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確定拠出年金の加入者が増える流れは止まらないだろうけれど [資産運用]

確定拠出年金の加入者が増えているそうだ。
日本経済新聞の記事によれば、
2021年3月末時点の加入者は延べ約941万人となり、
企業が運用する確定給付年金を初めて上回ったのだという。
記事は、
「運用商品は定期預金がなお多く、貯蓄から投資の流れは道半ばだ」
と述べていて、運用のされ方には疑問を呈している。

確定拠出年金と確定給付年金。
二つの言葉は、拠出と給付が違っているだけである。
つまり確定拠出年金では、拠出する額が固まっていて、
確定給付年金では、給付される額が固まっている、
ということになる。

確定拠出年金では、
拠出額が固まっていて、給付額が固まっていないので、
運用成績によっては拠出した総計よりも給付額が少なくなることがあり得る。
確定給付年金では、
給付額が固まっているので、それに見合う額になるように拠出額が増額されることがあり得る。
どちらがいいかというと一概には言えないが、
確定給付を成り立たせるのが厳しくなっていることは確かである。

別の記事では、個人型確定拠出年金であるiDeCoについて取り上げられていた。
それによると、
iDeCoの加入年代は50代が46.5%とほぼ半数を占め、
ついで40代が25.6%、60代が17.0%であるという。
若い人には縁遠い話なのだろうが、
本当は始める時期が早ければ早いほど効果が大きいのがiDeCoである。

また、iDeCoでの運用先の人気は、日本経済新聞が嘆いていたとおり、
「預貯金」であり、
3人に1人は加入している計算だという。
この低金利下では、貯金では運用が出ないだろうと思ってしまいそうだが、
iDeCoの特徴は税の優遇措置が大きいことであり、
運用益でなくても十分にそのメリットを享受できる。

これでは、貯蓄から投資への流れに向かっていないではないか、
との声が上がりそうだが、それぞれの人は資産を何とか増やそうと懸命なのであり、
国の掛け声に乗らなければならないいわれもない。

これからも、確定拠出年金の加入者が増える流れは止まらないだろう。
しかし、それがいいことなのかどうかはなんとも言えない。
自分の責任で老後の資金が貯められる、
と言えばなんとなく聞こえはいいが、
大変だと思えば、これは大変だ。
老後の資金がいつの間にか貯まっている、
という形の方が望ましいという人は少なくないだろう。

とはいえ、泣き言を言っても仕方がない。
自分に合わせた運用をしっかりするしかない。
そのためには、少しは勉強もしないと。

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