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映画評 「バイオレンスアクション」 [映画評]

去年、「ベイビーわるきゅーれ」(以下「ベビわる」)という映画が評判となった。
主役は、元女子高生で現在ニートの殺し屋コンビ。
ゆるゆるな感じと殺し屋稼業のコントラストが絶妙だった。

「バイオレンスアクション」なる映画が作られると聞いて、
「ベビわる」と被るなあと思った人は少なくないと思う。
ただし、「バイオレンスアクション」の原作は2016年から連載が始まっているので、
「ベビわる」の成功にあやかったわけでもなさそう。

「ベビわる」成功の要因は、
もちろんJKがハードな殺し屋というギャップにもあったが、
それに加えて、
スタントパフォーマーである伊澤彩織さんのアクションが素晴らしいうえに、
脚本と演出もビタっと決まっていたことにある。
決して設定だけではない。

一方、「バイオレンスアクション」は、完全に設定だけで引っ張る映画となってしまっていた。
お笑いで言う「出オチ」という奴であるが、4分の漫才ならなんとかなっても、
2時間の映画では厳しい。
この映画にリアリティを求めるのはとんでもない筋違いであることは承知しているが、
にしても、あれまあ、という展開が多かった。
ちっともハラハラできないので、盛り上がりようもない。

主演は橋本環奈さん。
説得力云々はさておき、頑張っておられたと思う。
馬場ふみかさんは「恋は光」に続いての出演。
私の愛する「殺さない彼と死なない彼女」で主要キャストを演じられた箭内夢菜さんが、ちょっとした役で出演。
もったいない。
「蜜蜂と遠雷」の鈴鹿央士くんがなかなかいい味。

瑠東東一郎さんが監督・脚本。
どうやら私とは相性がよくないらしく、
前作「劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜」もいかがなものかと思った記憶がある。

「バイオレンスアクション」は、多くの人の予想どおり残念な出来栄え。
予想どおりの残念さというのも本当に残念。

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