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4-6月期の大幅なマイナス成長は覚悟 ~ 7-9月期以降の回復に向けて ~ [経済を眺める楽しみ]

アメリカ商務省が、2020年1―3月期の実質国内総生産(GDP)速報値を発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う悪影響で、年率換算で前期比マイナス4.8%。
これは、金融不況に襲われていた時期以来、約11年ぶりの低水準である。

先に発表された中国のGDPも、前年同期と比べて6.8%の減だった。
中国のGDPがマイナスになるのは、記録がある1992年以降で初めてであった。

これらは1-3月期の結果である。
アメリカでは、2月までは普段とあまり変わらない状況だったと思われるので、
コロナの影響は3月が中心だと考えられる。
それでこのマイナスである。
4-6月期は、さらなる落ち込みになることが避けられない。

もちろん、日本も同様である。
5月中旬に出される日本のGDP速報値についてのエコノミスト予測の平均値は、マイナス4%前後。
これでも大幅な減だが、これはまだ入口に過ぎない。

フジサンケイビジネスアイが行った緊急エコノミストアンケートの結果によると、
4-6月期のGDPの予測平均値は年率換算で前期比マイナス21.8%となり、
リーマン・ショック後のマイナス17.8%を超える予想がなされている。
中には、40%を超える落ち込みを予想した人もいたらしい。

欧米や日本と比べると、中国の回復は早そうだ。
中国の国内経済はかなり正常化しているからである。
かといって中国に頼るのも難しいだろう。
リーマン・ショック時は、中国が世界経済のけん引役となったが、
今回はコロナウイルスへの対応で世界から大きな反感を買っているし、
輸出も伸び悩むと見込まれる。
アメリカに頼れる状況が来るとも思いにくい。
となると、各国は、自力で立ち上がっていくしかない。

ここ数年、インバウンドで潤った日本だが、しばらくはそれも見込めない。
自粛期間が終わっても、生活様式の変化による影響は続くだろう。
これまでは公共事業によって景気の回復を図ることが多かったが、
今回それは効きそうもない。
金融政策にも大きな期待はできない。

これまでとは全く違うタイプの経済危機になる。
今は感染拡大を止めるのが最優先だが、
その後の闘いの方が長いことは肝に銘じておこう。

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