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圧巻! 壮観! 快感! 映画「ゴールデンカムイ」!  [映画評]

映画ファンである。
映画はあまたあるが、
日本映画を中心に観ようと決めている。
洋画の方が面白いし、よくできていると思うけれど、
そこまで手が回らない。
だけど、日本映画には裏切られてばかりで、さすがにこの頃しんどくなってきた。
もう、どうしようかしら、と。

しかし、「ゴールデンカムイ」である。
期待半分不安半分、
いい作品である予感半分、
外れ作品である悪寒半分、
楽しみ半分心配半分、
で観に行った。
だって、毎度期待して映画館に足を運んで、ことごとく裏切られているんだから。

しかし、「ゴールデンカムイ」である。

いや、よく撮った。
監督さんをはじめスタッフの皆さん、
役者の皆さん、
大変な撮影だったと思う。
よく撮られた。
苦労は報われています。

壮大なスケール。
緊張感のあるアクション。
とことん個性的で魅力的な登場人物。
ツッコミどころを吹き飛ばす突破力のある作品であった。

もちろん、野田サトルさんの原作が素晴らしいのだと思うが、
2時間の映画に仕上げた黒岩勉さんの脚本が見事だった。
そして、この壮大過ぎる世界観を見事に映像化した久保茂昭監督。
素晴らしい仕事をされた。

続編が作られる前提の映画はあまり好きではないのだが、
本作は特別。
続きが見たい。

今年、まだ映画を観ていないなあ、という貴方。
ワクワクできるような映画ないかなあ、という貴方。
「ゴールデンカムイ」がありますよ。
ぜひ。

それにしても、
「キングダム」と掛け持ちの山崎賢人さん。
お身体大切にしてくださいね。

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中国も直面する人口の急減 [ヨモヤ]

中国国家統計局の発表によれば、
2023年末の総人口は22年末比208万人減の14億967万人になったとのことである。
人口減少は2年連続。
減少幅は前年の85万人より拡大した
日本の人口も減少しているが、年間60万人程度。
中国は元の数字が大きいため、減少幅も桁違いである。

中国の人口減少の原因は、御多分に漏れず少子化。
「一人っ子政策」はすでに廃止されており、
複数の子供を育てる世帯を対象に補助金を支給するなどの対策を進めているようだが、
少子化の流れが止まらない。

少子化の原因としては、
若者の雇用不安、
子育てにかかる費用の高騰などが挙げられている。
日本も少子化が国家的課題だが、
人手不足も相まって少なくとも若者の雇用不安はそれほどでもない。
中国の若者の失業率は20%を超えているというから深刻である。

中国は不動産バブルが崩壊し、
ゼロコロナ政策の痛みも癒えていない。
そこへ持ってきての
高齢化、人口減少。
強権的にどうこうできる筋合いのものではないから、
これからの経済政策は大変だろう。

中国の経済が減速すれば、
相対的に日本が上がる、
というものでもない。
むしろ、景気には逆風となるだろう。
さらに経済低迷が引き金となって中国で社会不安でも起きてしまえば、
矛先が日本に向きかねない。

人口減少を克服することの難しさは世界中の国が実証中である。
中国も長く苦しむのではないだろうか。

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映画評 「笑いのカイブツ」 [映画評]

この映画の原作を読んだことがあり、
とんでもない人がいるなあ、と思った記憶がある。
原作者のツチヤタカユキさんは「伝説のハガキ職人」であり、
笑いに憑かれた男である。
これを、岡山天音さん主演で、
仲野太賀さん、菅田将暉さん、松本穂香さんを共演に迎えて映画化。
期待を高めざるを得ない。

主人公が異常なテンションで笑いに取り組んでいたことは原作を読んで知っていた。
それが映像でどう表現されているか楽しみにしていた。
しかし、その異様さがあまりにも延々と続き、
途中からは映画に寄り添うことができなくなった。

不器用とか、真っすぐとかではなく、
単に変な人間。
人間関係が苦手、とかいうレベルではなく、
自分以外の人間に心を寄せることができない。
そんな人に笑いを作られても。

