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大谷が本当に40本を打つかもしれない [ヨモヤ]

今年エンゼルスを退団し、ドジャースに移籍した歴代5位の本塁打数を誇るプホルスは、
大谷の二刀流について聞かれ、こう答えたという。
「俺は打者の彼を見たい。彼なら40本打てる」
「しかし、マウンドに上がれば怪我をする可能性がある」

このコメントは、だから野手に専念すべきという意味と思われる。
二刀流でいるうちは、40本までは打てないということを含んでいたのではないだろうか。
そりゃ、誰だってそう思う。
2019年シーズン、アメリカンリーグで40本に到達したのは4人だけ。
打者に専念してもそれだけ難しい数字なのだ。
投手兼任でそんなに打てるはずがない。

日本人選手で、メジャーリーグにおいて最も1シーズンで多くのホームランを打ったのは、
ヤンキース時代の松井秀喜さんで、
2004年の31本。
30本以上打てばホームランバッターと認識してもらえると思うが、
そこに到達した唯一の選手である。
大谷はここまで70試合終了時でホームラン21本。
今シーズンは162試合で争われるので、
単純に計算すれば40本をクリアするペースである。

問題は、このペースで打ち続けられるかどうかということだが、
難しいと考えるのが常識的な判断だと思う。
シーズンが深まるにつれて疲れが溜まっていくのが普通だし、
まして大谷は投手を兼任している。
失速しない方が不思議なくらいである。
あと10本に迫っている松井さんの記録は破るだろうが、
40本までは厳しいのではないか、と見るのが普通だろう。
大谷に普通が通用すれば。

今の大谷は、実に楽しそうに野球をやっている。
投げているときも、
打っているときも、
走っているときも。
疲れていないはずはないが、
今は楽しさがそれを上回っているように見える。
日本にいる頃から怪我が絶えなかったが、
それから解放され、
自由に体を動かせることが大きな充実感につながっているのだろうか。

もし打者に専念すれば、ホームラン王になれるかもしれない。
(二刀流でもその可能性はあるが)
もし投手に専念すれば、サイヤング賞も狙えるかもしれない。
それでも、大谷は二刀流を貫いてきた。
多分、その方が楽しいから。

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勝たなければならない侍ジャパンの重い宿命 [ヨモヤ]

東京オリンピックでの野球競技は、わずか6チームで争われる。
つまり、出場したチームのうち半分はメダルを獲得できる。
バリバリのメジャーリーガーは参加しない。
一方の侍ジャパンは、日本プロ野球のほぼベストの布陣で臨む。

メジャーのトップが出場したWBCでも、日本は互角以上の戦いを演じてきたから、
地元で開催される今回は負けるわけにはいかない。
勝って当たり前、
勝たなければならない。
重い宿命を背負っての戦いとなる。

今回の出場チーム中、おそらく実力では日本が一番だと思うが、
国際大会はどんな試合も厳しいものになる。
そのとき、勝って当たり前、というのはどちらに出るだろう。
力になるか、
重圧になるか。

選ばれたメンバーについても、いろいろな意見が出るだろう。
投手陣では、中日の柳、オリックスの宮城らの落選に疑問の声が上がっている。
野手陣では、ソフトバンクの周東、ロッテの荻野といったスピードのある選手が漏れたことに、残念がる声がある。
負けでもしたら、なおさら言われるだろう。
しかし、誰を選ぶにしても難しいのが代表選出であり、
決まったメンバーをベストと信じて戦うしかない。

誰が投げるにしても、過去の国際大会の経験から考えて、
日本の投手陣がカンカン打たれることはあまり想定しづらいが、
打線が沈黙する展開は大いにありそうだ。
初回からバントのような作戦をとってしまうと、なおさら1点が重くなる。
しかし、舞台はオリンピックである。
苦しい戦いになって当然ともいえる。

参加チームが少なく、
メジャーもおらず、
最終予選を欠席したチームもいるなど、
オリンピックにおける野球の位置づけには疑問符も小さくない。
ただ、それはそれである。
いや、それだからこそ、なおさら勝たねばならない。

