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不安でいっぱい細田守監督の新作 [ヨモヤ]

7月16日、細田守監督の最新作、
『竜とそばかすの姫』
が公開される。
細田監督の作品ということで、楽しみにする気持ちはやまやまなのだが、
今回は期待より不安が募る。

何故不安なのか?
そりゃ、あんなにとんでもないくらい既視感満載の予告編を見せられたら不安にもなる。
世界観が、まんま『サマーウォーズ』。
予告編で断片的に届けられる映像が、
「あれ、サマーウォーズのあのシーンとそっくり」の連発なのだ。
『時をかける少女』にあったようなシーンまで予告編に挟まれている。
細田監督のことだから、きっといい作品に仕上げてくるはず、
と信じたい思いはあるが、
あの予告編を繰り返し見ていれば、不安を感じない方がどうかしている。

多くの人と同様、私が初めて細田監督作品に出合ったのは、
2006年の『時をかける少女』である。
(それ以前から知っていた方も少なからずおられるだろうけれど)
年甲斐もなく、胸がキュンとなった。
次作に向けて期待が高まったが、そのハードルをはるかに上回ったのが、
歴史的な傑作『サマーウォーズ』だった。
何度観てもそのたびに面白い、とんでもない作品である。
次作の『おおかみこどもの雨と雪』は、前2作と比べるとちょっとしんどいが、
それでも十分素敵な作品だった。
細田監督という人は、打率十割の奇跡の映画作者なのだと信じそうになったが、
続く、
『バケモノの子』
『未来のミライ』
は、2作連続で、「あれ?」という感じだった。

細田さんが足踏みをされているうちに、新海誠監督が現れ、
2016年に『君の名は。』
2019年に『天気の子』
と2作連続で大当たりをとられた。
細田さんは、どんな思いでご覧になっただろう。

『竜とそばかすの姫』は、細田監督が原点回帰したような作品に受け取れる。
それだけに、失敗作となってしまうとなおさらキツイ。
細田監督のことだから、きっと素晴らしい作品であろうと信じたいが、
『サマーウォーズ』の劣化コピーになってしまう心配がつきまとう。

しかし、まあ、公開される前から一喜一憂できる監督というのは貴重である。
それだけ次回作が待望されている証拠だから。
あと半月、緊急事態宣言が出される心配もありながら、
公開をわくわくしながら待とう。

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確定拠出年金の加入者が増える流れは止まらないだろうけれど [資産運用]

確定拠出年金の加入者が増えているそうだ。
日本経済新聞の記事によれば、
2021年3月末時点の加入者は延べ約941万人となり、
企業が運用する確定給付年金を初めて上回ったのだという。
記事は、
「運用商品は定期預金がなお多く、貯蓄から投資の流れは道半ばだ」
と述べていて、運用のされ方には疑問を呈している。

確定拠出年金と確定給付年金。
二つの言葉は、拠出と給付が違っているだけである。
つまり確定拠出年金では、拠出する額が固まっていて、
確定給付年金では、給付される額が固まっている、
ということになる。

確定拠出年金では、
拠出額が固まっていて、給付額が固まっていないので、
運用成績によっては拠出した総計よりも給付額が少なくなることがあり得る。
確定給付年金では、
給付額が固まっているので、それに見合う額になるように拠出額が増額されることがあり得る。
どちらがいいかというと一概には言えないが、
確定給付を成り立たせるのが厳しくなっていることは確かである。

別の記事では、個人型確定拠出年金であるiDeCoについて取り上げられていた。
それによると、
iDeCoの加入年代は50代が46.5%とほぼ半数を占め、
ついで40代が25.6%、60代が17.0%であるという。
若い人には縁遠い話なのだろうが、
本当は始める時期が早ければ早いほど効果が大きいのがiDeCoである。

また、iDeCoでの運用先の人気は、日本経済新聞が嘆いていたとおり、
「預貯金」であり、
3人に1人は加入している計算だという。
この低金利下では、貯金では運用が出ないだろうと思ってしまいそうだが、
iDeCoの特徴は税の優遇措置が大きいことであり、
運用益でなくても十分にそのメリットを享受できる。

これでは、貯蓄から投資への流れに向かっていないではないか、
との声が上がりそうだが、それぞれの人は資産を何とか増やそうと懸命なのであり、
国の掛け声に乗らなければならないいわれもない。

