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2021年の日本映画を振り返る ~ その4 「2021年私の選ぶ10本 その2」 ~ [映画評]

2021年に観た映画の中からベスト10を選ぶ個人的企画の続き。

前回、外せない作品として以下の5本を選出した。
「花束みたいな恋をした」
「漁港の肉子ちゃん」
「映画大好きポンポさん」
「すばらしき世界」
「ひらいて」

残りの5本を、心に残った以下の作品たちの中から選んでみたい。
「ドライブ・マイ・カー」
「BLUE/ブルー」
「JUNK HEAD」
「いとみち」
「由宇子の天秤」
「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」
「ベイビーわるきゅーれ」
「あのこは貴族」
「空白」
「まともじゃないのは君も一緒」
「はるヲうるひと」
「あの頃。」
「子供はわかってあげない」
「偶然と想像」

「ドライブ・マイ・カー」は、世界の映画賞を席巻している。
アカデミー賞もあるかもしれない。
私も好きな作品だが、濱口竜介監督作品では「偶然と想像」の方が個人的には楽しめた。
より多くの人に観ていただきたいという思いも込め、「偶然と想像」を選ぼう。

「いとみち」は、青森のご当地映画的な作品だが、その枠にとどまらない。
主人公の祖母役で出演されていた三味線奏者の西川洋子さんが素晴らしかった。
来場者特典でイギリストーストをもらってしまったこともあり(ホントは関係ないですけど)、
10本に入れたいと思う。

面白かった、という点では、
「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」が屈指。
感動ものでさえあって。
しんちゃん映画には何回も何回もがっかりさせられてきたが、たまにこういう傑作が生まれるからつい足を運んでしまう。
「戦国大合戦」より好きな作品となった。「オトナ帝国」には及ばないが。

あと2本。

「JUNK HEAD」は、作り手の労力を考えるとすさまじいものがあり、映画としても楽しめた。
頑張って続編も作ってもらいたいと願うが、娯楽作という点ではもう一つの面もなくはなく。

吉田恵輔監督作品は、「BLUE/ブルー」「空白」とも胸に刺さった。
2本とも文句ないのだが、なんと言っていいのかわからないが、
ここで選ばなくても、という気になってしまった。

「由宇子の天秤」は、各映画賞で高い評価を受けている。
考えさせる作品だが、シリアスな作品だけに細かいところが気になって。

「まともじゃないのは君も一緒」は、ほのぼのとした作品。
成田凌さんと清原果耶さんの掛け合いは楽しかった。
ただ、10本となると。

「はるヲうるひと」は、佐藤二朗さんが監督・脚本・出演されている力作。
すさまじい作品であり、正当に評価されることを望みたい一本。

「あのこは貴族」は、岨手由貴子監督作品。
ここ数年、女性監督作品に当たりが多い。
門脇麦さんと水原希子さんの演技もよかった。

「あの頃。」を撮られた今泉力哉監督作品は、このほかにも「街の上で」と「かそけきサンカヨウ」もよかった。
多作であるにかかわらず、打率が高いという素晴らしさ。

悩んだが、あと2本には、「ベイビーわるきゅーれ」と「子供はわかってあげない」を選ぼう。

「ベイビーわるきゅーれ」は、バイオレンスアクション。
日本製のこの手の作品は、どうしても洋モノに比べると見劣りしがちだが、女子高生を殺し屋にした本作は、日本映画らしい味付けもありつつ、アクションは本格派。
ユーモアもたっぷりで、ご機嫌に観られる。

「子供はわかってあげない」は、今時珍しい邪気のない映画。
いじめも虐待も嫉妬も復習も妬みもなにもない。
なにもない世界はないけれど、この頃の映画は邪悪なものが多過ぎて興醒める。
子供、といっても高校生だが、の清々しさが心地よかった。

結果、2021年私の選ぶ邦画10作は
「花束みたいな恋をした」
「漁港の肉子ちゃん」
「映画大好きポンポさん」
「すばらしき世界」
「ひらいて」
「偶然と想像」
「いとみち」
「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」
「ベイビーわるきゅーれ」
「子供はわかってあげない」
となった。

いい映画を作られたみなさん、ありがとうございました。

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コロナ対策 せめて鎖国状況の解除を [ヨモヤ]

新型コロナウイルス対策には、それぞれの国のお国柄や国家体制の違いが如実に表れる。
アメリカのように州ごとにかなり独自性が見られる国もあれば、
中国のように国家が強権的に取り締まる国もある。

