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日本企業過去最高益の先 [経済を眺める楽しみ]

東証に上場する企業の2018年9月中間決算発表がピークを迎えている。
テレビでも新聞でもあまり景気のいい話は聞かないが、
日本の上場企業は過去最高益を更新しそうである。
過去最高、というくらいだから、バブル期をも上回る利益を上げているということになる。
どうしてもケチをつけたい人たちもいるから、こうした話も、
「一部の大企業に限った話」
「従業員への還元は後回し」
などと評されたりするのだろうが、本来目出度い話であり、とりあえず喜べばいいと思う。

利益拡大の要因としては、
・世界的な景気拡大
・円安
といった外的要素が挙げられがちだが、
ソニーのように稼ぐ力を挽回したケースもあり、個々の企業の頑張りももちろん見逃せない。

ただし、今後のこととなると、慎重な見方をする企業が多いようだ。
中間決算時に、
通期の最終利益予想を下方修正した企業は176社であり、
上方修正の企業数163社を上回った。
下方修正はあまりやりたがらない企業が多いから、この数字はそれなりに重く受け止めるべきなのかもしれない。
先行きが不透明になっている要因の一つは、もちろん米中貿易戦争なのだが、これは不確定要素の最たるものであり、どうなるのか全く予断を許さない。

それでも、近年は企業の体力がついてきているから、円高方向に大きくぶれない限り、利益の拡大基調は変わらないと見たい。
米中のいさかいは気になるが、とことんまで喧嘩するとは思えないから、どこかで落としどころを見つけるだろう。
内需については、賃金が徐々に上がってきていること、失業率は長期的に低下傾向にあることから、しっかりとした基調に転換してくるのではないだろうか。

問題は消費税増税で、これがなされると、景気に大きなブレが生じる。
来年10月までは駆け込み需要で経済指標は上振れするだろうが、
10月以降は反動減が見られると予想されるからである。
今回は、今までの反省をもとに大規模な需要喚起策を打つようだが、過去を振り返ると、あまりうまくいくような気はしない。
しかし、政策は政策として受け止めつつ、企業はしたたかに対応されるのではないか。

過去最高益は目出度いことだが、本来企業は年々成長することを期待されている。
成長して当然、とも言える。
個々の企業の出来不出来はあっても、日本企業全体とすると、これから先も最高益を更新し続けるような、そんなある意味当たり前の経済にしていきたいものである。

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