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映画評 「ポプラン」 [映画評]

今振り返って、「カメラを止めるな!」は本当に大傑作だったのだなと改めて思う。
あれほど面白く、そして熱い映画は滅多にない。
一年に一本ない。

だから、そんな大傑作を撮った上田慎一郎監督の作品に期待してしまうのは仕方がない。
しかし、「カメ止め」後に発表した、
「イソップの思うツボ」「スペシャルアクターズ」は、興行的にも評価的にも今一つ。
「100日間生きたワニ」も、こりゃまあ、えらいことに。
満を持して、という感じで公開される本作で真価が問われる。

かと思っていたが、取り消し。
これで真価が問われるのなら、「あれ?」のレッテルが貼られてしまう。

ストーリーは、
「ある日突然、自分の性器(「ポプラン」と呼ぶ)が消失してしまった男が、それを捜し出そうとかつての友人や家族のもとを訪ねる」
というもの。
過去を振り返って自分探しの旅を行う、という設定は、手垢がつきまくりである。
今作はポプランを探しながら、という点が類似作との大きな相違点だが、
過去との向き合い方がなんとも淡泊。
コメディ映画なので、あまりシリアスな方向に寄せる必要はないが、
何がしたいのかさっぱり伝わってこない。

「カメ止め」はアイデア一発勝負のように見えて、
親子のつながりやモノづくりへの激情がしっかり描かれていた。
だからグッときた。
それに比べて本作は・・・。

前作「スペシャルアクターズ」は期待が高過ぎてややガッカリだったが、
本作を観終わると、「スペシャルアクターズ」って結構面白かったんだな、と思ってしまう。
ふう。

主演は皆川暢二さん。
熱演されているとは思うが、なにぶん映画自体がどうにもならない。

「カメ止め」でいただいた感動は生涯消えないので、これからも上田慎一郎監督の作品を楽しみに待つ。
しかし、こうも連続で「あにゃ?」という感じでは、さすがに気持ちも萎えてくる。
次作、頼みます。
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