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給与の伸びは21年ぶりの高水準なのに消費はなかなか火がつかない [経済を眺める楽しみ]

厚生労働省の発表によれば、6月の名目賃金は前年同月を3.6%上回ったとのことである。
この伸びは、21年5カ月ぶり!の大幅なものらしい。
基本給にあたる所定内給与が増加し、
残業代など所定外給与も3.5%増えた。
中小企業のベースアップ率も大企業を上回ったという。
また、失業率も低下している。

こうした状況からすれば、消費に火がついて当然だが、こちらは沈んでいる。
総務省の発表によれば、実質消費支出は5カ月連続で減ったというのである。
総務省は
「消費が好転する兆しがみえている」
としているようだが、この状況での足踏みは先行きを不安にさせる。

常識的に考えれば、賃金が増えれば消費も増えるはずである。
将来不安というが、それは今に始まったことではないから、賃金が増えた分の一部でも消費に回るのが普通だろう。
そうならないのは、何かもっと他の原因があるのか、それとも統計手法に問題があるのか。

現在のように消費が抑えられた状態で、消費増税が行われると、反動がさらに大きくなることが心配される。
抑えていた消費を、消費税引き上げ前にとりあえず行い、引き上げ後はしばらく消費を手控えるというようなことになりかねないからである。
そうなると、過去の消費増税時と同様に、またもや消費不況に陥る可能性がある。

今回は、軽減税率制度など、反動が出ないような仕組みがいろいろと取られるようだが、それらの効果は未知数である。
一般的な風潮は、消費税引き上げがすでに織り込まれているように感じられるが、来年には参議院選挙が控えていることもあり、まだまだひと山ふた山あるような気がする。
経済界は消費増税すべきとの立場のようだが、予断無く、正しい判断がなされることを願いたい。

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