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映画評 「無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語」 [映画評]

本作は、北海道のアマチュアプロレス団体「新根室プロレス」を追ったドキュメンタリー。
アマチュアプロレス団体、という語義矛盾が早くもおかしい。

リングネームというか、それぞれのキャッチフレーズにくすぐられる。
例えば、
疑惑の実況 ロス三浦
盗撮実況 MCマーシー
といった、ちょっとアブナイものから、
プロレスファンならわかる以下のような面々。
例えば、
東洋の神秘 グレートカブキ ならぬ、糖尿の心配 グレート京劇
超獣 ブルーザー・ブロディ ならぬ、恥獣 ブラージャブロディ
不沈艦 スタン・ハンセン  ならぬ、不信感 ズランハンセン
エルボーの貴公子 三沢光晴 ならぬ、エロ坊の奇行師 二沢光晴
超人 ハルク・ホーガン   ならぬ、超暇人 ハルク豊満

しかしこの映画は、単に笑えるだけではない。
主催者のサムソン宮本さんの生き様を描いていて、
これが胸熱くさせる。
難病である平滑筋肉腫に侵され、ついにはお亡くなりになってしまうのだが、
その生涯はまさにプロレスであり、ロックである。

自分のやりたいことを貫き、
周りを巻き込み、
周りを幸せにして、
自らは破滅し、
自らは笑いにし、
惜しまれながら去っていく。

さらに、後につながるものも残した。
宮本さんは亡くなったが、その魂は受け継がれた。

この映画を観て、
自分って、やりたいことやれてるのかな、
やりたいことやらなきゃな、
と感じた。
感じたからといって、
すぐにやりたいことをやれるわけではないのだが、
そう感じた。
そう感じさせる力があった。

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