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映画評 「雑魚どもよ、大志を抱け!」 [映画評]

「喜劇 愛妻物語」で評判をとった足立紳監督作品。
監督自身が執筆した小説「弱虫日記」を実写化したもの。

少年時代の冒険や別れを描いたもので、
昨夏に公開された佳作「サバカン SABAKAN」に共通したテーマである。
雰囲気は、「スタンド・バイ・ミー」にも似ている。

ところどころ長回しのシーンがあったり、
子どもたちの表情をしっかりとらえたシーンがあったり、
見どころもあるのだが、いかんせん長い。
サバカンが96分で、本作が145分。
もらった余韻は映画の長さと見事に反比例。
もっともっと短く仕上げてくれていれば印象も変わっただろうか。

大切なラストの決闘シーンもいくらなんでも。
それまでコミカルな要素はあまりなかったのに、
一番の盛り上がりのシーンでほにゃほにゃな感じを持って来られても、
どう受け止めればいいのやら。

別れのシーンも今一つ。
泣かす場面ではあるが、
少年たちの感情が唐突過ぎてついて行けない。
安易な和解も釈然とせず。

「雑魚どもよ、大志を抱け!」は、なにやら迷ってしまったような作品。
タイトルと内容も合っていない。
どう撮っても面白くなりそうな話なのに、
こう撮ってしまうのか、という感じである。

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