これからも、確定拠出年金の加入者が増える流れは止まらないだろう。
しかし、それがいいことなのかどうかはなんとも言えない。
自分の責任で老後の資金が貯められる、
と言えばなんとなく聞こえはいいが、
大変だと思えば、これは大変だ。
老後の資金がいつの間にか貯まっている、
という形の方が望ましいという人は少なくないだろう。

とはいえ、泣き言を言っても仕方がない。
自分に合わせた運用をしっかりするしかない。
そのためには、少しは勉強もしないと。

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映画評 「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」 [ヨモヤ]

十分に楽しめる作品で、満足度も高いのだが、
強烈にツッコミどころがある。

・目立たないように暮らさなければならないファブルが、白昼堂々集合住宅で大暴れ
・人を殺してはいけないはずが、高い階から何人も落とす落とす(銃でなければOK?)
・悪役のやりたいことが不明
・伏線は張ったまま回収せず

などなど。

ほかにもわんさかおかしなところがあるので、名作、傑作にはほど遠いが、
娯楽作としては十分に及第点。
ここまでやってくれれば文句はない。

強過ぎるファブルに苦戦させるためにどうしたらいいか、
ということが盛り上げるための課題になるのだが、
本作では、人海戦術と二重三重の罠でそれをクリアした。
どうやって集めたんだ、などここでもツッコミどころが出てしまうのだが、
まあ、それはそれとして。
格闘技的なシーンもあり、その方面への目配りもしっかり。

ストーリーは粗雑極まりなく、
そちらは真面目に追う必要はまるでない。
それでも、十分に楽しめる。

主演は、岡田准一さん。
もう40歳になられる岡田さんだが、鍛え上げられた肉体で映画を引っ張られた。
平手友梨奈さんが、鍵を握る少女役。
「響-HIBIKI-」の続編を是非とも作っていただきたい。
山本美月さんが素敵で、佐藤二朗さんは愉快だった。

最初のシーンから日本映画らしからぬアクションでぶっ飛ばす本作。
辻褄や機微には全くこだわらず、口をあんぐり開けて楽しもう。
「あれまあ」という設定や展開も多々あるし、
いくらなんでもなあ、という流れも止まらないが、
この映画に突っ込むのは野暮というものだろう。

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ワクチンのことを伝えるときには全体像をしっかりと ~ せめてテレ東さんだけでも ~ [ヨモヤ]

去年の今ごろ、
「日本の感染者数は先進国の中では異例なほど少ない」
と指摘する人がいると、
「そんなことは自慢にならない。東アジアの中ではむしろ多いくらいだ」
との反論が返ってきた。
今は、
「日本のワクチン接種は、先進国の中では最低水準」
と批判される。

日本の行動規制は他国と比べると、これも異例なほどゆるく、
学校が開いていたことはもちろん、
レストランも映画館も、制約はあったとは言いながらほぼずっと開いていた。
他国では、
学校は閉校、レストランや映画館も完全閉鎖、というところが少なくなかったし、
今年に入ってからもそのような状態が続いたのだが、
「日本人はもう我慢の限界」
とおっしゃる方も少なくない。

ワクチンの接種が遅れたことで、
日本のコロナ対策は惨敗のように言う方がおられるが、
果たしてそうだろうか。
接種が進んでいることが伝えられるアメリカでは、
これまでに感染者は3,000万人を超え、死者は60万人を超えている。
こちらもワクチンの優等生とされるイギリスでは、
感染者は470万人を超え、死者は12万人を超えている。
日本では、
感染者は約80万人、死者は1万5千人である。
日本のコロナ対策を全否定される方は、
ワクチンの接種が半年早い国と、
死者が何十倍も出てしまった国と、
どちらがいいと考えておられるのだろう。
もちろん、ワクチンも早い、感染者もいない、という国がいいのだろうが、
そんなうまくいくわけがない。

6月25日、「ガイアの夜明け」という番組でワクチンについて特集していた。
世界50か国に住む日本人に聞いた、
というもので、いろいろな国のワクチン事情が報告されていた。
私は「ガイアの夜明け」を番組開始当初から見ていて、丁寧な取材ぶりに敬意を持っている。
しかし今回は、ワクチンの遅れの一点をとらえて、日本はダメだと決めつけているように感じられた。
他のメディアはともかく、テレ東さんだけはと思っていただけに残念だった。