まずは、オリンピックが無事に行われることを祈ろう。
そして、野球という日本の文化ともいうべき種目で熱い戦いが繰り広げられることを祈ろう。
そして、最高の結果が出ることを待とう。
もう、目の前である。

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映画評 「はるヲうるひと」 [映画評]

力のこもった、思いのこもった映画に出会うのは嬉しい。
「はるヲうるひと」は、一年間を通して映画のランクを付けたとき、上位に入ってくる作品であった。
佐藤二朗さん、恐れ入りました。

本作は、その佐藤二朗さんが主宰する演劇ユニット「ちからわざ」の舞台を映画化したもの。
佐藤二朗さんが、原作・脚本・監督を担当されている。
もちろん、出演も。

公表されている設定はこんな感じ。
「売春宿があちこちにある島に、3兄妹が暮らしていた。店を仕切る長男の哲雄は凶暴な性格で恐れられ、次男の得太は子分のように兄にごまをすり、長女のいぶきは長年の持病で伏せっている。そこで働く4人の遊女は哲雄に支配され、得太を見下している」

危険な香りのする設定だが、実際の作品もなかなかのハードさ。
到底テレビでは表現できない世界観である。
売春宿がメインの舞台なので、そうしたシーンもたびたび出てくる。
お父さんと娘さんで観るのはあまりお勧めしない。(そもそもいないだろうが)

エロに暴力も加わり、
息苦しい展開が続く。
最後で浄化されるかというと、そう甘いものでもない。
わずかな救いはあったが、スカッとはしない。

しかし、私は不快ではなかった。
演出する人、演じる人、スタッフのみなさん、
そうした方々の本作にかける熱がひしひしと伝わってきたからである。

やたらと絶叫する演出がちょっと興醒めだったり、
ラストシーンがちょっともったいなかったり、
ううむ、と思うところもないではなかった。
それでも、
作られるべき映画だと感じたし、
映画ファンなら観て損のない映画だと思った。

観て、気分がよくなる映画ではなく、
いやむしろ気分が悪くなる人が多い作品であり、
ネットの評価はあまり芳しくないようだ。
確かに、万人に勧められるタイプの映画ではないが、
がっつり向き合おうとする方なら、正面から組み合えるのではないだろうか。

「はるヲうるひと」は、見ていて辛くなるしんどい作品だが、
魂のこもった渾身作でもある。
気合を入れてご覧あれ。

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巻き尺を手に入れた [60歳が近づく腰痛持ち 遠投77mプロジェクト]

東京オリンピック・パラリンピックが行われる2021年に、
全く個人的な企画として始めた
「55歳過ぎ腰痛持ち 遠投77mプロジェクト」。

去年は125kmプロジェクトを敢行し、無残に玉砕したのだが、
そのときにチラと感じたのが、スピード計測の曖昧さである。
スポーツの採点種目のような感じで、今一つ手ごたえがなかった。
もちろん、負け惜しみだが。
そこで今年は、距離、というはっきりした基準に挑戦してみる気になった。
はっきり目で見えるから、言い訳は聞かない。

9月下旬に最終計測するとして、
5月に40m、6月に50m、7月に60mと徐々に伸ばしていくことを考えている。
今月のノルマは50mということになる。
これは問題なく行けると思うが、やってみないとわからない。
結構投げられたな、と思っても、測ってみたら案外伸びていないということもあり得る。
というわけで、ちゃんとした距離を測るために巻き尺を手に入れた。
measure.jpg

100mの巻き尺。
この先使うことがあるとも思えないが、これで覚悟が固まった感もある。

気温が上がってきて、
肩もそれなりに仕上がってきた。
計測までまだまだ時間があり、無理をする時期では全くないが、
少しずつ筋力も付けていかなければならない。
遠投の投げ方も身につけなければ。

