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チョコフレークの生産終了は残念だが淘汰は自然 [ヨモヤ]

子供の頃、近所にタバコ屋さんがあった。
小さなお店だったが、タバコのほかに、ちょっとだけお菓子を売っていた。
私の好物はチョコフレーク。
タバコ屋さんの乏しい品ぞろえの中にも、しっかり位置を占めていた。
そんなにしょっちゅう買ってもらうわけにはいかなかったので、食べられるときには大切にひとかけらずつ食べた。
本当は、一気に口の中に流し込んだ方がおいしいのかもしれないが、それはもったいなくてできなかった。

おいしさ抜群のチョコフレークの弱点は、溶けやすいこと。
そのタバコ屋さんには西日ががっつり差し込む季節があり、シェードを引き忘れたと思しき日の翌日に買うと、溶けて固まって、一塊になっていたりした。

その思い出深いチョコフレークの生産が、来年6月で終了になるそうだ。
もう何年も食べたことがないが、なくなるのはなんだか寂しい。
昭和42年の発売とのことで、約50年の歴史を刻んできた。
いろいろなCMも思い出される。

生産中止の原因はもちろん販売不振だが、その理由は、
・チョコレート菓子の多様化
・グミやタブレットなどライバル商品の台頭
・スマートフォンの普及で「手がべたつく」と嫌われた
などが挙げられていた。
ライバル商品との競争に負けたというのならともかく、スマホを使う人に敬遠されたのが生産終了の原因とされているところが、いかにも時代である。

しかし、まあ、仕方がない。
時代に合わなくなった食べ物が淘汰されていくのは、ある意味正常なことだと思う。
寂しくはあるが、新陳代謝がなければ、新しい芽も出て来にくくなってしまう。

私は、日本のお菓子は世界一だと思っている。
日本のお菓子の中には、
古くから愛される渋い品があり、新しいヒット作があり、地道に売れ続けるものもあり。
そして、油断していると、あっという間に淘汰されてしまう。
健全であり、その健全が強さを生んでいるように思う。
厳しいがそれでいい。
お菓子の多様性はそれで守られている。
昔からあるお菓子を断固守ろうとしたら、きっとおいしくなくなる。

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