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映画評 「ゆとりですがなにか インターナショナル」 [映画評]

2016年に日本テレビ系列で放送された連続ドラマ「ゆとりですがなにか」の映画化。
ドラマを観ていなくても、
最初から最後までワーワーしている映画で、細部にこだわる必要もないので問題ない。
へえ、こんな人も出てたんだと思いながら観れば十分。

主要登場人物は3人で、
岡田将生さんが演じるのは家業の酒造所の跡取り息子、
松坂桃李さんが演じるのは女性経験ゼロの小学校教師、
柳楽優弥さんが演じるのは中国での事業に失敗して帰国したフリーター。
正直なところ映画は別になんということもないが、
3人の演技は実に楽しい。

岡田さんの奥さん役に安藤サクラさん。
「BAD LANDS」にはしびれたが、コミカルなこちらでも引き付けられる。
仲野太賀さん、吉田鋼太郎さんといった面々には安心して委ねられる。

監督に水田伸生さん、脚本を宮藤官九郎さん。
安定の組み合わせ。

さらに、吉岡里帆さん、島崎遥香さん、矢本悠馬さん、上白石萌歌さんなど多士済々。
にしては物足りない感もあるが、
この映画で物足りることがあるのかどうかわからない。
それを言ったら、映画館で観るべき映画かどうかも、
ううん、微妙。

作品を観るというより、
皆さんのお芝居を楽しむものと思えば、
それはそれで。

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恒例「都道府県魅力度ランキング」 ~ふうん、くらいな感じで~ [ヨモヤ]

ブランド総合研究所が、恒例の「都道府県魅力度ランキング」を発表した。
このランキングは、全国の消費者3万4117人の有効回答を得て集計したものだという。
例年物議を醸すランキングだが、これだけの母数があれば、ある程度精度の高い数字が出そうである。

今年の上位5位は以下のとおり。

1位 北海道
2位 京都府
3位 沖縄県
4位 東京都
5位 大阪府

北海道の1位は、なんと15年連続。
2位の京都府、3位の沖縄県も盤石。

一方、残念ながら下位となったのは以下の面々。

47位 茨城県
46位 佐賀県
45位 埼玉県
44位 群馬県
43位 山口県

茨城県は昨年46位。
茨城県が最下位になるのは、過去15年間で12回目だという。
おや、まあ。

下位に位置付けられた県は気分が悪いだろう。
お気持ちはお察しするが、そこまでマジに受け取るものでもないと思う。

この魅力度ランキングは、その名のとおり
「どの程度魅力的に思うか」
を調査したもの。
住んでみたいか、でもないし、
もちろん、いい悪いでもない。
性質上、
上位を占めるのは観光地と大都会であり、
そういう調査である。

茨城、佐賀、埼玉、となんだかいじられやすい県が下位に並んでいるが、
深刻に受け止める類のものではない。
「ふうん」
くらいで。
本気で落ち込んだり、
しゃかりきに反論するのは、ちょっと、どうか。
この調査を受けて、
「もっと魅力を感じてもらうにはどうしたいいだろう」
と前向きにとらえるのなら、それはそれでいいことだとは思うけれど。

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映画評 「アンダーカレント」 [映画評]

コンスタントに作品を発表される今泉力哉監督の新作。
ちなみに「アンダーカレント」には、「底流、下層流」といった物理的な意味のほか、
「根底にある抑えられた感情」といった意味もあるらしい。

恋愛映画の名手、と言われることのある今泉監督だが、
本作は恋愛映画ではない。
ミステリー的な要素も含みつつの人間ドラマである。

謎の男がふらりとやってくるところから物語が始まる。
しかし、この男だけではなく家業の銭湯を継いでいる主人公の女性にも暗い影がある。
失踪してしまった夫にももちろん影があり、
3人のアンダーカレントが徐々に明かされていく。

主人公を演じる真木よう子さん、謎の男を演じる井浦新さんともに、
抑えた演技で映画に引き込む。
困りものの夫役の永山瑛太さんがいい味。
「怪物」「福田村事件」もあり、今年は瑛太さんの年か。
探偵役のリリー・フランキーさんが、いつもながらいい。