9月までの間に、お腰様の状態も一度は悪くなるのではないだろうか。
それが重いものではないことを祈りつつ、
お腰様に気兼ねしてばかりでは鍛えられないので、
その兼ね合いが難しい。
それこそが、腰痛持ちによるチャレンジの醍醐味である。
のかしら。

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日経平均3万円回復は早いか遅いか [経済を眺める楽しみ]

2021年に入ってからの株式相場は、狭い範囲での膠着状態が続いている。
この2日ほどは上げ基調だが、半年ほどのスパンで見ると、
日経平均で言うと、28,000円から30,000円の間で推移している。
2020年が、
25,000円近辺から始まり、
15,000円近辺まで急落し、
28,000円あたりまで急激に戻した、
という大波だったのと対照的である。

海外を見ると、
アメリカダウは、ほぼ一本調子の上げ相場、
ドイツDAXも、同様の上げ相場、
イギリスFTSEは、それなりに上げ下げありつつ基調は上げ、
中国上海総合は、日本に近いレンジ相場、
韓国総合も、日本と同様のレンジ相場、
といった感じである。
総じてみると、
欧米は順調、
東アジアはやや足踏み状態、
とまとめられそうだ。

このブログのタイトルを、
「日経平均3万円回復は早いか遅いか」
とした。
「3万円を回復するかどうか」とはしなかった。
遅かれ早かれ回復はすると思うからである。

先日、日本経済研究センターが株価座談会を開催し、
「日経平均株価は年末に3万2000円」
との声があったと日本経済新聞で報じられていた。
32,000円というとそれなりの数字のようだが、
現在の29,400円からすると、率にして10%足らずの上昇ということになる。
そう考えると、それほどの難しいことでもなさそうだ。

今や、
東京オリンピック・パラリンピックが景気回復の起爆剤になる、
とは、誰も思っていないだろう。
無事に開催され、盛り上がって終了すれば、それは素晴らしいことだが、
外国のお客様が来られず、
街中での大騒ぎも禁じられているという状況では、
経済への刺激という点ではかなり限定的であろう。
それを織り込んだうえで、
今年度の後半以降は、
世界経済の拡大に引っ張られて、日本経済も成長するだろうと考える。
そうなれば、欧米株と比べて出遅れている日本株に見直しが入るのではないかと思う。

30,000円を突破し、さらに順調に伸びていくようなら、
いよいよ史上最高値が視野に入る。
二度とありえないとも思えた39,000円、
そしてその先の40,000円。
そうした数字がほのかに見えてきた。

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映画評 「漁港の肉子ちゃん」 ~ この映画が大好き ~ [映画評]

映画を観るたびに、こうして映画評を書く。
通常は、ブログのタイトルには映画の題名だけを書く。
まれに、強く心を動かされた作品に当たると、なにかコメントを加える。
例えば、こんな感じである。

「花束みたいな恋をした」 新しい恋愛映画のスタンダードが生まれた
「カメラを止めるな!」  超オススメ! 一年に一本あるかないかレベルの快作!
「ペンギン・ハイウェイ」 2018年夏 是非ご覧いただきたい一本
「殺さない彼と死なない彼女」 来た! 多くの人に見ていただきたい掘り出し物

「漁港の肉子ちゃん」にも、どうしても一言加えたくなった。
添える言葉はなんだろう。
傑作、名作、感動作、といった表現とは少し違う気がした。
いい悪いを超えて(いや、絶対にいいと思っているが)、胸にドスンと来た。
表現するなら、「大好き」という言葉が最もふさわしいように思えた。

本作は、西加奈子さんの原作にほれ込んだ明石家さんまさんが企画プロデュースされたもの。
肉子ちゃんの声を、さんまさんの元妻である大竹しのぶさんが、
肉子ちゃんの子どものキクコちゃんの声を、木村拓哉と工藤静香の長女でモデルのCocomiさんが演じる。
ネットでの映画評を見ると、大竹さんとCocomiさんの声に違和感があったという人が少なからずおられるようだ。
なぜプロの声優を使わない、というのである。
確かに声優さんはうまい。
日本の声優さんは世界一うまいと思う。
ただ、本作に関して、二人の声に違和感は全く覚えなかった。
肉子とキクコとして聞けた。
そもそもこんな素晴らしい作品を、入口で受け入れないなんて、そんなもったいない。

