SSブログ

ウォール・ストリート・ジャーナルさん 足元をご覧ください  ~ 日本を皮肉れるお国柄? ~ [ヨモヤ]

「うちの亭主はほんどにダメでねえ」
というのはなんでもないが、
「お宅の旦那さんにも困りものですわよね」
などと人様から言われると、カチンとくる。
そういうものだ。

さて、アメリカの経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者の逮捕に関し、日本の司法制度のあり方や、逮捕に至るまでの日産の対応に疑問を呈しているという。
ふむ。
確かにまあ、なんとなく違和感を覚えないではない。
しかし、
ゴーン氏の勾留について、
「共産主義の中国の出来事か? いや、資本主義の日本だ」
と皮肉られたとなると、ちとカチンとくる。

それでは、ウォール・ストリート・ジャーナルさん、以下のような行動をされている国がもしもあったらどう思いますか。
・イスラム教徒の入国制限
・国境に壁を建設
・大統領の気に入らない記者を締め出し
・パリ協定からの勝手な離脱
・距離核戦力(INF)全廃条約を一方的に破棄
・長い交渉の末に結実したTPPからの離脱
・一方的な関税の引き上げ
・大統領が中央銀行の政策を「狂った」と批判

こうして並べて見ると、
「共産主義の中国の出来事か?」
の皮肉くらいでは済むまい。
そんな国はあり得ないのではないか、と思えるくらいだ。

長い時間をかけて、国民みんなで選んだのだから、
「大統領一人が悪い」、
とは言えないだろう。
ウォール・ストリート・ジャーナルさん、いかがでしょう?

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「ハード・コア」 [映画評]

本作は、狩撫麻礼さんといましろたかしさんによるコミック「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」を映画化したもの。
このところ、人気少女漫画の映画化が続いているが、本作はそうした系譜とは全く違う。
ゴリゴリの映画である。

さて、ハード・コアというとどんなことを思い出すだろう。
私に限らず、一定年齢以上の人は、「過激なポルノのこと」と一直線に結びつけるのではないだろうか。
今やネットの普及もあり、なんでもありな感じだが、70年代、80年代くらいまでのポルノ界隈には、ここまでならやっていい、これを超えたらアウト、という線引きが微妙にあった。
ハード・コアは、その線をぐいと超えてくるイメージであった。
一方、ハード・コアには道路の「底石」という意味もあり、そこから底辺にいる人のことを示したりもするようだ。
その解釈は映画の内容とも合致する。

監督は、山下敦弘さん。
「リンダ・リンダ・リンダ」で一躍その名を知られるようになったが、売れる映画を作る気はあまりなさそうに見える。
作りたい映画を、共感できる俳優と組んで撮る監督という感じだろうか。
2016年に観た「オーバー・フェンス」という映画も、ヒットしそうな感は全くしなかったが、心に刺さる作品だった。

主演の山田孝之さんがプロデュースも務める。
山下さんと山田さんが組んだ以上、平穏無事な映画になるはずはない。
この映画も、初っ端からぶっ飛ばしていく。
ハード・コアらしくエロいシーンもある。
暴力シーンは控えめ。

共演は、山田さんの弟役に佐藤健さん、友人役に荒川良々さん。
お二人ともさすがの演技をされていた。

おそらく、はまる人にははまる映画なのだろう。
日経の映画評では、「今年有数の傑作」を示す★5つを獲得していた。
コアな映画ファンにも支持されそうな気がする。
しかし、私にはピンと来なかった。
どこが、というより、全編で胸に届かなかった。

野心作であることに間違いはなく、
実験的でもある。
そういう作品は好きだ。
しかし、ワザとであるにしても設定を含めた作りは雑。
オチも決まったとは言い難い。

「ハード・コア」は、映画ファンなら観た方がいい作品なのだろう。
山下×山田のコンビなのだから。
通りすがりの人は、覚悟を決めてご入場あれ。
ひょっとしたらピタッとくるかもしれないが、
とことん逆に出る可能性もある。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

外れると知っていて今年も「M-1グランプリ2018」を予想する [ヨモヤ]

我ながら、M-1グランプリ2016の予想は見事だった。
私の印は、
◎ 敗者復活枠からの和牛
〇 スーパーマラドーナ
▲ さらば青春の光
であり、優勝の「銀シャリ」を外しているのはいただけないにしても、「和牛」「スーパーマラドーナ」が最終決戦に進んだから、かなりいい線を行っていたと言っていいと思う。

