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書評 「映像編集者のリアル」 [読書記録]

映画は監督のものだと思う。
いい映画になるも、ダメダメな映画になるも、監督の責任だ。

次に大切なのは、脚本か。
どんなに監督が頑張っても、どうにもならない本から傑作が生まれることはないだろう。

音楽も映画を構成する大切な要素だ。
どんな音が鳴っているかによって、映画の印象が大きく変わる。

私にはよくわからないが、誰が撮影するかというのも大事なのだそうだ。
その他、アカデミー賞の部門には、照明、美術、録音といったものもあり、それぞれのプロがいるのだなあと改め思う。

この本を読むまで、あまり「編集」という仕事に思いを馳せなかった。
しかし、落ち着いて考えてみれば、最終的に素材をつなぎ合わせる作業が重要でないわけがない。
というか、監督と二人三脚でやらなければそもそも作品が仕上がるまい。
編集は、映画のアンカーマンとでも言うべき超重要ポストと知った。

本書では、映像編集者7人のインタビューが掲載されている。
例えば、
『バクマン。』を編集された大関泰幸さん、
『シン・ゴジラ』の佐藤敦紀さん、
『桐島、部活やめるってよ』の日下部元孝さん、
『ちはやふる』の穗垣順之助さん、
といった面々である。
それぞれの映画を思い出し、この人がこんな気持ちでつないでいたのかと思うと、なにやら感慨深い。
編集作業がなければ映画は出来上がらないし、
いい編集をしなければいい映画が出来上がらない。
当たり前のことだが、しみじみそう思った。

「ゾンビ」を観て映画を志したという人が複数いて興味深かった。
きっと「桐島」や「ちはやふる」を観て映画を志す人もいるだろう。
そうやって、映画が受け継がれていく。

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