公開されているストーリーをかいつまんで書くと、こんな感じである。

「愛情深い性格ゆえに、これまでの人生、ダメ男ばかりを引き寄せては、何度もだまされてきた母・肉子ちゃん。とんでもなく豪快で、子どもみたいに純粋な母に比べて、しっかりもので大人びた性格の小学5年の娘・キクコ。
ふたりは肉子ちゃんの恋が終わるたびに各地を放浪し、北の漁港の町へと流れ着く。
キクコは、この年頃特有の女子グループ間のやっかいな抗争に巻き込まれたり、風変わりな少年・二宮との出会ったりしながら少しずつ成長し、この漁港の町をどんどん好きになっていく」

肉を切るシーンから始まるのだが、もうそこから見事。
アイデアが詰まったイントロで、一気に映画に引き込まれる。

大事件が起こるわけではなく、母一人娘一人の、ちょっぴり変わった日常が描かれる。
トトロを連想させるシーンがいくつも出てくるが、
あの大傑作をもじって、まったく不快に感じない。
最後に、こうしたシーンへの楽しい謎解きもある。

女の子同士のちょっとしたいざこざ、
母が参加する運動会、
謎めいた男の子との交流、
いろいろなシーンが思い出される。
どれもが大切な記憶になった。
ペンギンと絡むシーンは、私の大好きな「ペンギン・ハイウェイ」へのオマージュなのだろうか。
どこまでも私の琴線に触れてくる作品である。

終盤、母と娘の関係に大きな展開がある。
その後、期待どおりの流れになっていくのだが、予定調和ともありがちな展開とも思わない。
素直にしんみりさせてもらった。
じんわりさせてもらった。
肉子ちゃんの目が開くラストシーンもグッとくる。

もちろん、西加奈子さんの原作が素晴らしいのだろう。
しかし、それだけでいい映画になることが約束されるわけではない。
大島里美さんによる脚本がすさまじい出来であり、
渡辺歩監督による演出がズバッとはまったのだろう。
すごい仕事をされた。

「漁港の肉子ちゃん」が大好きになった。
こんなに好きになる映画は、滅多にない。
今年中にこれを超える気持ちになることはもうないかも、とまで思うほど。
是非、多くの方にご覧いただきたい。
きっと幸せな気分になれると思う。

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交流戦明けのオリックスにも注目 [ヨモヤ]

セ・パ交流戦で、
オリックスが、11年ぶり2度目となる優勝を果たした。

オリックスが最後にリーグ優勝したのが1996年。
20世紀である。
監督は仰木さん、イチローが主力だった時代。
それから20年以上。
途中2位になった年もあったが、ほとんどの年はBクラス。
苦しい時代を過ごしてきた。
交流戦で優勝しても、このあと崩れてしまっては仕方がないが、
今年は食らいついて行けそうな雰囲気がある。

投手陣には、
山本という球界ナンバーワンクラスのエースが君臨し、
高卒2年目にして異様な落ち着きを見せる宮城の安定感も特筆もの。
ブルペンはやや心もとないが、
それぞれがなんとか役割をこなしている。

打つ方では、ラオウこと杉本の活躍が大きい。
吉田というこちらも球界ナンバーワンクラスの選手がいるが、今まではその後ろを打つ選手が心もとなかった。
これで外国人選手が打ち出してくれば、ますます戦力は上がる。

若々しい中嶋監督の采配ぶりも目を引く。
失礼ながら、福良監督、西村監督の時代は、暗いイメージが染みついていた。
今なら負けているときも、なんとかなりそうな気がする。

