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日本経済新聞特集 「衰える地方」に思う その3 [ヨモヤ]

日本経済新聞朝刊の一面に連載された「衰える地方 色あせた平成の分権」の3日目。
(下)となっていて、今回が最終回。
「消えた『カリスマ知事』」
との見出しで、知事が国との対決姿勢を無くしたことが書かれていた。

主な内容は、
「人口減少により地方は財源面で国への依存を高め、知事に国とのパイプを求めている」
「その象徴が官僚OB知事の多さで、約6割を占める」
「国に楯突く首長は影を潜めた」
「大阪だけは、候補者個人より維新という政党に投票している」
「政策本位で地域の代表が選ばれるためには、地方議会の選挙制度を見直すのも一つの手段」
「そうして選ばれたリーダーがいる自治体こそが、令和の時代に対等な関係で国と向かい合い、自立した地方を創る力を得る」
といったところであった。

地方が財源面で国に依存するようになったのは、人口減少よりもはるかに昔からのこと。
官僚OBが多いのも、今に始まったことではない。
割合が増えたとは確かだが。

官僚OBであろうと、いい仕事をされればそれでいいのだが、
官僚OBに任せようという側のメンタリティに、あまり前向きなものが感じられないのも確かである。
また、官僚OBは、役人の中の役人ともいえるから、新たな視点からの提案が出にくい面もあるだろう。
出身官庁への気兼ねのようなものもあるかもしれない。
パイプ役としてのみ期待されているのならそれでいいのだが、それでは寂しい。

地方選挙については、私も見直しが必要だと思う。
これだけ無投票が続出してしまっては、選挙の体をなしていない。
比例代表制度にして、議員の数を絞り込む、
といった考え方は大いにあるだろう。
ただ、それを誰が決めるのかというと心もとない。
残念ながら、実現しそうな気がしない。

さて、この3日間の特集で日本経済新聞は、地方の停滞について警鐘を鳴らした。
首を傾げたくなるような指摘もあったが、
政治・行政の面で、地方の力が衰えていることは認めざるを得ない。
地方分権一括法が施行されたのが2000年。
21世紀は地方の時代、などと言われたが、そうはならなかった。
なぜそうならなかったのか、
そうならなければいけなかったのか、
これからはどうすべきなのか、
当事者の端くれとして、ずっと考えていきたい。

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日本経済新聞特集 「衰える地方」に思う その2 [ヨモヤ]

日本経済新聞朝刊の一面に連載中の「衰える地方 色あせた平成の分権」第2回。
(中)として、
「自治体自ら抵抗勢力に」
との見出しで、進まない改革について書かれていた。

主な内容は、
「選挙の勝利により大阪都構想が再び動き出しそうだが、再チャレンジにこぎつけたにすぎない」
「大阪以外では改革の動きはない」
「大きな転機は東日本大震災であり、地方が国に頼る構図が復活した」
「道州制についても地方が反対する」
「肝心の地方が分権に消極的では話にならない」
といったところであった。

日本経済新聞の指摘のとおり、大阪都構想以外、大きな提案がないのは事実である。
大きな絵を描ける政治家がいないからともいえるが、
そうしたニーズがないからという側面もある。

東日本大震災で国に頼る構図が復活したというのは、的を射ているのかどうなのか。
あのレベルの巨大災害に、一市町村が対応できるはずがなく、国が乗り出すのは当然である。
それを「国に頼る構図」と言われてはキツイ。

道州制に地方が反対なのはそのとおりで、
これは市町村合併のトラウマがあることに加え、
吸収されてしまう県が抵抗するからだろう。

日経は権限移譲が進まないことに否定的だが、
この連載の第1回目で指摘されたとおり、国も地方も借金を積み重ねている。
こうした状況で、地方がさらなる権限移譲に積極的になることを期待するのも無理があり過ぎる。

どうなれば分権が進んだと言えるのか、答えは一人一人違うだろう。
ただし、与えられた環境でできることをしっかりやり、結果を出し続けていれば、
権限移譲を増やしていないからと言って批判されるいわれはないだろう。

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日本経済新聞特集 「衰える地方」に思う その1 [ヨモヤ]