映画の中で披露される大喜利も、
最後の漫才も、
残念ながらガツンと来るものがなかった。
あれだけのたうち回って、これ。
いや、それは駄目でしょう。

岡山天音さんは迫真の演技。
しかし、ずっと同じテンションなので途中からは完全に食傷だが、
そこを仲野太賀さん、菅田将暉さんが救っていた。
俳優陣の頑張りがなければもっと困った作品になっていた。
俳優陣の頑張りがあっても困った作品にはなっていたが。

この題材で、
この俳優陣を得て、
この映画。
もったいない。
実にもったいない。
もっと遠くに行けたはず。
もっとはるか彼方に。

原作に、というか、実在の人物に忠実に作りたかったのかもしれないが、
それでは映画としては足りない。
最後のシーンもオチとしてはまったくもって弱い。

残念。

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名目GDPで日本を抜いたドイツも喜べなさそう [ヨモヤ]

経済の大きさを測る指標として一番わかりやすいのがGDP。
さらに、比較がしやすいのが名目GDP。
長く世界2位だった日本は、
10年ちょっと前に中国に抜かれ、ここのところ3位だった。
ただし、その地位もどうやら危ういようだ。
2023年の名目GDPでドイツに抜かれることがほぼ確実視されている。

通常、GDPの逆転は、
抜く側の成長が抜かれる側の成長を上回ることから起きる。
しかし、今回の逆転はそうではない。
日本の2023年の実質GDP成長率見込みは+1.7%。
2022年の+0.9%を大きく上回っている。
一方、
ドイツの2023年の実質GDP成長率は‐0.3%。
2020年以来のマイナス成長に落ち込んでいる。

2023年がマイナス成長になるのはG7ではドイツだけ。
ユーロ圏の足を引っ張る形にもなっている。

そんなドイツのGDPがなぜ日本を抜くのかというと、
日本は円安によりドル換算の値が下がり、
ドイツはインフレによって総額が嵩増しされるからである。

こうした実態がわかると、
ドイツも決して喜べないだろう。
もちろん、抜かれた日本が開き直っている場合ではないけれど。

これから先も、日本のGDPが伸びていくことは考えにくい。
成長至上主義に異を唱えるために
GDPの伸びを意味がないものと割り切ってしまうのも違う気がするが、
一方で別な価値を探すべきであるとも思う。

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映画評 「無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語」 [映画評]

本作は、北海道のアマチュアプロレス団体「新根室プロレス」を追ったドキュメンタリー。
アマチュアプロレス団体、という語義矛盾が早くもおかしい。

リングネームというか、それぞれのキャッチフレーズにくすぐられる。
例えば、
疑惑の実況 ロス三浦
盗撮実況 MCマーシー
といった、ちょっとアブナイものから、
プロレスファンならわかる以下のような面々。
例えば、
東洋の神秘 グレートカブキ ならぬ、糖尿の心配 グレート京劇
超獣 ブルーザー・ブロディ ならぬ、恥獣 ブラージャブロディ
不沈艦 スタン・ハンセン  ならぬ、不信感 ズランハンセン
エルボーの貴公子 三沢光晴 ならぬ、エロ坊の奇行師 二沢光晴
超人 ハルク・ホーガン   ならぬ、超暇人 ハルク豊満

しかしこの映画は、単に笑えるだけではない。
主催者のサムソン宮本さんの生き様を描いていて、
これが胸熱くさせる。
難病である平滑筋肉腫に侵され、ついにはお亡くなりになってしまうのだが、
その生涯はまさにプロレスであり、ロックである。

自分のやりたいことを貫き、
周りを巻き込み、
周りを幸せにして、
自らは破滅し、
自らは笑いにし、
惜しまれながら去っていく。

さらに、後につながるものも残した。
宮本さんは亡くなったが、その魂は受け継がれた。

この映画を観て、
自分って、やりたいことやれてるのかな、
やりたいことやらなきゃな、
と感じた。
感じたからといって、
すぐにやりたいことをやれるわけではないのだが、
そう感じた。
そう感じさせる力があった。

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2023年の日本映画を振り返る その2 困った映画 [映画評]