交流戦で大きく勝ち越したことにより、ソフトバンクに追いつき、楽天にも迫ってきたが、
勝負はここからである。
ソフトバンクは、千賀、モイネロ、グラシアル、森らを欠いている状況であり、本来ならもっと叩いておかないといけない。
楽天は、順調に戦っているが、まだマー君にエンジンがかかっていない。
つまり、上位2チームにはまだ伸びしろがあると考えるのが自然であろう。
挑戦者であるオリックスは目の前の試合を戦っていくしかないが、
できればオールスター前くらいまでにさらに勝ち星を増やしておきたいところである。

ここのところずっと、
オリックスの実質的なシーズンは6月頃には終了していた。
しかし、今シーズンは9月10月まで続きそうである。
ずっと応援してきてくださったオリックスファンの方に、報いることができるだろうか。

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映画評 「キャラクター」 [映画評]

デヴィッド・フィンチャー監督の「セブン」という映画が大好きだ。
猟奇的な連続殺人を描いた映画だが、
怖がらせたり気味悪がらせたりするだけではなく、
練り上げられた台本、
隙の無い演出、
俳優陣の見事な演技、
などなどに裏打ちされた素晴らしい作品だった。

「セブン」以降、似たような作品は数多く作られたが、超える作品はないように思う。
肉薄する作品も見当たらないのではないだろうか。
多くの映画は、
犯行の意味、
犯行の可能性、
何故捕まらないのか、
何故そんなことができるのか、
といったところに穴がある。
大きな穴がある。
なぜそんな犯行をするのか、
という理由の方はそれぞれの解釈に委ねられるとしても(ほとんどの映画は「はぁ?」だが)、
物理的な可能性的に大きな疑問符が付いたり、
どうしてそんなことして捕まんないのといった素朴な疑問がドカンと浮かんだり、
知的・経済的・体力的にできっこないでしょと思えてしまったりすると、
映画にのめり込むことができない。
さらに、重要なのは悪役に奥行きがあることである。
それがないと、筋を追うだけになってしまう。

本作「キャラクター」は、よくできた面白い映画である。
いろいろな展開があって、終始集中して観ることができる。
意外な展開も満載である。
映像もしっかり作り込まれていて、
映画が好きな方が真摯に映画に向き合われていることが伝わってくる。

主役を演じる菅田将暉さんに狂気が宿るシーンはぞっとする素晴らしさだったし、
最後のシーンもタイトルとの相乗効果がありグッときた。
残酷な場面が多く、万人受けするかというとなんとも言えないが、
よくここまで描いたと感銘を受けた。

ただ、「セブン」に迫れたかというと・・・。
素朴な疑問がいくつも浮かんでしまい、
ずっぽり入り込むまでにはかなりの隔たりがあったと言わざるを得ない。
これは好みの問題なのだろうか。
若しくは、娯楽映画にそこまで求めてはいけないのだろうか。
求めてしまっただけに、ブスブスとした思いが沈殿してしまった。

監督は「帝一の國」「恋は雨上がりのように」などの永井聡さん。
ハズレなしの進撃が続いている。
脚本は、長崎尚志さん、川原杏奈さん、永井聡さんの連名。
金曜夕刊の日本経済新聞の映画批評欄に「息をもつかせない脚本が見事」と書かれていたとおり、素晴らしい仕事をされていた。
だけに、もう一押し欲しかった。
まあまあいい作品、ではなく、
年間ベストクラスの作品を期待していただけに。

主演は、今年も大忙しの菅田将暉さん。
さすがの演技で映画を引っ張る。
共演はFukaseさん。
Fukaseさんの演技がどうのではなく、なぜFukaseさんだったのだろうとは思った。

映画「キャラクター」は、しっかり作り込まれた面白い映画。
残酷なシーンが苦手な人には勧めにくいが、最後まで面白さが途切れない。
自分って誰だっけ、といった根源的な、ちょっと怖い疑問もわいてくる。
普通の期待をして観に行けば、普通に楽しめる。
過度の期待をして観に行けば、う~ん。

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映画評 「るろうに剣心 最終章 The Beginning」 [映画評]

