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QBの値上げはデフレ脱却の象徴か人手不足の悲鳴か [経済を眺める楽しみ]

以前、私は床屋さんの値段設定が疑問だった。
お洒落に気を遣う人は、多少かかっても構わないのだろうが、そうでもない人も少なくない。
それなのに、どこに行っても一律3,000円以上取られるというのは、どうにも納得ができなかった。

QBハウスは、1,000円という価格設定(その後、1,080円に改定)で、一気に広がった。
いろいろなサービスをカットしたうえでの価格だが、それで十分という人が多かったことを示している。
町中の床屋さんにとっては痛いと思うが、サービスに見合う価格を求めるのは自然の流れとも言える。

そのQBが、料金を値上げするという。
2019年2月から1,200円にするというから、消費税の引き上げとは関係のない動きということになる。
報道によれば、理容師や美容師の人手不足が進んでおり、値上げで従業員の待遇を改善し、人材確保につなげる狙いとのことである。
つまり、お客さんがどんどん増えていて、その結果の料金改定というより、このままでは人材確保がままならないということからの値上げのようである。

QBの値上げは、ある特定の事業者についての話だが、宅急便などの値上げも行われており、こうした動きはさらに広がりそうだ。
鳥貴族などのように、値上げ後苦戦する企業も出てきており、できれば上げたくないのではないかと思うが、そうも言っていられない状況なのだろう。

デフレ脱却を最優先課題とする政府・日銀にとって、こうした値上げのニュースはポジティブなのだろうか。
狙った効果が表れてきているという面もあるだろうが、値上げ後業績が悪化したり、消費が委縮してしまっては元も子もない。
「値上げになるのも大変だけど、自分の給料も上がっているし、まあしょうがないよね」
とみんなが飲み込める状況にまでは達していないようにも思える。

背に腹は代えられない形での値上げの動きは、これからも増えていくと思う。
数十年間行われてこなかった動きだけに、受け入れる側は慣れていない。
値上げが当たり前のこととして受け入れられるには、もう少し時間が必要だろう。

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