調子に乗った2017の予想は、
◎ジャルジャル
〇ランジャタイ
▲和牛
△三四郎
であり、敗者復活で落ちた「ランジャタイ」「三四郎」に印を回してしまった。
ジャルジャルは素晴らしかったが、最終決戦には進めず、予想のトータルとしては情けない。
ランジャタイって・・・

漫才は水物であり、その日の出来や会場のムードに大きく左右される。
また、審査員の好みもある。
だから、予想しても当たりっこないとは思うのだが、それでも今年もやってみよう。
一年一度のお祭りだから、始まる前から楽しまないと。

決勝進出は、以下の9組プラス敗者復活枠
和牛
スーパーマラドーナ
かまいたち
ジャルジャル
ゆにばーす
ギャロップ
霜降り明星
トム・ブラウン
見取り図

ギャロップ以下が初登場組だが、予選のネタを見る限りどうにもピンと来ない。
それなら、ツワモノが揃っている敗者復活枠の方が強力に映る。

優勝候補は、断然「和牛」だろうが、2016年の最終決戦のネタが歴史に残る傑作で、あれで優勝できないのはM-1に縁がないのだと思う。
「スーパーマラドーナ」は、いつでも優勝できる力がある。
「かまいたち」は達者だが、漫才での爆発力はどうか。
「ジャルジャル」の『競技漫才』が私は好き。
「ゆにばーす」はキワモノ扱いだが、ネタもしっかりしていて要注意。しかし、審査員ウケがどうか。

悩むが、ラストイヤーは大きな加点要素なのでそれを考慮し、スーパーマラドーナに重い印を。
なんだかんだで和牛は最終決戦には残るだろう。
というわけで、以下のように予想した。
◎スーパーマラドーナ
〇さらば青春の光(敗者復活枠)
▲和牛
△ジャルジャル

M-1で優勝すれば、例外なく売れると思っていたが、その流れを「とろサーモン」が止めつつある。
しかしまあ、それはそれとして、M-1には夢がある。
売れる、
金がもらえる、
ということもさることながら、「日本一の漫才師」という称号は、とんでもなく魅力的である。
今年も、世界で一番素敵な夜になることを願っている。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

書評 「不死身の特攻隊」 [読書記録]

学生の頃、鴻上尚史さんがパーソナリティを務めていた「オールナイトニッポン」をよく聴いていた。
1部に移動してから、「10回クイズちがうね」や「どっちを選ぶ 究極の選択」などといったコーナーが評判となったが、私が聴いていたのは2部の時代。
2部は深夜3時からだから、今思うとよく起きていたなあと思うが、それでも聴いていたのは当然ながら面白かったからである。

番組では、当時まだ無名だった鴻上さんが、若気の至りでいろいろやらかしていた。
放送終了後の午前6時頃から日比谷公園でジェンカを踊る、といった無駄な企画や、
リスナーからの投稿で作られる「裏コピーコーナー」などは、えらく楽しかった。
おちゃらけていた鴻上さんが、当時グイグイ来ていた映画監督の森田芳光さんとマジの対談をしたときは、いい意味で本性が見えた気がした。

その後鴻上さんはどんどんメディアに取り上げられるようになり、文化人のような扱いをされるようになった。
しかし、私の中の鴻上さんは、オールナイトニッポン第2部のパーソナリティだったイメージが強く、その鴻上さんが特攻隊のことをどういった切り口で書かれているのか気になった。
独自の視点があるのだろうと期待した。

この本「不死身の特攻兵」を読んで、感動される方もおられるだろうし、
「読んでよかった」と思われる方もおられるだろう。
実際、よく売れたようだ。
しかし、鴻上さんならではの見方を提示されているのではないか、との私の期待は空振りだった。

それなりのボリュームがある本なのに、内容は、
「特攻隊はやっちゃダメな作戦だった」
「そんな作戦をやっちゃう日本はダメな国だった」
ということに尽きるからである。
ふぅ。

そのうえで鴻上さんは、同じ轍を繰り返そうとしているといった警告を発せられている。
はっきりは書かないまでも、政権批判なのはすぐにわかる。
よくあるやつだ。
そこら中にあるやつだ。
それが悪いとは言わない。
しかし、あの鴻上さんが。