2023年も「困った日本映画」が多かった。
困った、とは、
面白くない、つまらない、時間がもったいない、お金がもったいない、
といったような意味である。

しかし誰もが認めるような突き抜けた困った作品はなかったような気がする。
つまらない映画が粒ぞろい、というのも全く喜ばしくはないが。

なかでもタイトルが示すとおりトホホな思いになったのは
「そして僕は途方に暮れる」という映画。
観てしまった私は本当に途方に暮れた。
名は体を表す、とでも言うのだろうか。

ドラマの映画化作品がつまらないのは例年どおり。
「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」
を筆頭に、
「ミステリと言う勿れ」
「イチケイのカラス」
「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」
とほぼ百発百中のすべり具合。

最初の作品が好きだった「東リベ」だが、その続編が2部作扱いになってガッカリ。
「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-」
は予告編のような作りであるうえ、内容もさっぱり。
1作目の頑張りは完全に帳消し。

「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」
「法廷遊戯」
「アナログ」
「アイスクリームフィーバー」
といった作品は、それぞれタイプは違えど、つまらない、という点は共通している。
それなりの役者さんを使いながら、もったいないことである。
ただ、ここに挙げた作品と同じくらいに困った作品は、まだまだ山ほどあった。

自分の信じた道を行き、
振り切った作品を撮ったものの、
うまく行かなかった、
というのなら、作り手にも後悔はないだろう。
しかし、ほとんどの作品が、
単につまらない。
細かく当てに行って、
つまらない。
せっかく映画を撮れる機会を得ているのに、
もったいないことである。

2023年は、ため息をつきながら劇場を後にする率がやたらと高かった。
特に年の後半。
作り手の皆さん、魂が叫んでいるような映画をお願いします。
妥協なき作品をお願いします。

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映画評 「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」 [映画評]

本作は、公開初週の興収で首位に立った。
初日から3日間で興収12億2400万円。
もちろんヒットしていると言えるが、
お化けヒットとなった「鬼滅の刃」はともかく、
「呪術廻戦」も大きく下回るスタートであり、
超メガヒットとはならないようだ。
映画の内容もかなりソフトで子供向けに寄せられていて、
リピーターが続出する内容ではないように思える。

個人的には、原作はもちろんテレビアニメも全く見たことがないまま劇場に足を運んだのだが、
設定をしっかり説明してくれるし、
とにかくわかりやすい話なので、すんなり入ることができた。

原作がどんなトーンなのかわからないが、
この映画はギャグ寄り。
それも、かなり低年齢層向けの笑い。
私にはわからないが、ファンの方々にとってこれがどうなのか、

強引な設定、強引な展開で映画は進む。
しかしまあ、そこをまともにとらえても仕方がない。
意外と、と言っては何だが、退屈はしなかった。
手に汗握ることも、ワクワクすることもなかったけれど。
面白いと感じることもなかったけれど。

多分、この映画では原作のよさがうまく表現できていないのではないかと思う。
それはそれでよしと割り切って、
ライトなファン向けに作ったのだろうか。
本作だけを観て、スパイファミリーは大したことない、と言うとファンに怒られそうだ。

心配していたよりは楽しめたけれど、
映画として観ると、正直かなり物足りない。
ヒットすることが約束されている作品だけに、もっと攻めてもよかったのにと思う。

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2023年の日本映画を振り返る その1 概観 [映画評]

コロナ明けとなった2023年。
映画の制作体制もなんとか元どおりに戻ったことと思う。
興収総額も2022年を超え、それなりにヒット作も生まれた。
なお、2023年日本映画興収ベスト10は以下のとおりである。

1位 THE FIRST SLAM DUNK
2位 名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)
3位 君たちはどう生きるか
4位 キングダム 運命の炎
5位 ミステリと言う勿れ
6位 ゴジラ-1.0
7位 劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~
8位 映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)
9位 ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ
10位 劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD

10位中6作品を占めるアニメが強いのはいつものことだが、
他の4作品もシリーズものとテレビドラマの映画化。
今に始まったことではないが、日本映画の企画が貧困なのは嘆かわしい。
手堅くヒットを狙いたい気持ちはわかるが、
そればかりではつまらないし、育たない。

