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年金への不信があってもなくても「iDeCo」はやるべき [経済を眺める楽しみ]

産経新聞に、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の加入者が8月中にも100万人を突破する見込みである、とのニュースが掲載された。
背景には、「公的年金への不信もあるとみられる」との注釈がついていた。

「iDeCo」とは、自分が拠出した掛金を、自分で運用し、資産形成を図る年金制度である。
個人型確定拠出年金、と呼ばれるように、個人の責任で行うものであり、拠出する掛け金は確定しているが、給付は運用成績によって異なる。
掛金は、60歳になるまで拠出し、60歳以降に老齢給付金を受け取ることができることになる。
掛金については、職種ごとに上限が設けられているが、その範囲であれば1,000円単位で自由に設定できる。

運用商品を自分で決められる、と言われても、何がいいかよくわからないし、老後に備えるための運用で損失を出したくない、
という方も多いと思う。
そんな方も安心していただきたい。
運用商品には、投資信託のようにある程度のリスクを取るものだけではなく、貯蓄型といって、基本的にリスクがないものもあるからである。

「iDeCo」には、自分で運用できるということ以上に、税制面での優遇が大きな魅力である。
掛金が所得控除の対象となり、
運用益も非課税、
受取時にも優遇措置がある、
という至れり尽くせりの仕組みとなっている。

その割に知名度が低いようにも感じるかもしれないが、それは、去年まで入れる人が限定されていたからでもあるだろう。
2017年までは、「iDeCo」に入れるのは、自営業者とその家族、自由業、学生などと、企業年金のない企業に勤める被用者に限られていた。
現在は、公務員や専業主婦などを含む、20歳以上60歳未満のほぼ全ての人が加入できるようになっている。
これを使わない手はない。

金融機関に勤めているわけでもないのに、どうしてこんなに「iDeCo」を推すかというと、本当にお得な制度だからだ。
先に書いたとおり税制面での優遇が強烈だし、
給与から天引きされるからコツコツ増やしていける上に、
原則60歳まで引き出せないから、つい使ってしまうこともない。

掛けられる金額に上限があり、「iDeCo」だけで将来安泰とはならない。
それでも、年金を補完する制度として、現段階ではこれ以上のものはないのではないかと思える。
現在の年金制度に否定的な方、自分が受け取る見込みの年金額に不安がある方は、是非「iDeCo」を始めるべきである。

十分とは言えないまでも、国は自助努力につながる仕組みをそれなりに整備していると言えるだろう。
となると、これをしっかり使いこなせるかどうかは、一人一人の責任になってくる。
年金不信を言う前に、
いや年金不信であればなおさら、
自分でやるべきことはやっておく必要がある。
まずは「iDeCo」の研究をお勧めしたい。

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