しまいには、精神論が横行していると夏の甲子園までやり玉に。
あのキレキレだった鴻上さんが・・・。

書かれていることは、まあ、正論なのだろうと思う。
正しいことなのだろうとも思う。
正直なところ、この本を読んで私はとてもがっかりしたが、それも勝手に鴻上さんに多大な期待をしたのが悪かったのである。
私はこの本の読者としてはふさわしくなかったのだろう。
悪いのは私の方である。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

第四回ところざわ学生映画祭の感想 ~ 今年もワクワクドキドキ ~ [映画評]

今年で四回目となる「ところざわ学生映画祭」が開催された。
過去三回はコンペティション形式で、当日に優秀作が発表されたが、今回は上映会方式。
しかし、形式は違っても、学生が作った映画が上映されることには変わりがない。
コンペ方式だったら上映されたかどうか首をかしげてしまうような作品もあったが、そうしたものも含めて見せてしまおうというのが、今回の意図だと思う。

上映されたのは、以下の10作品
「お待たせセバスチャン」
「青曜日」
「AME」
「車輪」
「I wish」
「ユキジの国のアリサ」
「それでも踊る」
「おるすばんの味。」
「ケータイの中の山田」
「向こうの家」

全部について評を書くのは、いろいろな意味でちとしんどいので、いくつかピックアップして感想を書いてみたい。

「お待たせセバスチャン」
映画祭の開幕を飾ったのは、学生映画らしい突き抜けた一作。
広く言えばコメディなのだろうか。
しかし、ジャンル分けなど無意味に思えるぶっ飛び方。
奇妙な服装で奇天烈な動きをし、意味不明かつ純真無垢な行動をするシゲオのキャラクターがいい。
思い切り恥ずかしい役柄なのだが、しっかり演じ切っているから、見ている側が苦笑いにならない。
一番最後のシーンの飛び跳ねている映像も、バッチリ決まった。
もし直そうと思ったら直すところが多過ぎるだろう。
だったら、いっそこのまま直したくない感じ。
「ひどいなあ」
と思う人も少なくないだろうが、私はこの作品が好きである。
監督の小島翔さんは、何者だろう。

「ユキジの国のアリサ」
今回の映画祭で、最も衝撃を受けた作品がこれ。
78分間という学生映画としてはかなりの長尺にもかかわらず、ずっと面白さが続いた。
そして、観終わった瞬間「イエーッ!」と叫びたくなった。
いいものに出会えた喜びが湧いた。
映画に対する愛が底辺に流れているところ、波状攻撃のように様々な展開がやって来るところなど、今年大評判となった「カメラを止めるな!」を思い起こす人も少なくないと思う。
そういえば、本作にもゾンビシーンがある。
映画の世界に入り込んでしまう、という設定は決して目新しいものではないが、登場人物が俳優となって演じるというのが愉快。
最近はやりのキラキラ系恋愛映画への当てこすりも、嫌味でない感じで効いている。
設定がかなり突飛であり、いろいろな映画を渡り歩きつつ、現実の世界も進行させていくというややこしいストーリーを成立させた脚本と演出はお見事。
主演のお二人の演技も素晴らしかった。
特に映画全体を引っ張る女優さんの演技には引き付けられた。
(調べたら阪上仁美さんという方で、現在タレントとして活動されているようだ。また、なにかの作品でお会いしたい)
監督は山口十夢さん。
ここまで面白い映画を作れる方はそうおられないだろう。
ほかの作品も是非観てみたい。
(と思ってなんとなく去年の映画祭を振り返っていたら、この方「鈴木ファイターズ」の監督さんだ。こっちも幸せな作品だった)

「それでも踊る」
この映画の監督は、神山大世さん。
ところざわ学生映画祭では、高校の頃に撮った「瞳の中の記憶」という作品で、準グランプリを受賞されている。
この作品があまり素晴らしかったものだから、その後の作品を観る時にどうしてもハードルが上がってしまう。
第3回の映画祭で上映された「君が笑ってくれるなら」も秀作だったが、神山監督への期待度からすれば、もっと行けたのではと思ってしまった。
今回の「それでも踊る」は、7分の短編なのでこれらの作品と比較することはできないが、それでもやはり思ってしまう。
神山監督ならもっと行けるのではないかと。
勝手に期待されるのは迷惑かもしれないが、期待される喜びも感じつつ、さらなる高みを目指してほしい。

