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映画評 「沈黙の艦隊」 [映画評]

原作は、1988~96年に「モーニング」にて連載された、かわぐちかいじさんの名作コミック。
私にとってかわぐちかいじさんと言えば、「巷説麻雀新撰組はっぽうやぶれ」。
一時期麻雀漫画をけん引しておられた。

監督の吉野耕平さんは、私の大好きな「ハケンアニメ!」を撮られた方。
今回は、まったく趣の違う大作を手掛けられた。
この先がますます楽しみな監督さんである。

物語は壮大。
これを2時間に入れ込むのは無理がある。
本作は、はじめからその無理に挑戦はせず、
いきなり始めて、
中途半端に終わらせた。
続編ありきの作り方はあまり好きになれないが、
本作では一応区切りも付いていたし、ギリギリセーフか。

潜水艦ものはどうしてもそうなってしまうが、
トーンは暗く、緊張感が持続する。
外国人俳優も多く、撮影には苦労があったことと思う。
きちんとした作品に仕上げたのは監督の手腕なのだろう。

主演は、プロデュースも手がけておられる大沢たかおさん。
大沢さんと言えば、「キングダム」の王騎役が印象的だが、本作でもさすがの説得力。
笹野高史さん、酒向芳さんといったベテラン勢の安定感が映画を落ち着かせる。
ソナーマン役の前原滉さん、ユースケ・サンタマリアさんがいい味。

映画会社からすれば、吉野耕平監督は、大作でも十分に行けると踏まれたのではないか。
次回作が早くも楽しみだ。

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