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第4回伝えたい映画大賞 その2 作品部門 [映画評]

日本アカデミー賞をはじめとする各種映画賞に疑問を感じ、
自分たちで「伝えたい」と願う映画を選ぼう、という思いで始めた「伝えたい映画大賞」。
前回お届けした俳優部門に続き、今回は作品部門の選考結果を。

ちなみに過去の結果は以下のとおり。

第1回(2019年公開の映画が対象)
大賞 「洗骨」 監督・照屋年之(ガレッジセールゴリ)
2位 「岬の兄妹」 監督・片山慎三
3位 「愛がなんだ」 監督・今泉力也

第2回(2020年に公開の映画が対象)
大賞 「37セカンズ」 監督・HIKARI
2位 「糸」 監督・瀬々敬久
3位 「アルプススタンドのはしの方」 監督・城定秀夫

第3回(2021年に公開の映画が対象)
第1位 「街の上で」 今泉力哉監督
第2位 「偶然と想像」 濱口竜介監督
第3位 「映画大好きポンポさん」 平尾隆之監督

今回取り上げられたのは、以下の作品。
「さかなのこ」
「ハケンアニメ!」
「土を喰らう十二ヵ月」
「愛なのに」
「マイスモールランド」
「恋は光」
「異動辞令は音楽隊!」
「川っぺりムコリッタ」
「夜明けまでバス停で」
「天間荘の三姉妹」
「ケイコ、耳をすませて」

各種映画賞で高く評価された「ある男」は、窪田正孝さんの演技が評価されたほかは、
作品としてはまったく話題に上らず。

作品賞とは離れるが、二枚目俳優中島歩さんが演じる役のクズっぷりがいじられるのは、
伝えたい映画大賞の恒例行事。

私も好きな、かわいい映画「恋は光」に高い評価。
漫画的な作品なのだが、心がほんわりあたたまる。

私は、城定さんが監督し、今泉さんが脚本を担当した「愛なのに」に一票。
R15+指定でちとエロいのだが、それ以上にクスリとさせられた。

「さかなのこ」は、キャラクター紹介の予告編で選考会が笑いに包まれた。
みんなに愛される映画だが、大賞まではあとワンパンチ。

大切な映画「ハケンアニメ!」が、ありがたいことに選考会でも熱い支持を集めた。
燃える職業映画であり、
試写会に向かうスタッフ一同の姿が演劇的でもあり。
作中、吉岡里帆さん演じる主人公が「届け!」と願う。
届きましたよ。

もっとも評価された作品は、若手女性監督・川和田恵真さんのデビュー作、
「マイスモールランド」。
嵐さんの女優賞と併せて2冠となった。
嵐さんのご家族の演技も特筆もの。
重いテーマを重いだけに終わらせなかった演出の冴えも見事。
奇跡的に生まれた作品だと思う。

というわけで、
伝えたい映画大賞 「マイスモールランド」 監督・川和田恵真
第2位 「ハケンアニメ!」 監督・吉野耕平
第3位 「さかなのこ」 監督・沖田修一
という結果となった。
私の好きな映画が軒並み高く評価されて嬉しい選考会となった。

ただし、個人的には2022年は不作の年。
上位の何本かはよかったが、「なんだこれ?」という映画も少なくなかった。
日本映画の企画の貧困さに嘆かわしい思いをしたこともしばしば。
幸い、2023年に入ってから、佳作が続けて公開されている。
伝えたい映画が次々生まれる年になってほしい。

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