「ケータイの中の山田」
本作を監督した松尾豪さんは、
第1回大会で準グランプリ & 観客賞
第2回大会でもLet’s シネパーク映画賞 & 観客賞
を受賞している。
ミスターところざわ学生映画祭と呼んでもいいだろう。
作品としての評価が高い上に、お客さんにも喜ばれるのが素晴らしい。
本作も、34分間の中に、
登場人物の設定がキチンとなされ、
起承転結がしっかりあり、
いろいろな伏線がオチに向かって集約される。
気持ちのいい作品。
松尾監督の映画が、さらに多くの人に観てもらえるようになる日を楽しみに待ちたい。

「向こうの家」
本作は、渋谷のユーロスペースで公開された経緯があり、脇役としてでんでんさんが出演されているなど、一般的な学生映画の基準からはかなりはみ出している。
だから、評もちょっとシビア目で行きたい。

映像は実に美しい。
単に景色がいいというのではなく、画面の隅々にまで気持ちが行き届いている感じが伝わる。
映画の大事な要素だと思う。
主要登場人物は、いずれも難しい役どころだが、みなしっかり演じられていた。
これは役者さんに力があることが前提ではあるが、監督のしっかりした演技指導のたまものであろう。
最初から最後まで破綻なく映画は進む。
当たり前のようだがこれはなかなか大変なことで、メジャー公開されている作品も含め、多くの映画はどこかで破綻を来たしてしまうから、本作のようにしっかり撮り切れているのは素晴らしいことである。
しかし、である。(ここからがちょっとシビア目)
設定も展開も、どこか既視感がある。
完成度の高い作品で、非の打ちどころがないようでいて、これを撮らなければならなかった、という必然性が今一つ伝わってこない。
メジャー作品にはそんなものは求めないが、若者が作る作品には、どうしてもこれを撮りたかったという思いがあってほしい。
この日上映された映画の中では、「お待たせセバスチャン」や「ユキジの国のアリサ」にそうした熱情を感じた。
監督の西川達郎さんと脚本の川原杏奈さんは、これからも素敵な作品をどんどん作られることだろう。
胸をわっしとつかまれる作品を待っている。

観る前は、
「10本観るのしんどいだろうな」
と思っていたのだが、あっという間に時が過ぎた。
いいものも、正直「あれっ」というものもあったが、何かを作りたい、何かを伝えたい、という思いを共有できる空間はやはり心地よかった。
主催者の方々、運営に携わられた方々に、心からの感謝と敬意を申し上げたい。
第五回、第六回とさらに盛会となることをお祈りしています。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

冬場はコツコツ筋トレ [55歳125キロプロジェクト]

2020年は東京オリパラ。
その記念すべき年に向けて、私も勝手に個人的プロジェクトを進めている。
名付けて、
「55歳過ぎの腰痛持ちが、125キロの速球(?)を投げるプロジェクト」。

「50歳過ぎの腰痛持ちが、120キロの速球(?)を投げるプロジェクト」の成功と
「利き腕じゃない方で110キロプロジェクト」の失敗に続く第3弾。
性懲りなし。

スケジュールとしては、
2018年冬は、筋トレに専念。
2019年春からボールを投げ始め、115キロを目途に2019年シーズンは終了。
2019年の再び冬は筋トレを行い、
2020年の10月に125キロまで伸ばす算段である。
50歳を過ぎて、体力を維持するだけでも大変なのに、今さら球速を上げていこうとする無茶な計画だけに、じっくり取り組みたい。
筋力アップは必須だが、焦って再びの腰痛はできれば避けたい。
(とはいっても、おそらく2020年までに複数回の腰痛に見舞われると覚悟はしている)

筋力アップといっても、振動が腰痛を連れてくるので、走ったりはできない。
腹筋運動も、柔軟体操も、情けないことにNGである。
そこでできることは、腕・肩、胸筋、背筋の強化ということになる。
イマイチやり方がわからないが、インナーマッスルも鍛えていきたい。
こんな道具でも使いながら。
DSC_0408.jpg

