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映画のオンライン配信は映画館を苦境に追い込むか [ヨモヤ]

コロナ禍によって、世界中で映画館での上映が止まっている。
この状況に耐え切れなくなってか、
アメリカのユニバーサル・ピクチャーズが新作アニメ映画
「トローズ・ミュージック☆パワー」をネットで配信した。
19.99ドル、日本円で2,000円以上というそれなりな料金設定だったが、
家にいなければならない状況の中で人気に火が付き、
1億ドルを超える収益を上げる大ヒットになったという。
1億ドルといえば、日本円で100億円を超えている。
映画会社として、十分に商売が成り立つ金額であろう。

この結果を受けてユニバーサル・ピクチャーズは、
映画館が再開された後も劇場公開とネット配信を同時展開する可能性を示唆したという。
これに対して世界最大大手のシネコンチェーンであるAMCは
「全米、欧州、中東全てのAMCの劇場で今後一切ユニバーサル・ピクチャーズ作品を劇場公開しない」
と猛反発しているそうだ。

AMC側としては、映画館が開けない状況でのネット配信はやむを得ないとしても、
再開後もネット配信するのは納得できないということなのだろう。
映画会社と映画館は、
持ちつ持たれつ、という以上に、運命共同体のような関係だと思う。
その両者がいがみ合う構図は残念であるが、必然的に生じているように感じなくもない。

映画会社としてみれば、せっかく作ったコンテンツをなるべく多くの人に、早く届けたいと思うだろう。
映画館が再開しても、
客足が戻るかどうか不明だし、
また一定の距離を持っての鑑賞となると、
以前と比べて多くの収入は見込めない。
だったら配信と両立させようと考えるのが自然かもしれない。

映画館としてみれば、
もともとAmazonやらNetflixやらの動画配信サービスとの競争で苦しんでいるのに、
公開時にもネット配信はないだろう、
と考える。
映画館で観ることが好きな人がそれなりにはいるとしても、
配信によって新作が見られるのなら、それでいいや、と思う人も少なくないだろうから、
一層お客さんが減る、
と考える。
もはや死活問題ととらえるだろう。

ネット全盛で、
5Gが普及し、
しかもステイホームが推奨される。
映画館には厳しい時代となる。
足を運ぶことで支えたいが、心配である。

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