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埋もれさせてしまうには惜しい映画「響-HIBIKI-」 [映画評]

「スマホを落としただけなのに」というホラー映画が公開された。
「リング」の中田秀夫監督のメガホンであることが注目されたのか、
内容が時代に合っているからなのか、
かなり好調な出足のようだ。
『映画.com』というサイトでは毎週、前週の興行成績をランキングで紹介しているのだが、そのなかで以下のような紹介があった。
“2位には「スマホを落としただけなのに」が初登場。(中略)この成績は、昨年12月に公開され、最終興収約8億円を記録した北川出演「探偵はBARにいる3」の興収比157%。今年9月に公開された北川出演「響 HIBIKI」の興収比209.5%。公開3日間では動員22万人、興収3億円を突破しており、まずは興収10億円以上が見込める出足となっている。”

ふむ。
北川景子さん出演ということで、「響-HIBIKI-」が引き合いに出されているのだが、これを読む限りあまりヒットしなかったようだ。
人気絶頂とも言うべき「欅坂46」の平手友梨奈さんが主演したのに。

しかし、映画「響-HIBIKI-」は、
「欅坂も映画となるとさっぱりだな」
「演技もどうだったのかね」
などと、映画を観ないで、興行成績だけで判断するには、実に惜しい映画であった。
掘り出し物と言えるような作品だった。

漫画原作にありがちな傾向として、設定も登場人物の行動も突飛であり、
現実感は乏しい。
だが、それを補って余りある爽快感、疾走感があった。
「ロックだねえ」
とつぶやきたくなるような高揚感があった。

妙な話だが、ほとんどの映画は、始まったら早く終わってほしいと願う。
しかし、「響-HIBIKI-」は、もっともっと続いてほしいと思った。

余韻の残る終わり方だったし、登場人物との絡みもこれから深くなりそうなので、続編が作られる可能はないとは言えない。
ただ、あまりヒットしなかったようなので、営業的に見送られるかもしれない。
ならばなおさら、劇場で観ておくことをお勧めしたい。
是非、ビデオではなく劇場で。
「響-HIBIKI-」は、今年の大穴作品だった。

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