犬を散歩するシーンがあるのだが、
犬が可愛かった。
おそらく老犬に近いのではないかと思うけれど、
飼い主を気遣うようにチラチラ見る姿が映画とマッチしていた。
偶然なのか、何度も撮り直した結果なのか、演技できる犬なのか。

本作の欠点は、ちと長いこと。
143分が退屈には感じられなかったが、あと25分短ければずっといい作品になっただろうとは思う。

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映画評 「アナログ」 ~ 俳優さんの無駄遣いが過ぎる ~ [映画評]

本作は、ビートたけしさんの恋愛小説「アナログ」を映画化したもの。
タイトルが示すとおり、携帯を持たない女性とのアナログな恋物語。
主演は二宮和也さん、ヒロインに波瑠さん。

話は、凡庸というか、平板というか。
陳腐というか、無理筋というか。
ストーリーにも、登場人物にも、惹かれるものがない。

俳優陣は豪華。
なのに持ち腐れ。
二宮さんの幼なじみ役に桐谷健太さんと浜野謙太さん。
この二人の役にも深みはないが、登場回数が多いから、まだまし。
坂井真紀さん、筒井真理子さんという演技派のお二人は、
「え、どうしてこの役」
というもったいなさ。
このお二人にあの役を、ねえ。
強烈な存在感のあるリリー・フランキーさんも、
どうしてそんな使い方になっちゃうのかしら。

とろとろと話は進み、
オチもゆるいゆるい。
脚本の港岳彦さんは、
「宮本から君へ」「MOTHER マザー」という強烈な作品もものにされている方。
本作はどうされたのだろう。
演出の問題であるにしても。

「アナログ」は、なんだか力が抜ける作品。
ゆるい。

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これがパのクライマックス ~ロッテ対ソフトバンクは歴史に残る激闘~ [ヨモヤ]

1勝1敗で迎えたパ・リーグのクライマックス・シリーズ、ファースト・ステージ第3戦。
ロッテが奇跡的な逆転劇を演じ、ファイナルステージ進出を決めた。

9回まで0-0のまま両チームが譲らない展開。
10回の表にソフトバンクが3点を取ったときには、誰もがこれで決まったと思っただろう。
1点ならわからないし、2点ならなんとかなっても、
3点となると1イニングで返すのはしんどい。
しかし、ロッテはそれをやってのけた。

今年で場内アナウンスを引退される谷保さんを日本シリーズに連れて行くということで、
選手とファンが一丸となっている感がある。
月曜日のナイター。
夜の10時をはるかに過ぎても、ロッテファンは帰らない。
いつまでも興奮は冷めなかった。

今はセ・パ両リーグで行われているクライマックス・シリーズだが、
もともとは2004年から2006年の3シーズンの間、
パ・リーグが単独で行ったプレーオフが発祥。
これの盛り上がりを見てセが追随した格好である。
そのくらい、パのポストシーズンは盛り上がる。
熱い試合が繰り広げられる。

負けたら終わりの真剣勝負。
上位チームであればあるほど負けられない気持ちが強くなり、
下位チームは負けてもともとと思い切ったプレーを展開し、
奇跡的なプレーが生まれる。
名勝負が生まれる。

ファイナルステージは、オリックス対ロッテ。
ペナント中の戦い方を見ても、
投手のローテーションを見ても、
オリックスが圧倒的に有利であることは間違いない。
しかし、勝ち負けを超えた熱い試合が見たい。
バチバチぶつかる試合が見たい。
それが見られるのが、パのクライマックスであるはずだ。

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マラソングランドチャンピオンシップに見える日本マラソンの現在地 [ヨモヤ]

上位2人が24年パリ五輪出場権を獲得するマラソングランドチャンピオンシップ行われた。
冷たい雨が降り続くあいにくのコンディションのなか、
男子では、
1位の小山直城選手2時間8分57秒と2位の赤崎暁選手2時間9分06秒の2人がパリ五輪の切符を手にした。