4月17日付の日本経済新聞朝刊の一面に「衰える地方 色あせた平成の分権」という特集記事が掲載されていた。
(上)ということだから、2回か3回の特集になるのだろう。
仕事柄、関心が高い領域なので、各回考察してみようと思う。

第1回は、
「平成の大合併で、自治体は身の丈を超えた施設整備に走り、借金が膨張した」
「財政難になりふり構わなくなった自治体がふるさと納税での返礼品競争に走ったが、これは他の自治体の税収を奪っているのに過ぎない」
「人口減が進む令和時代に必要なのは、『賢く縮む行政』である」
「深谷市のマイナス入札は一つのヒントになる」
といった内容であった。

1面に加え、5面にも連動したインタビュー記事が掲載されていて、兵庫県の篠山市長が合併を総括されていた。

書かれていた内容は、自治体に関係している人間にとっては目新しい話ではないが、まずは問題提起というところだろう。
ただ、合併については、国が強力に旗を振り、県がそれにガッツリ乗るという、
「上からの」動きとして進められたことは忘れてはならないと思う。
市町村が甘い夢を見たような書きぶりになっていて、
確かにそういう面もあったのだろうが、
多くは半強制的な合併であった。
交付税や合併特例債という強烈なアメと、
合併しなかったらこの先知らないよ、というムチを見せられた末の、
やむにやまれぬ合併だった地域も少なくないと思う。
もちろん、最終責任はその時の首長にあるのだろうし、
国の言うことを信用してしまった落ち度はあるだろうが、
今になって批判するのもあまりフェアではない気がする。

ふるさと納税についても、ごく一部の例だけを取り上げて断罪するのはどうだろう。

それでもなんでも、こうした企画が一面に取り上げられるのはいいことだと思う。
さすが日経である。
統一地方選挙に合わせた企画であろうから、
広く読まれて、投票の参考になれば意味がある。

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速い球を投げるために足を高く上げるべきか [55歳125キロプロジェクト]

令和2年、西暦2020年に向け
「55歳過ぎの腰痛持ちが、125キロの速球を投げるプロジェクト」
を実施中である。
軽~く、キャッチボールを始めた。
これから徐々に上げていこうとは思うが、
腰痛を抱えているために、走り込みやウエートトレーニングはできない。
そんな制約の中で球速を上げるためには、フォームの研究が欠かせない。
今日は、足を高く上げるべきかどうか考えてみたい。

まずは、速い球を投げるピッチャーのフォームを見てみよう。
今年の日本球界で最も速い球を投げているのが、ソフトバンクの千賀である。
フォームを見ると、特別足を高く上げてはいない。
今年は打者に専念する予定の日本人最速のエンゼルスの大谷も、それほど足を上げない。
一方、高校生で163㎞を出したことで話題の佐々木朗希くんは、かなり足を高く上げるフォームである。

そもそも投げる時に足を上げるのは、
軸足に体重を乗せ、
その後の重心移動につなげるためである。
足を高く上げるということは、反動を十分に使おうということだろうか。
勢いをつけるためには、足を上げられるだけ上げた方がいいように思える。

しかし、当たり前だが、上げた足は下すことになる。
そして下しながら体重移動していく。
ボールを真下に投げるわけではなく、前に投げるからである。
上からドスンと下すことはしない。
ドスンと下すと力のロスにつながるからである。
であれば、わざわざ足を高く上げる必要も無いような気もする。

近年の投手は、ランナーがいなくてもセットポジションで投げることが多い。
その方が、軸がぶれにくく、体重移動をしやすいからであろう。
つまり、大切なのは、上下移動よりも前後移動であるように思う。
前後移動をしやすいのであれば足を上げるのもありだが、
私のように足腰がしっかりしていないものが足を高く上げても、得るものは少なそうだ。

結論は、
私の場合、足を無理に高く上げる必要はなく、
それより、軸足からスムーズに体重移動ができる足の上げ方が求められる、
というものである。

ちなみに161㎞を出した千賀の美しいフォームはこちら。
見習いたい。
https://www.youtube.com/watch?v=NT4o_xoDaZE
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日経平均は節目の22,000円を軽々突破  ~ 株価はさらなる上昇に向かうのか ~ [経済を眺める楽しみ]