興味深いのはイギリス。
感染者数が世界トップクラスで多いにも関わらず、
コロナに対する規制を大幅に緩めようとしている。
ワクチンを接種していれば濃厚接触者となっても隔離期間は設けられておらず、
ここに来て公共施設内でのマスク着用義務の廃止も打ち出された。

日本もある意味日本らしく取り組んできた。
これまでの結果を見ると、それはある程度成功してきたと言っていいだろう。
感染者数の増加に非常に敏感であり、
イギリスのように規制を緩めていくにはまだ少し時間がかかりそうだ。
ただ、現在の「鎖国状態」は早目に解消すべきだと思う。

国を閉ざしている意味は、海外からのウイルスの侵入を防ぐことにあるはずだが、
ここまで国内で広がってしまえば、もう意味はない。
オミクロンとは違う新たなウイルスが入ってくる可能性もないではないが、
それを考えだしたら半永久的にこのままの状況が続いてしまうことになる。

すでに諸外国は、水際対策の緩和に動いている。
アメリカやヨーロッパはワクチン接種を前提に入国を容認しているし、
アジア各国も同様の措置を採り始めていて、
韓国や中国は隔離期間を短縮する方向で動いている。
入国自体を止めてしまっているのは、もはや日本くらいである。

ANAホールディングスの片野坂真哉社長が
「水際対策は重要だが、ビジネスパーソンの往来、留学生や働き手となる外国人の受け入れに影響が出ている」
とおっしゃったそうだ。
ANAだからということではなく、もっともな指摘だと思う。
日本で学びたい、日本で働きたい、という外国の方から門戸を閉ざし、
将来的な機会を奪ってしまっては、後々にまで悪い影響を残してしまう。

現状、2月末まで外国人の新規入国を原則停止することになっている。
そこまで引っ張ることなく、早期に解除すべきではないだろうか。
世界の知見に学び、迅速な対応を期待したい。

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映画評 「真夜中乙女戦争」 [映画評]

「とんかつDJアゲ太郎」という映画が好きだ。
残念ながら原作ファンの受けが悪かったことに加え、
伊藤健太郎さん、ブラザートムさん、伊勢谷友介さんと出演者にあれこれが続出したこともあり、
失敗作のレッテルを貼られているように思う。
しかし、最初から最後まで飽きさせるところなく、
クライマックスは十分に盛り上げる、
見事な娯楽作だったと思う。

本作「真夜中乙女戦争」は、「アゲ太郎」を撮った二宮健監督によるもの。
タイプがまるで違う映画に、期待が高まる。

だが、残念。
今回はうまくいかなかった。

ご覧になった方の多くは、デヴィッド・フィンチャー監督の「ファイト・クラブ」に似た空気を感じるだろう。
インタビュー記事を読むと、二宮監督も同作を意識して作ったらしい。
雰囲気にもラストシーンにも共通したものがなくはないのだが、作品として遠く及ばない。
劣化コピーという域にも達していないと言わざるを得ない。

永瀬廉くんが演じる主人公に魅力がない。
永瀬くんがどうこうではなく、役として惹かれるものがない。
池田エライザさん演じる先輩と恋愛関係のようなものになられるのだが、そこからも伝わるものがない。
エライザさんの演じられる役にも力はなく。
柄本佑さんが破壊者の役を演じられるのだが、その動機も全く刺さらない。
主役の3人に魅力がないのだから、いい映画になるはずもない。

映像はスタイリッシュと言えばスタイリッシュだが、
別になんということはなく。

「真夜中乙女戦争」は、監督や出演者の志が空回ってしまった感じの作品。
思いはあったのだと思うが、まあ、うまく行かないこともある。

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日経平均26,000円 元旦の経営者予想は早くも20人中16人がハズレ [経済を眺める楽しみ]

27日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落。
前日比841円安の2万6170円と、連日で昨年来安値を更新してしまった。

ほんのひと月ほど前、2022年の株式市場には楽観する声が多かった。
アフターコロナ元年とも言うべき年になり、
消費の回復や企業業績の拡大が見込めそうとの意見が一般的だったからだ。

日本経済新聞、元旦の紙面恒例の「経営者が占う株価」では、
最高値予想の平均値は32,850円、
最安値予想の平均値は27,175円だった。

予想したのは、伊藤忠商事の会長、東京エレクトロンの社長、信越化学の会長などなどなどなど、
そうそうたる企業経営者20人。
そのうち、16人までが最安値を27,000円以上と予想していた。
つまり、今年に入って1月経たないうちに、ほとんどの人の予想が外れてしまったことになる。

