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図書館が閉じられているなか、W村上のデビュー作を読み返した [読書記録]

私は、図書館のヘビーユーザーである。
毎週平均して7冊くらいは借りてきた。
しかし、緊急事態宣言が出され、図書館は閉じられてしまった。

この機会に、家にある古い小説を読んでみようと思った。
しばらくは青春小説を読んでいたのだが、
さらに本棚をあさっていたら、
「風の歌を聴け」
と目が合った。
日本を代表する作家である村上春樹さんのデビュー作。
学生の頃に読んで、正直あまりピンと来なかった記憶がある。
今読んだらどう感じるか、興味があった。

「風の歌を聴け」を読み終わって本棚に返そうとしたら、
「限りなく透明に近いブルー」
と目が合った。
村上春樹さんと双璧をなす村上龍さんのデビュー作。
龍さんとは、「カンブリア宮殿」で毎週お会いしているので、なんだか親近感がある。
こちらも学生の頃に読んだのだが、「風の」とは対象的に衝撃を受けた記憶がある。
今読んでも驚くのか、興味が湧いた。

お二人とも、すでに評価が定まっている作家であり、そのデビュー作には記念碑的な意味がある。
久しぶりに読んでみて、二作とも、独特だなあ、と改めて思う。
ただ、「風の歌を聴け」については、やはりその良さがあまりよくわからなかった。
「1973年のピンボール」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「ノルウェイの森」など、
他の作品は好きなのだが。
「風の歌を聴け」を読んで、優れた作品だと見切り、作者の将来性を読み取った方々の眼力に脱帽である。

「限りなく透明に近いブルー」は、やはり衝撃的。
ドラッグや暴力など、書かれている内容も刺激的だが、
それ以上に文章に驚く。
粘りつくようでいて、とことん乾いていて、
ゴツゴツしながら、サラサラと流れていく。

図書館が開いているときは、ビジネス書を中心に読んでいたが、
このひと月ほどは小説を読み返している。
いい時間をもらっている気がする。

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