ちょくちょく見受けられる、2本連続公開、というパターンが嫌いだ。
金儲け主義的なものが見え隠れするし、
映画なら2時間でちゃんと仕上げてよ、と思う。
しかし、嫌いだから観に行かないかというと、必ずしもそうではない。
1本目がつまらなくても、2本目が面白いという可能性もなくはないからである。
「ちはやふる」のように2本とも面白いという奇跡は滅多に起きないが。

「るろうに剣心」については、
先に完結編である「The Final」が公開されて、
のちに前日譚である「The Beginning」が公開されるという変則パターン。
「The Final」の方で、かなりネタバレしてしまっているので、
「The Beginning」は既視感満載である。
2時間の映画を観るために2時間の予告編を見てしまった感じ。

なのだが、とっ散らかってしまった「The Final」と比べると、
「The Beginning」の方が落ち着いて観られる。
佐藤健さんのアクションシーンもふんだんにあるから、そちらを観たい方への目配せも利いている。

予定調和的に映画は進み、
「The Final」での予告どおりに終了。
せっかくの人気シリーズを締めくくるには気が抜けた感じは否めないが、
娯楽作として成立はしていた。

佐藤健さんのお相手に有村架純さん。
ほぼお二人の映画である。
設定も展開も最後も、何回も見たような流れなのだが、
このお二人なら、それはそれで。
沖田総司を演じられる村上虹郎さんがカッコいい。
血を吐く設定は毎度のことだが、村上さんが演じると壮絶感が増す。

「るろうに剣心 最終章 The Beginning」は、予定調和に満ち溢れた作品。
驚きもハラハラもないが、安心して委ねられる。
大人気シリーズの完結がこれでいいのか、となると、それは微妙だが。

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新聞は高過ぎることはないと思う ~ ただし、見極めは必要 ~ [ヨモヤ]

朝日新聞社が、朝夕刊セット版の月ぎめ購読料を7月1日から363円値上げして、
税込みで4400円にすると発表した。
消費税増税時を除き、値上げは1993年12月以来、27年7カ月ぶりなのだという。

主要紙の超夕刊セットの購読料を比較すると以下のようになる。

読売新聞 4,400円
朝日新聞 4,037円
毎日新聞 4,037円
産経新聞 4,037円
日本経済新聞 4,900円

朝日新聞は4,400円にすることで読売新聞と同じ値段となる。
日本経済新聞は他紙よりかなり高めである。

朝日新聞社の発行部数は、
1993年12月時点で約820万部だったものが、2020年8月には500万部を割ったという。
部数の減少は朝日新聞に限ったものではなく、
新聞の発行部数自体が長期的な減少傾向にある。

新聞の長期低落にはいろいろな要因があるだろうが、
やはり最も大きいのはネットとの競合だろう。
ネットの方が早く、多様なニュースを得られるのだから、
新聞は取らなくてもいいや、という人が増えるのもわかる。

ネットからの情報はただであるのに対し、新聞は月4,000円超。
購読していない人は、新聞代は高いと考えているのだろう。
それもわかる。

しかし、毎日あれだけの情報を家まで届けてもらって、
4,000円が高いかどうかというとどうだろう。
私は決して高過ぎるということはないと思う。

4,000円というと、単行本3冊分くらいの値段になる。
比較してどうだろう。
もちろん、歴史に残るような名著もあるが、一般論として、
情報の質、量、バラエティなど、様々な面において、新聞のお得さがわかると思う。

もちろん、新聞には偏った内容が掲載されている恐れが多分にある。
だから、一紙の論調だけに頼るのは危険である。
かといって、複数紙を取るのも大変だろう。
そこをフォローできるのが、ネットの情報であり、テレビの解説番組である。
鵜呑みにしないことを前提に、
知識のベースとしての新聞の価値はまだまだ保たれていると思う。

ネットには、ネットにいる人の意見が書かれているから、
新聞なんか読んでも仕方がない、という声が多く見られる。
そう言いたくなる気持ちはとてもよくわかるし、
そう言わざるを得ないような報道も少なからずある。
それでも、新聞には価値があると思うのである。

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