ゴジラを除くと、秋以降に目立った作品がなかったのも特徴だろうか。
佳作・良作も年の前半に公開されていて、
後半は「なんだこれ?」的作品の連発であった。

予想を超えるヒットとなったのは、
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
「わたしの幸せな結婚」
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」
といったところ。
口コミで評判が広がった結果なのだと思うが、
だからといって良作とは限らないところがなんとも。

「君たちはどう生きるか」
「ゴジラ-1.0」
の2作がアメリカで大きなヒットとなったのが一つのトピックス。
ハリウッドのストの影響もあるだろうが、
日本語作品がアメリカでも受け入れられるとなると、ぐっとマーケットが広がる。

2023年を振り返って、
いい映画が少なかったなあ、
としみじみ思う。
1月、2月といった年の前半にはなかなかの作品を続けて観ることができ、
やっぱりコロナの制約が取れるといい作品ができるのだなあ、
などと思ったのだが、たまたまだった。
年の後半は、コロナ禍の期間より不作だった感がある。
新しい才能との出会いも、残念ながら少なかった。

2024年は、たくさんのいい日本映画に出会える年になりますように。
叶えられないかもしれないけれど、そう祈る。

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中国株が下がる分上がっている感じの日本株だがさすがに急ピッチすぎる [経済を眺める楽しみ]

1月12日の日経平均株価は力強く続伸。
12日の終値は前日より527円25銭高い、35,577円11銭となった。
連日のバブル後高値の更新に、市場は沸いている。

日本株上昇の要因はさまざま言われているが、
中国売り 日本買い
という流れがその一端を担っているようだ。

この半年で見ると、
日本株が9%上昇した一方、
中国株は10%下落している。
この1年で見ると、
日本株が34%上昇した一方、
中国株は12%下落している。

中国経済の存在感は非常に大きいので、
中国経済の減速は日本にも影響を与えるはずだが、
株式市場に限って見れば、
中国株が下がっても日本株は下がらないどころか、
中国株と日本株は逆相関にあるようにさえ見える。

さて、日本株はどこまで上がるだろう。
ここまで駆け上がってくると、
日経平均で史上最高値の更新や40,000円という声が聞こえてくるが、
さすがにそこまで一気に上昇することはないだろう。
今年に入ってからの相場は過熱している感があり、
当然どこかのタイミングでスピード調整があるはずである。
それが来週であってもおかしくないし、
むしろ来週である方が自然である気もする。

年初から株価が上がっているが、
だからといって一年間調子がいいとは限らない。
油断は大敵。
しかし、指をくわえて見ているだけというのも、もったいない話。

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映画評 「PERFECT DAYS」 [映画評]

ドイツの名匠ビム・ベンダースが、
役所広司さん主演でトイレの清掃員の男が送る日々を描いたドラマ。
2023年カンヌ国際映画祭で、役所さんが男優賞を受賞したことで大きな話題になった。

役所さん演じる主人公は、
道を掃く箒の音で眼ざめ、
布団をてきぱきたたみ、
歯を磨き、
缶コーヒーを買い、
お気に入りの昔の洋楽を聞きながら現場に向かい、
丁寧に仕事をする。
古本屋で本を買い、
いつもの安居酒屋とスナックに行く。

つまりは、静謐に暮らしている。

毎朝、空を見上げるときの晴れやかな顔が印象的。
普段と変わらない日常を大切にしていることがわかる。
しかし、そんな主人公にも、
なにがしかの過去があり、
人としての心の揺らぎがある。

映画は淡々と進む。
ベンダース監督が敬愛されているという小津安二郎の世界のようである。
映像は美しく、役所さんの演技にも引き付けられる。
個人的に、こうした何も起こらない展開が嫌いではない。
その一方、ふと眠気を感じ、記憶が遠くなる瞬間が一再ならずあったことを告白せざるを得ない。

役所さんの演技を味わう映画として観るのが正しいのだろうか。
あと、いろいろなトイレを見ることもできる。
嫌いな映画ではないが、
大好きにもならなったことを告白せざるを得ない。

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