのだが、突き抜けるところまでは届かなった。

アニメ作品「金の国 水の国」は、心温まる映画。
最初から楽しめて、最後はほっこり。
選ばない理由はないのだが、どうしても選びたいとまでは行かなかった。

残ったのは、
「リバー、流れないでよ」
「波紋」
「BLUE GIANT」
「茶飲友達」
「遠いところ」
「神回」

「神回」は、なんだこの映画、と思った方も少なくないだろう。
トータルで見ればあまりいいとも思えないのだが、タイトルどおり、「神回」と思わせるターンがある。
妙な種明かしなどせず、時間の迷宮を延々と見せてくれていればよかったのに。

「リバー、流れないでよ」は、人気劇団「ヨーロッパ企画」が手がけた長編映画。
「神回」同様のタイムループものだが、アイデア満載で楽しめる。
もっと遠くに行けた感もあるが。

「BLUE GIANT」は、アニメとして1作だけ残った。
熱いストーリー、強烈なサウンド。
劇場で観てナンボの映画である。

「遠いところ」は、沖縄の現実を突きつけるしんどい映画。
逃げずにしっかり作り上げられた。
俳優さんたちの頑張りにも拍手。

「波紋」は、夫婦愛、新興宗教、障害者差別など、難しいテーマを取り上げている。
へんてこりんな映画であるが、不思議な説得力がある。
筒井真理子さんは、いつもながら圧巻。

「茶飲友達」は、高齢者専門の売春クラブをテーマにした問題作。
奇をてらった作品ではなく、じっくり見せてもらえる。
主演の岡本玲さんの演技もよかった。

結果、2023年、私の選ぶ日本映画ベスト10は以下の10本となった。

「あつい胸さわぎ」
「福田村事件」
「せかいのおきく」
「ゴジラ−1.0」
「リバー、流れないでよ」
「波紋」
「BLUE GIANT」
「茶飲友達」
「遠いところ」
「神回」

2024年は、もっともっといい映画に巡り合えますように。
作り手の皆さんが、真摯に映画に向き合ってくださいますように。

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