SSブログ

映画評 「多十郎殉愛記」 [映画評]

なんでもこの映画は、
『木枯し紋次郎』シリーズや『狂った野獣』などの中島貞夫監督がメガホンを取り、
「殺陣の魅力を存分に見てもらうこと」をコンセプトにした時代劇、
なのだそうだ。
まあ、どんなコンセプトで撮ろうとかまわないが、ちゃんとした作品に仕上げていただきたい。
チャンバラシーンはふんだんにあるが、映画としてはとにかく、
退屈、
ということに尽きる。

物語がなく、
人物が描けていないから、
チャンバラに気持ちが入らない。
斬ってやれ、
斬られるな、
と祈れない。
このところ困った日本映画を立て続けに見せられている気がするが、本作もその流れに乗ってしまった。

主演は高良健吾さん。
カッコいいし、与えられた役をしっかりこなされていると思うが、この映画ではどう頑張ってみても。
共演の多部未華子さんは、いつもどおり素敵。
多部さんを見るために足を運ぶ手はある。

時代劇は、日本映画の大切なジャンルとして、これからもしっかり守っていきたい。
しかし、時代劇ならいい、
チャンバラがあればいい、
というものでは絶対にない。
しっかり物語が描けないのなら、映画ではない。
残念。

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事