私も、日本がワクチンで世界をリードできなかったのは残念だと思う。
政治家や行政の動きが、危機対応として十分であったか、検証の余地は大いにあると感じる。
ただし、感染者数が少なく、自前のワクチンを作る能力にも限界があった日本が、
先頭を走れなかったことはやむを得ない面もある。
韓国や台湾といった、コロナ対策の優等生とされていた国の状況を見てもそれはわかるはずだ。

反省して次に活かすのはいいことだと思う。
しかし、全体を見ず、部分だけをとらえて全否定するのは生産的とは言えない。
そんな報道が繰り返されているが、とっくにあきらめている。
ただ、
テレ東さんだけは、頼みます。

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ボーナスは減も 家計の金融資産は過去最高 [経済を眺める楽しみ]

経団連が、大手企業の夏のボーナス妥結額の第1回集計を発表した。
それによると、昨夏より7.28%減少したとのことである。
この減少幅は、リーマン・ショック後の2009年に次いで過去2番目に大きいのだという。
ただし、回答があった15業種のうち10業種が昨夏を下回ったとのことなので、
残り5業種は下がっていないということになる。

最初の緊急事態宣言から1年以上経ち、
いまだにコロナは収束せず、
ボーナスも減、
テレビもネットも暗い話ばかり、
となると日本人の窮乏化が進んでいるかのようだが、
実態はそうでもなさそうだ。

日本銀行が発表した1~3月期の資金循環統計によると、
家計の金融資産は3月末時点で1,946兆円と前年同月比7.1%増え、
過去最高を記録したというのだ。
過去最低ではなく、過去最高。
人口が減っているなかで過去最高。

貯蓄が増えたのは、
「コロナ禍で消費が抑制されたため」
と分析しているようであり、
もちろんそういう面もあるだろうが、
本当に苦しければ貯蓄を取り崩していくはずである。

こうした話題の際によく指摘されることは、
二極化が進んでいる、
ということである。
金融資産の伸びには株式の評価増の要素もあるので、
指摘が当たっている部分もある。
しかし、二極化というなら、
金持ちはより金持ちに、
苦しい人はより苦しくなり、
トータルではトントンになるはずである。
今回はトータルでも増えたということなので、
二極化は確かに進んでいるだろうが、全体的にも資産が増えたと受け取るのが自然だろう。

お金は使ってナンボなので、
数字上の試算がいくら積み上がっても、経済は動いていかない。
そうなのだが、
資産は減るは、
経済は動かないは、
よりはだいぶいい。

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6月のノルマ50mはクリア [60歳が近づく腰痛持ち 遠投77mプロジェクト]

東京オリンピック・パラリンピックが行われる2021年に、
全く個人的な企画として実行中の
「55歳過ぎ腰痛持ち 遠投77mプロジェクト」。
9月下旬に最終計測するとして、
5月に40m、6月に50m、7月に60mと徐々に伸ばしていく予定である。
5月の40mはクリアしたので、6月は50m。

近くの広場に、最近手に入れた巻き尺を持参し、50mを計測した。
ネットまでの距離を50mとし、ネットに当てるように投げたのだが、
ひょいと超えてしまったようだ。
よく見えなかったけれど。
まあ、ノルマ達成としよう。
まだ、力はあまり入れていないし。

その時の様子を雑にまとめた動画はこちらである。
https://www.youtube.com/watch?v=8H_JmVBNIJA

さて、次のノルマは60m。
今回50mを測った広場の端から端までが64mしかなかった。
少年野球の練習などもしている広場なのだが、64mあればまずは足りるということなのだろう。
この距離を投げるのはたやすくはない。
目標は77mであり、60mくらいで音を上げている場合ではないのだが、
気合を入れていかないと難しそうだ。

腰痛持ちという前提があり、
投げ込みも走り込みもできないのだが、
もととなる体力を上げていかないと投げる距離が延びるはずもない。
ここからである。

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映画評 「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」 [映画評]

スポーツファンにはよく知られている実際にあった話をもとにした映画。
舞台は、1998年の長野オリンピック。
スキージャンプ団体において、2回目の競技を行うために、
吹雪の中でのジャンプを敢行した25人のテストジャンパーの物語。

