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消費増税は「やれるか」「やれないか」より「やるべきか」「やらざるべきか」で [公会計]

国の債務が膨らんでいること、
高齢化に備えた財源が必要なこと、
諸外国と比べて税率が低いこと、
などを理由として、消費増税が長く議論されている。
賛成反対入り混じり、いつまでも決着がつきそうにないが、一つ言えることがある。
それは、日本には消費税は向いていない、ということである。

消費税導入に向けては、いくつもの内閣が吹っ飛ぶようなドタバタがあり、
その後も税率を上げようとするたびに大きな議論となる。
また、実際に税率を上げるたびに、深刻な不況に見舞われる。
他国ではそういうことはあまり起こらないと聞く。

さて、麻生財務大臣が、来年10月に予定する消費税率10%への引き上げについて、
「今回は間違いなくやれる状況になっている」
とおっしゃったそうだ。
過去2回の増税延期については
「経済状況が今ひとつ確実なものではなかった」
と説明されたという。

確かに、今は各種の経済指標を見ると軒並み高水準だし、海外の経済状況も悪くない。
政治的環境も含め、
今やれなければいつやれるのか、という感じはある。
しかし、過去に増税したときも「今ならやれる」という思いで実施したはずだし、給付金やエコポイントなどで需要喚起策もとっていた。
それでいて、大きな景気の落ち込みになったことは忘れてはならない。

また、今回の増税時には軽減税率の導入が予定されており、2%がそのまま増収になるわけではない。
であれば、2%の増税より、2%のインフレの方が、税収にとってもよほどいいことになる。
もちろん、その2%のインフレが難しいのではあるが、
2%増税して、それをきっかけに2%のデフレとなったら、かえって減収となってしまう。

繰り返すが、消費税は日本にはあまり向いていない税制だと思う。
国民の反発は非常に大きいし、他国ではないような、増税時の反動の大きさも繰り返し経験してきた。
それでもなおかつ引き上げるだけの効果が果たしてあるだろうか。
もう決まっていること、ではなく、最後まで冷静に考えたいところである。

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