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個人所得がバブル期を上回るのはまだ全国の3割だけ [経済を眺める楽しみ]

日本経済新聞に
「個人所得、3割の自治体がバブル超え」
という記事が掲載された。
個人所得が増えていることを伝える記事であり、
2022年度の個人住民税の課税対象所得が9年連続で増加したのだという。
個人所得増加の要因としては、
賃金上昇に加えて株式や不動産の売却益も挙げられるのだそうだ。

所得が上向いているという前向きな記事なのだが、
バブル期と言えば、今から30年も昔の話。
その頃の所得を超える自治体が3割しかないということに、今さらながら驚いた。

日本以外のほとんどの国は、所得が前年を下回ること自体が滅多にないので、
30年前と比べると所得は大幅に伸びている。
日本の沈滞が数字的に裏付けられている格好である。

ちなみに、都道府県別で1992年と比較した上昇率トップ3は以下のとおりである。
1位 山形県
2位 秋田県
3位 島根県

山形県には、道路網の整備などで工場進出や特産の農産物の高付加価値化が進んだという理由があるそうだし、
秋田県や島根県にもそれぞれ何かあるのだろうが、
都市部と比べて発射台が低いということも否めないと思う。
バブルの頃にもそれほど潤っていたわけでもないので、
落ち込みが小さい分、過去の数字を上回りやすいという面があると想像される。

個人所得が伸び悩んでいても世帯所得が増えているというのなら救いもあるが、
世帯所得も平成6年がピークとなっている。

所得が伸びてこなかったことはデフレの影響も大きい。
ここ2年でインフレの傾向が強まってきているが、
この状況で所得が伸びなければ事態は一層深刻になる。

デフレを脱して成長軌道に乗るのか、
物価だけが上がって所得が追い付かないのか、
所得に関するニュースには、これまで以上に注目していく必要がある。

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