有名な話なので、どんなことがあったのか知っているし、
もちろんオチもわかっている。
それでも、感動してしまう話である。
4年に1度のオリンピックの、最後の最後のジャンプ競技で、
4年前のオリンピックの伏線を回収するかのように、
こんなことが起きるなんて。

映画になるべくしてなったようなストーリーだが、
であればもっと大きな感動の波が押し寄せてもよかった。
予想どおりよりは、ちょっと低めの波で映画は続き、
そのまま終了。
惜しい。

実名で登場されている西方さんの葛藤も、今一つ伝わらない。
あんな感じでよかったのだろうか。

競技の再開を議論したとされるジュリー会議をもっと大きく取り上げた方が面白かった気がする。
再開しなければ、1回目の上位3か国にメダルが渡ったわけだが、
4位の日本はもちろん、2位や3位のチームも中止は釈然としないところだっただろう。
どんな議論の末に、テストジャンプに委ねる、という決定になったのか。
そのこと自体に大きなドラマがあった気がする。

田中圭さんが、スキージャンプ元日本代表の西方仁也さん役を演じる。
正直、あまりピンと来なかった。
田中さんの妻役を土屋太鳳さん。
土屋さんはいつもの土屋さん。
聴覚障害のあるテストジャンパー役を演じた山田裕貴くんがよかった。
原田雅彦さん役を「カメラを止めるな!」の濱津隆之さん。
ちょっと似せている。
女子高校生ジャンパー役を日向坂の小坂菜緒さん。
一所懸命さが伝わってくる演技で思いのほかはまっていた。

「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」は、これだけ美味しい題材をもらいながら、
活かしきれなかった感がある。
もったいない。
いつか、誰かが、まったく違う角度からアプローチしてくれないだろうか。

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井上の試合を目に焼き付ける [ヨモヤ]

ボクシングのWBA・IBF世界バンタム級王者・井上尚弥が、
ボクシングの聖地と言われるラスベガスで戦い、3ラウンドKO勝ち。
WBA王座5度目、IBF王座3度目の防衛に成功した。

この試合、戦前から井上の圧倒的有利が伝えられており、
実際の試合でも相手に何もさせない完勝だった。
相手のダスマリナスが弱かったのだろうか。
もちろん、井上と比較すると格段に弱かったのだが、
ランキングはIBF1位。
この試合は、IBFの指名試合として行われたのである。
普通のチャンピオンなら、
「井上に最強の挑戦者が立ちふさがる」
みたいな煽り方をされるところだろう。
ランク1位の選手との指名試合が、まるで消化試合。
井上の強さ、恐るべしである。

この二十年ほど、世界に通用する数々の名チャンピオンが生まれた。
長谷川穂積
西岡利晃
井岡一翔
山中慎介
といった面々であり、心に残る試合がいくつもある。
しかし、これら名チャンピオンと比較しても、
井上の強さや築き上げた地位は一段上のところにあるように見える。

この先、井上はバンタム級統一を目指すようだ。
相手は、井上に対して挑発を続けるカシメロか、
名勝負を繰り広げたドネアとの再戦か。
もう一人のチャンピオンであるリゴンドウ戦を期待する声はあまり聞かれない。

バンタム統一後は、さらに階級を上げるのだろうか。
それとも、そうはせず、バンタムで時代を作るのだろうか。

これからも日本人世界王者は何人も生まれるだろう。
しかし、井上クラスの選手が出現する可能性は、決して高くない。
井上を生で見られている私たちは、実に幸せである。
ファイティング原田さんや
大場政夫さんを生で見ていた人たちをうらやましく思うことがあるが、
未来のボクシングファンたちは、私たちのことをうらやましく思うことだろう。

ボクサーの試合は、それほど多くない。
井上の試合は、すべて目に焼き付けたい。

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映画評 「HOKUSAI」 [映画評]

評判より面白い映画、
評判どおり面白い映画、
評判より面白くない映画、
評判どおり面白くない映画、
など、いろいろあるが、
評判どおりそこそこの映画、
というのもある。
本作がそれ。
★5つが満点なら、大抵の人が★3つにする。
そんな感じ。

全然面白くないわけではないし、
見せ場もないわけではないのだけれど、
なんだがぼんやりした印象しか残らない。
駆け足の展開なのに、やたらと上映時間が長く感じられる。