このレースは、
上位2位に入ればいいというものであり、記録を競う意味合いは薄い。
また、天候も相当に悪かった。
とは言うものの、
日本の一線級が集まって、
国の代表を決める大会で、
優勝タイムが2時間9分そこそこというのでは、何十年間も時が止まっている感がある。
今やマラソンの世界記録は2時間0分35秒。
今日のコンディションでも、少なくとも5分台、6分台でないと、
世界ははるか彼方である。

レース自体も、実に寂しいもの。
飛び出したのはマラソン130回目という36歳の川内優輝さん。
そしてこの飛び出しを誰も追いかけない。
川内さんは
「半分ぐらいの選手は勇気がなくて私についていくのが怖かったのだと思う」
とおっしゃったそうだが、まさにそのとおりだろう。

失礼ながら、世界と闘おうという気概がまるで感じられない。
逃げもしない、追い上げもしない、
集団の中にいて、おこぼれ的に2位以内に入れればいい、
とトップレベルにいるはずの何十人もの選手が考えているのだから。

さらに川内さんは、
「若い選手はもっと勇気を持って頑張ってほしいなと思いましたし、海外にどんどん出て、経験を積んでほしいなと思います」
と加えられたそうだが、
今日の走りの後に言われると実に説得力がある。

女子はまだレース展開に見応えはあったが、
それでも優勝タイムの2時間24分9秒はあまりにも平凡。
世界記録は2時間11分53秒だから、この格差も激しい。

かつて世界トップレベルにあった日本のマラソン陣。
どこでどう間違ったのだろう。

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「エスコンフィールドに行く」という感覚 [ヨモヤ]

エスコンフィールド北海道と周辺エリアのFビレッジを運営するファイターズスポーツ&エンターテイメントが、
開業6か月間の総括として事業報告を行った。
それによると、9月30日までの203日間の来場者は303万人。
予想営業利益はコロナ禍前の2019年から242%増の約26億円とのことである。
まずは順調なスタートを切ったと言えそうだ。

開幕当初は不安視されたプロ野球日本ハムの観客動員数も、
2023年が1試合平均26,515人
2022年が1試合平均17,937人。
及第点と言えるだろう。

新球場の開業初年度は観客動員が増えるのが自然だし、
2023年はコロナの反動もあってどの球団も観客を増やしている。
だから、2023年だけの数字をもって、エスコンフィールド大成功と決めつけるのは早計だが、
ちょっと他の球場とは違う趣を持っているように感じられる。

試合がない日は無料で入場できるのが嬉しい。
試合がない日の来場者数は平日が4,500人、休日は10,500人。
303万人のうち33%は野球観戦以外が目的で、
道外からの来場者が28%。
こうなると野球を見に行く場所ではなく、
エスコンフィールド自体が目的地になっていると言える。

エスコンフィールドに行けば、
野球ファンでなくても、気持ちの場所で美味しいものを食べることができる。
野球ファンなら、試合が無くても、あのグランドを見ているだけで幸せな気持ちになれる。

残念ながらチームの成績は最下位。
期待できる若手が何人もいるが、
FAで流出する選手がいるかもしれず、来年も厳しい戦いになるかもしれない。
しかし、たとえチームが勝てなくても、
エスコンフィールドの活気がなくなることはないように思える。
エスコンフィールド自体が人を集めるのだから。
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映画評 「白鍵と黒鍵の間に」 ~ 池松くんだから大丈夫、とも限らない ~ [映画評]

「宮本から君へ」とか「せかいのおきく」とか、
「ちょっと思い出しただけ」とか「夜空はいつでも最高密度の青色だ」とか、
池松壮亮さんが出ている映画には当たりが多い。
だから、池松さんが出ていると観に行って損はないだろうと期待する。
しかし、百発百中は難しい。

この映画、春ごろからテアトル系の映画館で映像が流れていた。
池松くんがピアノを弾き、
クリスタル・ケイさんが歌うシーン。
いかにもいい映画になりそうに思えた。
しかし、実際に観てみると、
ストーリーはわかりにくく、
そのうえわかったところでなんということもなく、
感情移入は誰にも出来ず、
見せ場もない。
94分とそれほど長くないところが最大の長所だが、
本作くらいの作品になると94分でも長い、長い。

