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映画評 「BAD LANDS バッド・ランズ」 ~原田監督、今年もいい映画~ [映画評]

原田眞人さんの監督・脚本・プロデュースによる作品。
原田さんは、齢74歳。
去年の快作「ヘルドッグス」に続くバイオレンスもの。
2年連続、ノンストップでぶっ飛ばす。
落ち着く、ということを知らないかのよう。
もちろん、衰えるということなどまるでご存じないご様子。

特殊詐欺グループの話だが、
血縁関係や愛憎も入り交じる。
安藤サクラさんと山田涼介さんが主人公として映画を引っ張るが、
二人も完全な犯罪者であり、善玉ではまったくない。
まともなモラルなど持ち合わせていないが、
映画の主人公にふさわしい存在感がある。
安藤さんはさすがの演技。
切れ味の鋭さにひりひりする。
山田くんも情けない弟役を好演。

悪い奴が次々と出てきて、
人間関係が入り組んでくる。
生瀬勝久さんや天童よしみさんなどが、癖をたっぷりに演じられる。
あんだかんだいろいろあるのだが、ややこしい話ではない。
すっと映画の世界観に入り込める。

特殊崎グループを追う、警察の描き方がいい。
こういう作品では警察が単に敵役になったり、間抜けな存在だったりするが、
この映画ではしっかり存在感があった。

安藤サクラさんを助ける頼りになる相棒役に宇崎竜童さん。
久し振りにカッコいい宇崎さんを見せてもらった気がする。

「BAD LANDS バッド・ランズ」は、気合の入った作品。
映画らしい映画で、世界観を堪能できる。
大勢の人に観てもらいたいが、ヒットする作風でもないのも確か。
それでもこういう映画がしっかり客を集めてほしい。

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