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年金が黒字という事実   ~ この状況が続くかどうかは不明も現実は知っておきたい ~ [公会計]

日本で年金というと、
「崩壊寸前」
「維持不可能」
「自分たちはもらえるはずがない」
という語られ方をすることがほとんどである。
それは具体的な数字に裏打ちされたものではないかもしれないが、高齢者が増えていく状況から、「そうなるに決まっている」と多くの人が思っている。
かつて、1人の高齢者を6人くらいの働き手で支えていたのを、今は2人くらいで支えていて、将来的には1人が1人を支えるくらいになる計算だから、こんな状況で制度が成り立つわけがないと、ほとんどの人が直感的に思っている。
しかし、遠い将来はさておき、現実はどうだろう。
年々、年金会計が赤字を垂れ流している状況だろうか。
積立金は、どんどん目減りしているだろうか。

厚生労働省が、2017年度における年金収支決算を発表した。
それによれば、
厚生年金は10兆4,479億円の黒字、
国民年金も2,729億円の黒字だったという。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による公的年金の運用が好調だったこともあり、
17年度末の年金積立金残高は、厚生年金と国民年金の合計で164兆1245億円となり、市場運用を開始して以降、過去最高となった。
つまり、年金会計は、年々苦しくなっているという状況ではなく、むしろ積立金を積み増しているのである。

この状況が続くわけがないとは思うが、絶対に続かないとも言い切れない。
実際、今は黒字である。
もし、株価が上がり続け(他国の相場を見ると、あり得ない話ではない)、払うべき人が保険料をしっかり納めたら、案外年金制度は、かなりの期間維持できるのかも知れない。
少なくとも、絶対に破綻する、という制度ではないのかも知れない。

年金制度には、克服すべき課題が多いのは確かであろう。
しかし、事実を見ないで、感覚だけで悲観論に傾いても意味はない。

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