株価の予想など当たるものではないし、
元旦付の紙面に載るということは予想したのは去年の12月だから、
外れてしまうのは仕方がない。
仕方がないが、いかにもあっという間の出来事。
名うての経営者の皆さんでも、ここまでの急落は全く読めなかったということだろう。

下げているのは日本だけでなく、アメリカもヨーロッパも同様である。
しかし、日本株は去年の段階から出遅れが指摘されていたうえに、
今年の下げもより厳しいとあって、やられている感が強い。

下げの理由はコロナというより、
インフレや金利の上昇への懸念とされている。
となると、感染者数がピークアウトしても株式市場の霧が晴れるわけではない。

上げ続ける相場がないように、
下げが止まらない相場もない。
いずれどこかで止まって、反転に向かうことは間違いない。
しかし下げが止まるのが、
どの水準なのか、
いつなのか、
それが見えない。

ここまでの展開は、
ここが下限だろうと思われた水準をあっさり割り込むことの連続である。
さらなる下落もありえるのかも知れない。
残念ながら、効果的な経済対策に期待ができない状況でもあるし。

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思わず二度見 株主資本主義を転換? [経済を眺める楽しみ]

何気なくネットニュースを眺めていたら、
「『株主資本主義』を転換 ―岸田首相・衆院予算委」
という記事が目に入った。
「え?」
と思わず二度見した。
株主資本主義を転換?

日本では、大企業だけではなく、中小企業も含め、ほとんどが株式会社である。
株式会社は、株主がお金を出すことで始まる。
株式会社は、株主が所有権を持つ仕組みである。
株式会社が株主の意志を重要視するのは当たり前のことであり、
そうしない道理はない。
株主よりも顧客や従業員を大切にすべき、
という意見もあると思う。
わかるけれど、それは比較するものではない。

株主資本主義からの転換ということは、企業を国有化するということだろうか。
さすがに、そんなはずはないだろう。
さすがに。
それでは、株主を重要視するのをやめろというのだろうか。
いや、そんな。
では、配当金を出すことを制限するのだろうか。
自社株買いを制限するのだろうか。
企業経営の自由度を縛るのだろうか。
そうしたら、どんなことが起きるだろう。

株価が下がると、いろいろなところに弊害が出る。
含み益がなくなり、赤字に転落する企業が出たら賃金の引上げどころではない。
私たちの大切な年金の運用益もなくなってしまう。

岸田首相は、
「株主資本主義からの転換は重要な考え方の一つであると認識している」
とおっしゃった。
考え方の一つ、とおっしゃっただけとも言える。
ズルズル下がる株価と併せてなんだか心がザワザワするけれど。

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2021年の日本映画を振り返る ~ その3 「2021年私の選ぶ10本 その1」 ~ [映画評]

先日、「2021年困った映画」について書いたが、今回はよかった映画。
2021年に私が観た邦画は103本。
その中から心に残ったベスト10を選んでみたい。

これは外せない、とパッと浮かんだのは、
「花束みたいな恋をした」
「漁港の肉子ちゃん」
「映画大好きポンポさん」
「すばらしき世界」
「ひらいて」
の5本。

「花束みたいな恋をした」、通称「はな恋」は、社会現象となるほどの大ヒット。
派手なテーマではなく、ありがちな、と言われかねない設定とストーリーだが、
魂を込めて作ればこんな素敵な映画になる。
いい年して、キュンキュンしてしまった。
土井裕泰監督は、「ビリギャル」「罪の声」に続く快作。

「漁港の肉子ちゃん」は、、明石家さんまさんの企画・プロデュースによる作品。
声優として、さんまさんの元妻である大竹しのぶさんや、声優デビューとなるCocomiさんが出演された。
こうした話題作り的側面がアニメファンの琴線に触れたのか、ネットではえらく叩かれている。
しかし、私にはズドンと来た。
2021年一番泣ける映画であったと思う。

「映画大好きポンポさん」は、映画ファンに真っ向から刺さる作品。
展開が急過ぎる、話がうま過ぎる、などと感じる方もおられるだろうが、
粗を探すより思いを受け取ればいい。
秀逸な予告編はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=WN-j_AcMB3I

「すばらしき世界」は、作る映画にハズレなしの西川美和監督作品。
役所広司さんをはじめ、役者陣の演技もすばらしき。
タイトルとは裏腹の苦い世界なのだが、苦いだけでもない。