池松さんが、1人2役。
残念ながらこのキャストは、単にややこしくするだけで、まったくうまく行っていない。
仲里依紗さん、森田剛さん、高橋和也さんが共演と来れば、
普通にやれば面白くなりそうなものだが。

映画の評価とは関係ないが、クリスタル・ケイさんの歌が聞けるのは嬉しい。

夜の銀座を舞台に、
ジャズを絡めたおしゃれな映画、
を期待していたわけでもないが、
本作のように行方不明の映画になるくらいなら、その方がよかったような気もする。

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個人所得がバブル期を上回るのはまだ全国の3割だけ [経済を眺める楽しみ]

日本経済新聞に
「個人所得、3割の自治体がバブル超え」
という記事が掲載された。
個人所得が増えていることを伝える記事であり、
2022年度の個人住民税の課税対象所得が9年連続で増加したのだという。
個人所得増加の要因としては、
賃金上昇に加えて株式や不動産の売却益も挙げられるのだそうだ。

所得が上向いているという前向きな記事なのだが、
バブル期と言えば、今から30年も昔の話。
その頃の所得を超える自治体が3割しかないということに、今さらながら驚いた。

日本以外のほとんどの国は、所得が前年を下回ること自体が滅多にないので、
30年前と比べると所得は大幅に伸びている。
日本の沈滞が数字的に裏付けられている格好である。

ちなみに、都道府県別で1992年と比較した上昇率トップ3は以下のとおりである。
1位 山形県
2位 秋田県
3位 島根県

山形県には、道路網の整備などで工場進出や特産の農産物の高付加価値化が進んだという理由があるそうだし、
秋田県や島根県にもそれぞれ何かあるのだろうが、
都市部と比べて発射台が低いということも否めないと思う。
バブルの頃にもそれほど潤っていたわけでもないので、
落ち込みが小さい分、過去の数字を上回りやすいという面があると想像される。

個人所得が伸び悩んでいても世帯所得が増えているというのなら救いもあるが、
世帯所得も平成6年がピークとなっている。

所得が伸びてこなかったことはデフレの影響も大きい。
ここ2年でインフレの傾向が強まってきているが、
この状況で所得が伸びなければ事態は一層深刻になる。

デフレを脱して成長軌道に乗るのか、
物価だけが上がって所得が追い付かないのか、
所得に関するニュースには、これまで以上に注目していく必要がある。

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プロ野球選手のヒーローインタビューはなんとかならないか [ヨモヤ]

勝ったチームにのみ許されるヒーローインタビュー。
球場に足を運んだ方は、その日のヒーローのコメントを楽しみにされていることだろう。
どんな思いで打席に入ったのか、
あの一球にはどんな意味があったのか、
ファンにどんなことを伝えたいか、
これからのペナントレース、どんな気持ちで戦っていくか、
などなど。

しかし、多くの選手のコメントは、
「最高で~す」。
なんじゃそりゃ。

先日、NHK「サンデースポーツ」で、
阪神・岡田彰布監督が、佐藤輝明内野手にヒーローインタビューの答え方を指導していたことを話された。
岡田監督は
「ファンはどんな感じで打ったのかを聞きたいはずなんでね。
最高ですで済ますな。ちゃんと説明しろとは言うたんですよ」
と伝えられたらしい。

まさにそのとおり。
お客さんは、
早く帰らないと電車が混むのに、
早く帰らないと明日の仕事に差し支えるのに、
ヒーローインタビューを楽しみに待ってくださっている。
それを
「最高で~す」
では浮かばれない。

ヒーローインタビューに呼ばれたらなんと言おうか、
とか事前に考えておいてほしい。
若しくは、たどたどしくていいから、自分の言葉で伝えてほしい。
若しくは、羽目を外した大喜びでもいい。

また来たい、また来ようと思ってもらえるためにも、
ヒーローインタビューの受け答えは大切。
楽しみにしている人が大勢いることを是非忘れないでほしい。

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