去年の後半くらいから、景気についてはネガティブなニュースが次々に届けられている。
米中の経済摩擦だ、
中国経済の失速だ、
日本経済は後退局面に入った、
などなどである。
そうした状況を受けて、株価も一旦大きく調整した。

しかし、その後株価はジリジリ戻している。
どうも中国の完全な失速はなさそうに見えるし、
アメリカ経済も好調を保っているうえ、
円高に振れることもない、
という状況が、買い安心感につながっているのだろうか。

4月15日の株式市場はさらに好調。
日経平均は大幅に3日続伸し、節目だった22,000円を軽々と上回り、年初来高値を更新した。
出遅れているTOPIXも反発し、こちらも年初来高値。
どうも世の中の空気と株価は反比例しているような感さえある。

ここからのさらなる上昇に向けては、企業決算を見極める必要がある。
2019年3月期の決算は、すでに織り込まれている部分が多いので、
問題は2020年3月期の見通しがどうなるか。
ここまではあまり期待されてこなかったが、ここが市場の見方より強気に出されるようなら、
上昇に弾みがつきそうだ。
もちろん、反対の場合もあるだろう。

予定通りなら、今年の10月には消費増税という試練が待ち構えている。
ここに来ての株価の上昇は、それを乗り越えられると市場が踏んでいるからだろうか。
どうにも確信が持てないので、私は見るだけにしているが、乗り遅れてしまった焦りもなくはない。

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無敗の皐月賞馬サートゥルナーリアは先輩たちに続けるか [ヨモヤ]

牡馬クラシック戦線第1弾皐月賞は、断然の一番人気に押されたサートゥルナーリアが勝利を収めた。
無敗での皐月賞制覇は、あのディープインパクト以来。
ちなみに、グレード制導入後の「無敗の皐月賞馬」の先輩は以下の6頭。
とんでもない豪華メンバーである。

1984年シンボリルドルフ(史上最強馬の呼び声高い「皇帝」)
1985年ミホシンザン(シンザンの子。GⅠ3勝)
1991年トウカイテイオー(ルドルフの子。無敗のダービー馬)
1992年ミホノブルボン(坂路の申し子。無敗のダービー馬)
2001年アグネスタキオン(無敗のまま引退。幻の三冠馬)
2005年ディープインパクト(日本競馬の最高傑作。「英雄」)

このメンバーを見ると、サートゥルナーリアの未来は約束されたもののように見える。
しかし、皐月賞のレースぶりはここに挙げた6頭とは少し違う。
圧倒的な強さを見せた先輩たちと比べ、サートゥルナーリアは3着までアタマ、クビの大接戦。
1強のイメージではなかった。

もちろん、サートゥルナーリアは年明け初戦であり、ダービーを見据えた仕上げだったと思われるから、2・3着の馬とは着差以上の差があったとは言えるだろう。
それにしても、力の差を見せつけるまではいかなかったことは確かである。

ダービーでもサートゥルナーリアが断然の一番人気になることは間違いない。
しかし、先に挙げた無敗の皐月賞馬の先輩たちほどの信頼感がないことも事実である。
(ついでに言えば、馬名も強そうに聞こえない)
本当の名馬かどうか、府中の2400で証明されることになる。

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映画評 「多十郎殉愛記」 [映画評]

なんでもこの映画は、
『木枯し紋次郎』シリーズや『狂った野獣』などの中島貞夫監督がメガホンを取り、
「殺陣の魅力を存分に見てもらうこと」をコンセプトにした時代劇、
なのだそうだ。
まあ、どんなコンセプトで撮ろうとかまわないが、ちゃんとした作品に仕上げていただきたい。
チャンバラシーンはふんだんにあるが、映画としてはとにかく、
退屈、
ということに尽きる。

物語がなく、
人物が描けていないから、
チャンバラに気持ちが入らない。
斬ってやれ、
斬られるな、
と祈れない。
このところ困った日本映画を立て続けに見せられている気がするが、本作もその流れに乗ってしまった。

主演は高良健吾さん。
カッコいいし、与えられた役をしっかりこなされていると思うが、この映画ではどう頑張ってみても。
共演の多部未華子さんは、いつもどおり素敵。
多部さんを見るために足を運ぶ手はある。