「ひらいて」を撮った首藤凜監督は、この映画を撮るために映画監督を志したとおっしゃる。
初期衝動に満ち溢れた作品を観るのは心躍る。
ひとつの目標は達成されたわけだが、まだ27歳の首藤監督の今後に大いに注目したい。

残る枠はあと5本。
以下の作品をノミネートし、苦しみながら絞ってみたい。
続きは、またのブログで。

「ドライブ・マイ・カー」
「BLUE/ブルー」
「JUNK HEAD」
「いとみち」
「由宇子の天秤」
「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」
「ベイビーわるきゅーれ」
「あのこは貴族」
「まともじゃないのは君も一緒」
「はるヲうるひと」
「あの頃。」
「空白」
「子供はわかってあげない」
「偶然と想像」
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頑張れ、まちの「喫茶店」 [ヨモヤ]

喫茶店が好きだ。
はじめてのまちに行けば懸命に喫茶店を探すし、
仕事や何かの待ち合わせの際には、わざと早めに最寄りの駅に着いて喫茶店で時間をつぶす。

できれば、カフェではなく喫茶店に入りたい。
スタバやドトールやタリーズにもそれぞれ魅力はあるが、
店主の個性がにじみ出る喫茶店に入りたい。

しかし、喫茶店には厳しい時代である。
東京商工リサーチの調べによれば、
2021年の「喫茶店」の休廃業・解散が初めて100件に達し、過去最多を記録したという。
コロナ禍で外出が控えられるなか、経営環境の厳しさが増している。

喫茶店には、以下のような特有の厳しさもある。
・低料金でコーヒーを出す大手チェーンとの競合
・どんどん味がよくなるコンビニコーヒー(しかも、ど安い)
・円安も相まってのコーヒー豆の高騰

喫茶店に生き残ってほしいと願うが、
なかには努力を放棄しているとしか思えないようなお店があるのも事実である。
椅子が破れていたり、
掃除が行き届いていなかったりなど、
お客さんを迎える気持ちに欠けているお店に出くわすと悲しくなる。
店主が常連客と大声で話し込んでいて、雰囲気も何もあったものではないということもある。
メニューにも味にも、なんの工夫もこだわりも感じられないお店もある。
こうしたお店が淘汰されてしまうのは、
スタバに潰された、というより、自滅と言われても仕方がないだろう。

一方、レトロな雰囲気の喫茶店に客足が戻っている、という話もあるようだ。
若い客にとっては、昭和を感じられるテーマパークのようになっているという。
そうしたお店は、きっと接客もコーヒーの味もほこりを持って守っているのだろう。
やりようはある、ということだ。

喫茶店は、本屋さんと並ぶ地域の文化の拠点だと思う。
だから、残ってほしい。
喫茶店は、時が止まっているような空間を生み出してくれる。
なくなってしまったら寂しい。
ただし、今までどおりにやっていて残れるかというとそれは難しいだろう。
頑張らなければ生き残れない時代である。
だから、頑張ってほしい。

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映画評 「コンフィデンスマンJP 英雄編」 ~ まいりました ~ [映画評]

ここのところで観たドラマの映画化版は、
どれもこれもスッカスカだった。
ドラマを観ていた人だけにわかればいい、
初見の人の心に刺さらなくても固定ファンに届けばいい、
世の中を驚かせてやろうという気概などさらさらない、
といった志の低さが悲しかった。
「コンフィデンスマン」シリーズは、そうしたドラマ化作品とは一線を画しているとはいえ、
さすがに映画3作目ともなるとネタも尽きるだろう、
惰性にもなるだろう。
そんなことを思いながら観に行った。

ごめんなさい。
コンフィデンスマン、舐めていました。

どうせ最後はどんでん返しなんでしょ、
ハッピーエンドなんでしょ、
とわかって観ているのに、それでも面白い。
たっぷり面白い。
驚くべき脚本の力。
そして、脚本の素晴らしさを存分に引き出す
称えるべき演出の冴え。

主演のダー子を演じる長澤まさみさんは、相変わらずの弾けっぷり。
エンドクレジット後のおまけシーンで見せたキュートさに射抜かれた。
ボクちゃんを演じる東出昌大さんも、だらしなさをしっかり演じられていた。
いろいろ風当たりの強い俳優さんだが、彼なしではこの作品の味は出ないだろう。
リチャードを演じる小日向文世さんはさすが。
シリアスでもコミカルでもなんでも行ける。

残念ながら亡くなられてしまった竹内結子さん、三浦春馬さんも、
姿は見えないながら大切な役割が振られている。

隙のない傑作かと言えば、全然そんなことはない。
ツッコミどころは満載。
ご都合主義が山盛り。
しかし、リアリティとか辻褄とか、
そんなものを考えることが馬鹿馬鹿しくなるような力が本作にはある。