筋トレをしても、
これまでに上がらなかった重いものが上がるようになるわけではないし、
何かのタイムが縮まるわけでもない。
体重を減らすことが目的でもない。
それだけに続けるのがしんどくなるが、125kmを投げるというか、
125kmに耐えられる身体を作るためには、長期的にコツコツ積み上げていく必要がある。

来年の春、再びボールを握るまで、毎日毎日少しずつ。
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

きっと何かが見つかる 「第四回ところざわ学生映画祭」  ~11月25日 西武所沢店8階ワルツホールにて ~ [映画評]

この頃私が観る映画は、ほとんど日本映画である。

多くの日本映画は、
低予算で作られていて、
似たような企画、似たような展開にあふれていて、
特定の役者さんに仕事が集中している。
つづめて言えば、日本映画はハズレが多い、ということになる。
それがわかっていても、私は日本映画が観たい。

根本的には、単純に日本映画が好きだからではあるが、
それに加えて、
同じ時代に生きている日本人が、どんな感性でどんなことを伝えたいと思っているのか、
同じ時代にどんな才能が出てくるのか、
それを感じたいと思うからである。
そこに立ち会いたいと願うからである。
確率は低いが、
「カメラを止めるな!」
「この世界の片隅に」
「夜空はいつでも最高密度の青色だ」
といった映画に巡り会うこともある。
出会えたときの喜びは、何ものにも代えがたい。

そしてもう一つ、私が日本映画を多く観るようになった理由が、「ところざわ学生映画祭」である。
学生の作る映画は、
独りよがりであることが多く、
性急で、
失礼ながら、稚拙な作品も少なくない。
お金を取って広く展開するのには無理があると思える映画がほとんどである。
しかしその一方で、
「何かを伝えたい」
「何かをしでかしたい」
「こいつでどうだ」
という熱量を感じる。

これを受け止めるためには、こちらにもトレーニングがいる。
受け止めて、押し返すために、基礎体力を高める必要を感じる。
そのトレーニングには、映画を観ることが一番だが、
世界展開を視野に入れて、金をかけ、時間をかけ、練りに練った末に出来上がるハリウッド作品はそれには適さない。
厳しい状況の中、一発逆転を狙って作られる日本映画の方が、トレーニングにはふさわしい。

「ところざわ学生映画祭」は、今年で4回目を迎える。
今回は、コンペティション方式ではなく、実行委員会が「見せたい」と思う映画を上映する形式のようだ。
そのため、作品の長さに大きな差がある。
ジャンルもバラエティに富んでいる。
どんな出会いがあるのか、とても楽しみである。

そしてこの映画祭は、自分のトレーニングの成果を試す場でもある。
学生たちのフルスイングをしっかり受け止めたい。

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

FA移籍は胸を張って 浅村は楽天へ ~ ファンも恨みっこなしで ~ [ヨモヤ]

フリーエージェントとなっていた西武の浅村が、楽天入りを決めた。
プロ入り後10年目となる浅村の今季の成績は、
打率3割1分、
ホームラン32本、
打点127
という堂々たるもの。
打率はリーグ5位、ホームランはリーグ3位、そして二度目の打点王。
セカンドを守ってこの成績は、まさにMVP級と言える。

浅村に関しては、2010年のクライマックスシリーズで初めて見て、その思い切りのよさ、スイングの力強さに驚いた記憶がある。
そのときの感想についてはブログにも書いたので、個人的な思い入れも浅くない。
できれば、西武でまっとうしてもらいたかった気持ちもある。
※2010年10月に書いたブログはこちら
「西武は残念&浅村の今後に注目」
https://matoko.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10-2

とは言うものの、FAは正当な権利である。
楽天入りについて「デキレース」という声が上がったり、
オリックスと面会しなかったことについていろいろ言われていたりもするが、
どんな判断をするのかは、浅村の考え次第である。
周りがとやかく言うことでもない。

西武ファンの残念な気持ちもわかるが、ここは気持ちよく送り出したいものである。
10年ぶりの優勝に導いてくれた大功労者でもある。
石もて追うのではなく、感謝の気持ちで見送ろう。

来シーズンが始まって、所沢に来たら、ある種の礼儀のような形でのブーイングはありだと思うが、
是非、愛を持ってブーと言って欲しい。
憎しみのこもったブーイングは、野球ファンとして悲しくなる。

