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ボーナスは減も 家計の金融資産は過去最高 [経済を眺める楽しみ]

経団連が、大手企業の夏のボーナス妥結額の第1回集計を発表した。
それによると、昨夏より7.28%減少したとのことである。
この減少幅は、リーマン・ショック後の2009年に次いで過去2番目に大きいのだという。
ただし、回答があった15業種のうち10業種が昨夏を下回ったとのことなので、
残り5業種は下がっていないということになる。

最初の緊急事態宣言から1年以上経ち、
いまだにコロナは収束せず、
ボーナスも減、
テレビもネットも暗い話ばかり、
となると日本人の窮乏化が進んでいるかのようだが、
実態はそうでもなさそうだ。

日本銀行が発表した1~3月期の資金循環統計によると、
家計の金融資産は3月末時点で1,946兆円と前年同月比7.1%増え、
過去最高を記録したというのだ。
過去最低ではなく、過去最高。
人口が減っているなかで過去最高。

貯蓄が増えたのは、
「コロナ禍で消費が抑制されたため」
と分析しているようであり、
もちろんそういう面もあるだろうが、
本当に苦しければ貯蓄を取り崩していくはずである。

こうした話題の際によく指摘されることは、
二極化が進んでいる、
ということである。
金融資産の伸びには株式の評価増の要素もあるので、
指摘が当たっている部分もある。
しかし、二極化というなら、
金持ちはより金持ちに、
苦しい人はより苦しくなり、
トータルではトントンになるはずである。
今回はトータルでも増えたということなので、
二極化は確かに進んでいるだろうが、全体的にも資産が増えたと受け取るのが自然だろう。

お金は使ってナンボなので、
数字上の試算がいくら積み上がっても、経済は動いていかない。
そうなのだが、
資産は減るは、
経済は動かないは、
よりはだいぶいい。

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