映画は、タイトルどおり葛飾北斎の生涯を描いたもの。
喜多川歌麿や東洲斎写楽、柳亭種彦、蔦屋重三郎といった歴史に名を残す人物も、実名で登場する。

本作は、年齢によって北斎を演じる俳優が変わる。
北斎の青年期を柳楽優弥さんが、老年期を田中泯さんが演じる。

大抵の映画は、入り込むまでが難しく、
一度流れに乗れれば最後まで連れて行ってくれるものなのだが、
本作の場合、主演俳優が変わることもあり、
後半、改めて映画に入り直さなければならない。
それが刺激となっていい方に出る場合もあるだろうが、
私は、うまく乗り損ね、集中することができなくなってしまった。
田中泯さんのわかりやすい演技も、本作では効果的とは思えず。
終わりに向かうにつれて、気持ちが離れて行った。

他の俳優陣は、
阿部寛さんが蔦屋重三郎役を、
永山瑛太さんが柳亭種彦役を、
玉木宏さんが喜多川歌麿役を演じる。
やはり阿部さんの存在感は出色。
注目度上昇中の芋生悠さんが花魁役で出演されている。

「HOKUSAI」は、魅力的な題材を十分に活かしきれなかった印象。
どんな映画だったか、映画が終わった瞬間から忘れ始めている。

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陽性が確認された選手へのお見舞いの声が聞こえないことが悲しい [ヨモヤ]

東京五輪・パラリンピックに出場する東アフリカ・ウガンダの選手団9人が来日した。
しかし、そのうちの1人が、空港での新型コロナウイルスのPCR検査で陽性だったことが判明し、
その選手は入国できなかったという。

内閣官房によると、
全員が出国前にアストラゼネカ社製のワクチンを2回接種、
出国96時間以内に2回のPCR検査を受け、陰性証明書を持っていたということである。
ワクチンを打ってもインフルエンザにかかる人がいるように、
ワクチンは万能ではない。
もちろん、皆さん十分おわかりのことだと思うが。

ウガンダ選手団は、その後事前キャンプ地である泉佐野市に移動した。
よかったな、と思ったのは、
市職員やホテルスタッフらが拍手で出迎え、
選手たちもウガンダの国旗を掲げ、笑顔で報道陣の撮影に応じたということ。
ホテルの代表者は、
「まだかまだかと待っていたが、やっと来てくれて安心している。陽性者が出たということなので、感染対策を一層強化しながら、細やかな対応をしたい」
と話し、
地域の方は、
「対策をしっかり取ってくれれば、前向きに見守りたい。これまでたくさん練習してきたと思うので、ぜひメダルをいっぱい取ってほしい」
とエールを送り、
千代松市長も、
「無事に大会に送り出せるようホストタウンとしての役割をしっかりと果たしていきたい」
とコメントを出した。
ウガンダチームもこれに応え、
「スポーツを通じて、またその先にある目標に向かって、日本の人々と素晴らしいパートナーとなれることを楽しみにしています」
と返してくださったという。
オリンピックらしいエールの交換に心が温かくなった。

一方、今回のことに関するネットのコメントを見ると悲しい気持ちになってしまう。
「やはり安心安全な大会は難しい」
といった言葉は理解できるが、
泉佐野市の方々の温かい出迎えについて、「能天気」としたり、
「バスで移動したというが、サービスエリアとかには寄っていないだろうな」
と揶揄したり。
選手たちのことを、なんだと思っておられるのだろう。

私が見る限り、
無念にも陽性が発覚し、入国できなかった選手へのいたわりの声はなかった。
何か書き込むのなら、まずはそこなのかな、と思うのだが。
日本選手が国際大会に臨んだとき、
遠征先の国で今回のネットでの書き込みのようなことを言われたら、
どんなに悔しく悲しいだろう。

入国できなかった選手は、これからどうなるのだろう。
オリンピックまでにまだ時間があるので、なんとか間に合うだろうか。
まずはお大事にしていただきたい。

4年に1回、国を代表して参加される選手の皆さん。
私などの想像をはるかに超えた鍛錬と重圧の日々を過ごしてこられたことだろう。
どんな思いで、大会を迎えられるのだろうか。
なんとか無事に始まり、無事に終わりますように。
そう祈る。

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