さらなる続編はあるだろうか。
もっともっと観たい気がするが、これほどの脚本がホイホイ仕上がってくるとも思えない。
3までとんでもない傑作が続いた「トイ・ストーリー」も、4になると散々な出来栄えだった。
だから、無理に作らないでいただきたい。
作ればヒットが約束されているが、そこはこらえて、
機が熟すまでしっかり練っていただきたい。
こちらは気長に待っていよう。
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ネットフリックスの株価が20%超下落 ~ 下げ要因を探している相場環境 ~ [経済を眺める楽しみ]

日本の株価がさえないのは毎度のことだが、
ここに来てアメリカ株も変調を来している。
S&Pは3週連続で下落し、最高値から8.3%値下がり、
ナスダックも最高値から14.3%下落、
ダウの6営業日続落は2020年2月以来だという。

ここで下げの象徴的存在となったのがネットフリックス。
なんと20%以上の急落となり、
5兆円以上の時価総額を失ったのだという。
5兆円と言えば、日本の企業で言えば
三井物産やセブン&アイの時価総額を超える額だから、インパクトの大きさがわかる。

下げの要因となったのは、第4四半期決算に対する失望。
昨年10-12月の会員数は828万人の純増となり市場予想を上回ったものの、
1-3月の見通しは250万人の純増で、
市場予想(626万人の純増)を大きく下回り、
これがネガティブサプライズとなった。
会員数が減に転じたわけではなく、
伸びが鈍化したという発表でここまでの下げは驚きである。

足元、アメリカではインフレが進んでいて、
それに伴って金利も上昇している。
こうした状況に対応するため、連邦準備理事会(FRB)が、
利上げとバランスシート圧縮に大胆に舵を切るのではないかとの憶測が生まれ、
そのことが株式市場に動揺を与えている。

そもそもアメリカの株価はほぼ一本調子に上がって来たので、
いつ調整が入ってもおかしくない局面ではあった。
下げる理由があればそれに飛びつくような環境で、
ネットフリックスは絶好の標的になったのだろか。

コロナ禍にもかかわらず、
2020年、2021年とアメリカ株は力強く上昇を続けた。
2022年はその勢いが止まるのだろうか。
中間選挙に向けて、バイデン政権が手をこまねいているとも思えないが、
それでも過去2年ほどの勢いは取り戻せないかもしれないと心得ておくべきだろうか。
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映画評 「ポプラン」 [映画評]

今振り返って、「カメラを止めるな!」は本当に大傑作だったのだなと改めて思う。
あれほど面白く、そして熱い映画は滅多にない。
一年に一本ない。

だから、そんな大傑作を撮った上田慎一郎監督の作品に期待してしまうのは仕方がない。
しかし、「カメ止め」後に発表した、
「イソップの思うツボ」「スペシャルアクターズ」は、興行的にも評価的にも今一つ。
「100日間生きたワニ」も、こりゃまあ、えらいことに。
満を持して、という感じで公開される本作で真価が問われる。

かと思っていたが、取り消し。
これで真価が問われるのなら、「あれ?」のレッテルが貼られてしまう。

ストーリーは、
「ある日突然、自分の性器(「ポプラン」と呼ぶ)が消失してしまった男が、それを捜し出そうとかつての友人や家族のもとを訪ねる」
というもの。
過去を振り返って自分探しの旅を行う、という設定は、手垢がつきまくりである。
今作はポプランを探しながら、という点が類似作との大きな相違点だが、
過去との向き合い方がなんとも淡泊。
コメディ映画なので、あまりシリアスな方向に寄せる必要はないが、
何がしたいのかさっぱり伝わってこない。

「カメ止め」はアイデア一発勝負のように見えて、
親子のつながりやモノづくりへの激情がしっかり描かれていた。
だからグッときた。
それに比べて本作は・・・。

前作「スペシャルアクターズ」は期待が高過ぎてややガッカリだったが、
本作を観終わると、「スペシャルアクターズ」って結構面白かったんだな、と思ってしまう。
ふう。

主演は皆川暢二さん。
熱演されているとは思うが、なにぶん映画自体がどうにもならない。

「カメ止め」でいただいた感動は生涯消えないので、これからも上田慎一郎監督の作品を楽しみに待つ。
しかし、こうも連続で「あにゃ?」という感じでは、さすがに気持ちも萎えてくる。
次作、頼みます。
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