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頑張れ、まちの「喫茶店」 [ヨモヤ]

喫茶店が好きだ。
はじめてのまちに行けば懸命に喫茶店を探すし、
仕事や何かの待ち合わせの際には、わざと早めに最寄りの駅に着いて喫茶店で時間をつぶす。

できれば、カフェではなく喫茶店に入りたい。
スタバやドトールやタリーズにもそれぞれ魅力はあるが、
店主の個性がにじみ出る喫茶店に入りたい。

しかし、喫茶店には厳しい時代である。
東京商工リサーチの調べによれば、
2021年の「喫茶店」の休廃業・解散が初めて100件に達し、過去最多を記録したという。
コロナ禍で外出が控えられるなか、経営環境の厳しさが増している。

喫茶店には、以下のような特有の厳しさもある。
・低料金でコーヒーを出す大手チェーンとの競合
・どんどん味がよくなるコンビニコーヒー(しかも、ど安い)
・円安も相まってのコーヒー豆の高騰

喫茶店に生き残ってほしいと願うが、
なかには努力を放棄しているとしか思えないようなお店があるのも事実である。
椅子が破れていたり、
掃除が行き届いていなかったりなど、
お客さんを迎える気持ちに欠けているお店に出くわすと悲しくなる。
店主が常連客と大声で話し込んでいて、雰囲気も何もあったものではないということもある。
メニューにも味にも、なんの工夫もこだわりも感じられないお店もある。
こうしたお店が淘汰されてしまうのは、
スタバに潰された、というより、自滅と言われても仕方がないだろう。

一方、レトロな雰囲気の喫茶店に客足が戻っている、という話もあるようだ。
若い客にとっては、昭和を感じられるテーマパークのようになっているという。
そうしたお店は、きっと接客もコーヒーの味もほこりを持って守っているのだろう。
やりようはある、ということだ。

喫茶店は、本屋さんと並ぶ地域の文化の拠点だと思う。
だから、残ってほしい。
喫茶店は、時が止まっているような空間を生み出してくれる。
なくなってしまったら寂しい。
ただし、今までどおりにやっていて残れるかというとそれは難しいだろう。
頑張らなければ生き残れない時代である。
だから、頑張ってほしい。

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