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こんな日が来ようとは  ~ 中国株の時価総額が日本を下回る ~ [経済を眺める楽しみ]

1995年、と言えば、そんなに古い話ではない。
その当時、日本のGDPは中国のそれをはるかに上回っていた。
日本が約54兆ドルに対し、中国は約7兆ドル。
つまり、1995年段階では、日本のGDPは中国の8倍近く!もあったのである。

その後、日本は延々と停滞を続け、一方の中国は完全に離陸して急速な成長を止めなかった。
8倍もの差はあっという間に詰まり、
5年後の2000年には4倍差に、2005年には2倍差になり、2010年には両者は逆転してしまった。
今や中国のGDPは日本の約3倍。
もはや完全に手の届かないところに行ってしまった。

経済成長格差に伴って、日中の株式市場も様変わりした。
ぐんぐん成長する中国株に対し、日本株は長期に低迷。
結果、2014年から2015年にかけて、株式の時価総額で中国が日本を逆転し、一時は大きく差が付いた。
その後も、中国の成長は止まっていないから、もう永久に追いつけないものとあきらめていた。
しかし、これが再逆転したという。
なんとここに来て、日本株の時価総額が、中国のそれを上回ったのである。

これは日本株の好調というより、中国株の不調に原因がある。
それまでの上昇度合いが急激過ぎたことによる調整に加え、アメリカとの貿易摩擦、景気減速懸念が相まって、ずるずると下降を続けている。
今年に入って、日本株も軟調な展開だが、中国株はそれ以上の下げを演じている。

日本株が盛り上がって逆転したのならともかく、中国が沈んでの立場逆転では、日本としても、喜んでもいられない。
中国経済が深刻な不振に陥れば、世界経済に波及しないわけはないし、日本にも大きなダメージになるからだ。

株価は、経済の先を読むという。
中国経済や中国の株式市場は、成熟には遠い状況にあるから、株価が将来の経済を表していると一概には言えない面もあるが、投資家心理が弱気になっていることは確かのようだ。
貿易問題でアメリカが強気でいられる原因の一つも、このあたりにあるだろうか。

この状況で日本は、国内景気をしっかり固めたい。
アメリカの政策の先行きはさっぱり読めないし、
中国の減速も懸念される。
それでも、国内の景気がしっかりしていればなんとか持ちこたえられる。

そう考えたとき、来年10月の消費税増税は、実行されるのだろうか?
実行するべきなのだろうか?
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