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映画評 「名探偵コナン 黒鉄の魚影」 [映画評]

コナンの映画はどうしても否定的にとらえてしまう。
だって、大ヒットするに決まっているのに、いつもあまりにも雑だから。
大ヒットするに決まっているのだから、手間暇をかけて、脚本も練り上げればいいのに、
大抵の場合、突っ込む気も失せるようなザル展開。
今作も観に行くつもりはなかったのだが、
不意に時間が空き、家人にもせがまれ、渋々と。

しかし、おやまあ、これが案外。

もちろん、傑作とか名作とかいうものではない。
ただ、きちんと最後まで楽しめた。
これが100億円を超えるヒットになると聞くと、
「え?」
とは思うけれど、ひとつのアニメ作品として観ればまあまあ。
面白く観られたことに驚いた。

もちろん、ツッコミどころは満載。
しかし、そんなものツッコミ出したら、設定からツッコまなければならなくなる。
無理な展開も、強引なセリフも、超人を超えた活躍も、まあそれはそれ。

主要キャラクターにそれぞれ見せ場があり、
ファンはきっと満足できるだろう。
真面目に語れるようなストーリーはないが、
そういう映画ではないと割り切ればそれまで。

監督は誰だろうと思ったら立川譲さん。
「BLUE GIANT」で熱い一発をかましてくださった方である。
今年前半のアニメ映画を席巻された感じである。

「名探偵コナン 黒鉄の魚影」は、コナン映画としては珍しくちゃんとした映画。
予備知識がほとんどなくてもしっかり楽しめる。
劇場で観るべき、と強くお勧めする踏ん切りまではつかないけれど。

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