時代劇は、日本映画の大切なジャンルとして、これからもしっかり守っていきたい。
しかし、時代劇ならいい、
チャンバラがあればいい、
というものでは絶対にない。
しっかり物語が描けないのなら、映画ではない。
残念。

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日本最強投手だったダルビッシュの復活はあるか [ヨモヤ]

ダルビッシュを、日本歴代最強の投手として挙げる人は少なくないと思う。
稲尾さんや金田さんらをも差し置いて。
日本での実績を見ると、
2007年から5年連続で防御率1点台だったのだから、その圧倒的な力がわかる。
メジャーでも、
1年目に16勝、2年目に13勝を挙げ、
より内容のよかった2年目はサイヤング賞投票で2位となっている。

現在、カブスでプレーするダルビッシュの年俸は6年総額で約135億円。
それだけ高く評価されているということだろう。
しかし、この2年間の投球はどうしたことか。
去年はわずか1勝、
今年もここまでの3試合がいずれも不甲斐ない内容で、
防御率はなんと7.50。
年俸に合っていないどころか、メジャーの先発投手のレベルに全く達していない。

この頃のダルビッシュは、筋トレで注目されることが多いのだが、ここまでの結果を見ると功を奏していない。
筋力が付き、
重いものも上げられるようになったのかもしれないが、
野球に活かされなければ全く意味がない。
晩年の清原さんも筋トレにはまっていた記憶がある。
筋力アップと野球の実力には、正の関係はないと知るべきである。
方向性に根本的な間違いがないか、今からでも見直すべきではないだろうか。

ダルビッシュはまだ32歳。
老け込む歳ではないし、本来なら脂がのり切っていい時期である。
このまましぼんでいくとしたら、あまりにも寂しい。

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映画評 「JK☆ROCK」 [映画評]

音楽映画が好きだ。
特にロック系の。
ロックが成立するには「飢え」が必要である。
そこをどう設定するか。
「リンダリンダリンダ」「NANA」「BECK」
あたりは、うまく表現してくれていたと思う。

巷ではほとんど話題になっていない「JK☆ROCK」であるが、
ロックがテーマとあっては気持ちがうずく。

しかし、そのワクワク感は、映画開始後、ほんの数分で打ち砕かれる。
いきなり「?」なシーンに、
「?」な演出。
期待は急速にしぼむ。
そして、それは最後まで膨らむことはなかった。

音楽を止めた主人公に、なんとか戻ってもらおうと周りが悪戦苦闘する。
しかし、肝心の音楽を止めた理由が酷く弱い。
はなはだしく弱い。
どうして、ここをもっと考えないのだろう。
物語の核となる部分が、こんなふにゃふにゃでは、どうやったって説得力のある映画ができるはずはない。
そんなことくらいわかりそうなものなのに。
きっとわかっているのに、「まあ、いいや」で飛ばしてしまったのだろう。
そういう甘さ、弱さは、ダメな日本映画の共通点である。

映画の中で演奏される曲も弱い。
ヒロイン役の女の子がかわいくない、というのが新しいと言えば新しいが、だからどうということもない。

「JK☆ROCK」には、ダメな低予算日本映画の要素が盛りだくさん。
反面教師とするにはいいかもしれないので、そうしたニーズがある方は是非足をお運びいただきたい。

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念のため 温暖化の反対は昨日のような日が続く世界 [ヨモヤ]

昨日4月10日の関東地方は、季節外れの強烈な冷え込みとなった。
朝からみぞれ交じりの空模様で、
最高気温は1ケタ。
まさに真冬並みであった。

だからどうだというわけではないが、念のため。

世界は温暖化を止めるために一丸となっているが、
その反対は寒冷化である。
暑くなる温暖化はもちろん困るが、
寒くなる寒冷化の困り方はその比ではないだろう。
5月や6月でも昨日のような日が続くようになったら、本当に大変である。

だから温暖化でよかったじゃないか、
と言うつもりは全くない。
ただ、寒冷化は大変だとは思う。
温暖化によって生物多様性が失われるという意見があるが、
寒冷化の方がその要素は強いだろう。

だから温暖化でよかったじゃないかというつもりはない。
念のため。

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