浅村が抜けるのはそれは痛いが、
秋山、源田、外崎、森、山川、栗山、中村、金子
と並ぶ布陣は依然として強力である。
パ・リーグファンとしては、楽天に入った方が戦力の均衡の意味では好ましくも思う。

岸が先発し、浅村が中軸を打つ楽天は、西武ファンとしては苦々しいかもしれない。
しかし、応援しているチームから巣立った仲間である。
恨みっこなしで、勝負を楽しもう。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「人魚の眠る家」 [映画評]

堤幸彦さんは、多作な映画監督である。
2008年からの10年間で、20本以上の映画を撮っている。
超大作や歴史的傑作を作るというより、佳作を次々に出すイメージだろうか。
私は、「BECK」が大好きなので、全作品を観るまでの覚悟はしていないが、感謝の気持ちを忘れずについていく所存である。

堤監督のヒューマンドラマというとアルツハイマーを扱った「明日の記憶」が思い出されるが、本作は「死」がテーマであるだけに一層重い。
しかも、小さな子供の死であるだけに、子や孫を持つ世代には直接的に響くだろう。

映画は、終始暗いトーンで進む。
テーマがテーマであるだけに仕方がない。
夫婦の感情のもつれなども描かれるが、そこは大して突っ込まれない。
若い男女の恋愛も挟まれるが、そこも掘り下げられはしない。
あくまでもテーマは死。
ただ、もう少ししっかりドラマを描いてほしい気はした。

と言っても、メジャー公開される娯楽作であるので、哲学的な問いがなされるわけではない。
薄いと言えば薄いが、あまりややこしくされても観る方がついていけないだろう。
脳死ということについて考えたことがなかった人や、
臓器移植について聞いたことがなかったという人には、
一つのきっかけにはなるのかもしれない。

泣かせどころもあるのだが、子供の死が扱われているのだから、そりゃそういうシーンもあるだろう。
私の涙腺もゆるんだが、
感動のあまり泣く、
というより、泣かせるシーンだから泣く、といった体。
通り過ぎたら、「あれ、なんだっけ?」という感じ。

夫婦役に、篠原涼子さんと西島秀俊さん。
いつものどおりのお二人である。
川栄李奈さんが脇をしっかり固めている。
松坂慶子さんは、どの映画でもなんだかコミカルになってしまう。
大人以上に、3人の子役がよかった。

「人魚の眠る家」は、死生観に迫る社会派映画。
自分だったらどうだろう、と置き換えてみる人も少なくないだろう。
それでいて、きちんと娯楽作として仕上げているのは、さすがに堤監督。
ただし、ドンと来る深みまでは至らない。
それも堤監督と言えばそうだが。
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

ゴーン氏逮捕 真相は不明だがここに来ての掌返しは美しくない [ヨモヤ]

スマホに飛び込んできたニュース速報を見て、頭の中に?マークがいくつも浮かんだ。
「ゴーンさんが逮捕?何それ?」
変な表現だし、全くそんな心当たりはないのだが、
自分が逮捕されるのと同じくらいに意表だった。

「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」
という言葉がある。
はじめは真摯に日産を救いたいと思っていたゴーンさんが、すべての権力を手にし、周りがみな従うという時間を過ごしていくうちに、自らを見失ってしまったのだろうか?
ただし、現段階で容疑とされている内容には、今一つ腑に落ちないところもあり、これからのそれを伝える報道を待ちたい。

ここまでの展開で
「嫌だな」
と思うのは、ゴーンさんに対する見事なまでの掌返しである。
報道を見ると、
日産の社員が
「検査不正のときにも人のせいにしていて、どこの会社の人間かと思った」
とのコメントを出していたり、
閉鎖された工場の近くの住民の
「身勝手で人情がない人だと思っていた」
との言葉を掲載していたりする。
いずれも逮捕された事案とは直接関係がないうえに、
今に始まった話ではない。
単に、人格を貶めるためのものである。

堕ちた偶像は叩きやすいものだが、なにもかも悪かったように伝えるのはどうだろう?
突然のニュースであり、とりあえず印象での報道に流れやすいのもわからないでもないが、あっという間の掌返しは美しくない。
それまでずっと追っていたのならともかく。

今は、真相究明を待つとともに、ゴーンさん自身の言葉が聞きたい。
逆境に陥った日産社員の頑張りも応援したい。
車を買う予定はないけれど。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事