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狙いすました6勝目 武豊さん50代でのダービー制覇 [ヨモヤ]

第89回日本ダービーは、武豊騎乗のドウデュースが制した。
鞍上の武豊騎手は、
ダービー史上最多の6勝目、
20代、30代、40代、50代でのダービー制覇、
最年長のダービージョッキーと、
記録づくめの勝利となった。

ドウデュースのダービー制覇は、まさに狙いすました感じであった。
去年9月のデビュー戦の段階から、この日に至るまでの過程を長期的に描いた感がある。

ダービーは東京競馬場で2400mの距離で行われる。
多くの競走馬はここに勝つことを目標にするので、
一般的には徐々にレースの距離を伸ばしていく。
短い距離を使ってしまうと、
長い距離になったときゆったりした流れに戸惑い、
行きたがってしまう可能性があるからだろう。
現にここ10年間で見ると、マイルの重賞を使った馬はダービーでの勝利がないというデータもあった。

ドウデュースのローテーションは、近年の傾向からすれば異例。
1800mの新馬戦を使い、2戦目も1800mを走った後、
1600mの朝日杯を選んだのである。
2歳牡馬のGⅠは1600m朝日杯と2000mのホープフルステークスがあるが、
常識的には距離を伸ばす意味でホープフルステークスを使うはず。
あえての朝日杯は、瞬発力を高める狙いがあったのだろうか。
ちなみに、朝日杯を勝ち、のちにダービーも制した馬となると、
1993年のナリタブライアンまでさかのぼらなければならない。

3歳初戦は弥生賞。
短い距離を使った後ということもあってか、無理に前を追わずの2着。
皐月賞では、今度は後方から脚を伸ばして3着。
もちろん、両レースとも負けてもいいと思っての騎乗ではないだろうが、
しゃかりきに勝ちに行った感じもなかった。
目標はダービーだからだろう。

ダービーを勝つまでの唯一の誤算は、
本番で早めに先頭に立ち過ぎてしまったことだろうか。
そのため、馬が少しふわっとして、2着のイクイノックスに差を詰められることになった。
それ以外、描いたとおりに勝てたのが今年のダービーではなかっただろうか。

武豊さんは、今年で53歳。
ジョッキーは比較的高齢でも続けられるとはいえ、
体力の維持、
体重の維持など、日々の節制は想像を超えるものがある。
残された野望は凱旋門賞か日本のGⅠ競走完全制覇か。
まだまだ夢を見せてくれそうだ。

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